「家を売ることになったけれど、何から始めればいいのか分からない」「不動産会社に任せきりで損をしないか心配」。不動産の売却は一生に何度もない取引なので、初めての方が不安を感じるのは当然のことです。
この記事では、初めて不動産を売る方に向けて、売却の基本を一つの記事で見渡せるように整理しました。売り方の選び方、流れ、費用と税金、必要書類、タイミング、失敗しないコツまでを順に解説し、詳しく知りたい点は専門の記事へご案内します。法律や税の制度は、2026年10月時点の宅地建物取引業法・国税庁などの情報で確認しています。
- 仲介・買取・買取保証付き売却・個人売買の違いと選び方
- 準備から確定申告までの7つの段階と期間の目安
- 売却にかかる費用・税金と、手取りの計算例
- 必要書類、売るタイミング、初めての方が失敗しやすい点
- 墨田区・江戸川区で売るときに確認しておきたい地域の事情
この記事の結論
- 不動産売却は「準備→査定→媒介契約→販売活動→売買契約→決済・引渡し→確定申告」の7段階で、仲介なら3〜6か月程度が目安です。
- 高く売りたいなら仲介、期限までに確実に売りたいなら買取、両方を求めるなら買取保証付き売却が候補になります。
- 仲介手数料の上限は売買価格400万円超なら「3%+6万円+消費税」で、4,000万円の売却なら約138.6万円です。
- 税金は売却益(譲渡所得)にかかり、所有5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%です。自宅なら3,000万円控除を使える場合があります。
- 失敗を防ぐコツは、査定額の高さより根拠で会社を選ぶこと、手取りで判断すること、不具合を正直に伝えることの3つです。
不動産売却を始める前に決めておくこと
売却を始める前に決めておくべきなのは、「なぜ売るのか」と「いつまでに売る必要があるのか」の2つです。この2つで、選ぶべき売り方も、売り出し価格の付け方も変わります。
主な売却理由と、それぞれ気をつける点
不動産を売る理由は、住み替え・相続・離婚・転勤・ローン返済の負担などさまざまです。理由ごとに、注意すべき点が異なります。
| 売却理由 | よくある期限 | 特に気をつける点 |
|---|---|---|
| 住み替え | 新居の入居日・引渡し日 | 売り先行か買い先行か、つなぎ資金、二重ローン |
| 相続 | 相続税の申告期限(10か月)、空き家特例の期限 | 相続登記、相続人全員の合意、取得費の確認 |
| 離婚 | 財産分与の取り決め・請求期間 | 共有名義、住宅ローンの連帯債務・連帯保証 |
| 転勤 | 赴任日 | 遠方からの手続き、売るか貸すかの判断 |
| ローン返済が苦しい | 滞納が始まる前 | 売却額で完済できるか、任意売却の検討 |
住み替えで期限がある場合の進め方は引っ越したいのに家が売れない?住み替えの期限別の対策、相続した家の段取りは相続した不動産の売却の流れ|遺産分割・相続登記・共有の段取りで詳しく解説しています。
売るか、貸すか、持ち続けるか
「売るべきか迷っている」段階でも、相場と手取りを知っておくと判断しやすくなります。貸す場合は家賃収入が得られる一方で、修繕費・空室・管理の手間がかかり、将来売るときには自宅の3,000万円控除を使えなくなることがあります。判断の基準は不動産売却のメリット・デメリット|貸す・持ち続けるとの比較と判断基準をご覧ください。
不動産売却の方法は4つ|仲介・買取・買取保証・個人売買の違い
不動産の売り方は、大きく分けて仲介・買取・買取保証付き売却・個人売買の4つです。高く売ることを重視するか、早く確実に売ることを重視するかで選びます。

仲介売却|相場に近い価格を目指す一般的な方法
仲介とは、不動産会社が売主から依頼を受けて買主を探し、売買契約の成立を手助けすることです。一般の個人や法人に向けて広く売り出すため、相場に近い価格で売れる可能性が高いのが特徴です。
一方で、買主が見つかるまでの期間は読みにくく、査定から引渡しまで3〜6か月程度かかるのが一般的です。売買契約が成立すると、不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介の仕組みは不動産仲介とは?仲介を依頼する前に知る仕組みと流れで解説しています。
買取|不動産会社が直接買うので早く確実
買取とは、不動産会社が買主になって物件を直接買い取る方法です。広告や内覧が不要で、条件が合えば1か月程度で現金化でき、仲介手数料もかかりません。
ただし、買い取った会社が修繕や再販の費用とリスクを負うため、価格は仲介の相場より低くなるのが一般的です。古い家、再建築できない土地、残置物が多い家など、仲介では買主が住宅ローンを使いにくい物件や、近所に知られずに売りたい場合に向いています。手取りと期間の比べ方は仲介と買取の違いは?どっちが得か手取り・期間で比較をご覧ください。
買取保証付き売却|まず仲介で売り出し、期限が来たら買い取る
買取保証付き売却とは、一定の期間は仲介で売り出し、その期間内に売れなかった場合に、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る売り方です。相場での売却に挑戦しながら、住み替えなどの期限までに売れないリスクを避けられます。
保証の価格や販売期間の決め方は会社や物件によって異なるため、契約前に書面で確認することが大切です。
個人売買|手数料はかからないがリスクが大きい
個人売買とは、不動産会社を通さずに、売主と買主が直接取引する方法です。仲介手数料はかかりませんが、価格の決定、契約書の作成、物件の調査、代金の受け渡しの段取りをすべて当事者で行う必要があります。
不動産会社が仲介する場合は、宅地建物取引士による重要事項説明が法律で義務づけられていますが、個人売買にはこの仕組みがありません。説明不足から引渡し後に責任を問われたり、買主が住宅ローンを使えなかったりすることもあります。親族間の売買など相手が決まっている場合でも、登記は司法書士に依頼し、契約書の内容は専門家に確認してもらいましょう。
不動産売却の流れ|準備から確定申告までの7段階
仲介で売る場合、不動産売却は7つの段階で進み、全体で3〜6か月程度かかるのが一般的です。各段階で売主がやることを先に知っておくと、手続きが止まらずに済みます。

| 段階 | 期間の目安 | 売主がやること |
|---|---|---|
| 1. 準備 | 2週間〜1か月 | 売る理由と期限の整理、ローン残高・名義・境界・書類の確認 |
| 2. 査定 | 1〜2週間 | 2〜3社に査定を依頼し、価格の根拠を比べる |
| 3. 媒介契約 | 1日〜数日 | 契約の種類と売り出し価格を決める |
| 4. 販売活動 | 1〜3か月 | 内覧への対応、報告をもとに価格や条件を見直す |
| 5. 売買契約 | 1〜2週間 | 条件交渉、告知書の作成、手付金の受領 |
| 6. 決済・引渡し | 契約から約1か月 | 引越し、残代金の受領、ローンの完済、鍵の引渡し |
| 7. 確定申告 | 売った翌年2月16日〜3月15日 | 譲渡所得の計算と申告・納税 |
期間は物件や時期によって変わり、土地や戸建てで境界の確定が必要な場合や、相続登記が済んでいない場合は長くなります。各段階でやることの詳細は不動産会社に仲介してもらって売却する流れ|期間の目安と売主がやることで解説しています。ここでは、初めての方が特に押さえておきたい点に絞って説明します。
準備|ローン残高・名義・境界を最初に確認する
最初に確認すべきなのは、住宅ローンの残高、登記の名義、土地の境界の3つです。住宅ローンが残っている家は、決済の日にローンを完済して抵当権(金融機関の担保の権利)を抹消しなければ、買主に引き渡せません。売却額と手元の資金で完済できるかを、返済予定表で確かめておきましょう。
登記の名義が亡くなった親のままの場合は、先に相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。また、2026年4月1日からは住所変更登記も義務になっています(法務省)。
査定|2〜3社に頼み、価格の根拠で比べる
査定は2〜3社に依頼し、金額の高さではなく「なぜその価格なのか」という根拠で比べるのが基本です。査定には、物件の情報と周辺の取引事例から出す机上査定と、担当者が現地を確認して出す訪問査定があります。売り出し価格を決める前には、訪問査定を受けるのが一般的です。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の取引価格を地域ごとに調べられます。自分でも相場の幅を知っておくと、査定額が高すぎるか低すぎるかを判断しやすくなります。査定で見られる項目は中古マンションをより高く売るポイント|査定で見られる10項目も参考にしてください。
媒介契約|3種類の違いを知って選ぶ
媒介契約とは、売主が不動産会社に買主探しを依頼し、その条件や報酬を定める契約のことです。宅地建物取引業法34条の2で、次の3種類に分けられています。
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | できる | できない | できない |
| 自分で見つけた買主との契約 | できる | できる | できない |
| レインズへの登録 | 義務なし | 契約から7日以内 | 契約から5日以内 |
| 不動産会社から売主への報告 | 義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 有効期間 | 法律の定めなし(標準媒介契約約款では3か月以内) | 3か月以内 | 3か月以内 |
出典:宅地建物取引業法34条の2、同法施行規則(レインズへの登録日数は不動産会社の休業日を除く)。レインズとは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社どうしで物件情報を共有するシステムのことです。なお、報告の義務を負うのは売主ではなく不動産会社です。選び方は不動産売却の依頼はどこがいい?媒介契約3種類の選び方と報告の受け方をご覧ください。
販売活動|1か月ごとに反響を振り返る
販売活動の間に売主がやることは、内覧への対応と、報告をもとにした価格や条件の見直しです。問い合わせが少ないなら価格や広告の見せ方、内覧はあるのに申込みが入らないなら価格か物件の印象に原因があると考えられます。売り出しから1か月を目安に反響を振り返り、担当者と見直しを相談しましょう。原因の切り分け方は家がなかなか売れない理由と対策で解説しています。
売買契約|手付金と告知書がポイント
買主が見つかったら、価格・引渡し日・手付金などの条件を交渉し、売買契約を結びます。手付金とは、契約時に買主が売主に払うお金のことで、決済時に代金の一部に充てられます。売買価格の5〜10%程度が一般的です。
手付金を受け取ると、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して、契約を解除できます(民法557条)。また、雨漏り・シロアリ・設備の故障・浸水の履歴など、売主が知っている不具合は告知書に書いて買主に伝えます。伝えていない不具合は、引渡し後に契約不適合責任を問われる原因になります。契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約の内容に合っていない場合に、売主が修補や代金の減額などに応じる責任のことです。
決済・引渡し|残代金の受領と同じ日に鍵を渡す
売買契約から引渡しまでは、買主の住宅ローンの審査と売主の引越しの期間として、約1か月を見込むのが一般的です。決済の日には、残代金の受領、住宅ローンの完済、所有権移転と抵当権抹消の登記の申請を同じ日に行い、鍵を渡します。固定資産税・都市計画税(マンションは管理費・修繕積立金も)は、引渡し日を基準に日割りで精算するのが慣例です。
確定申告|利益が出たら翌年に申告する
売却で利益が出た場合や、3,000万円の特別控除などの特例を使う場合は、売った翌年に確定申告が必要です。2026年中に売却した場合の申告期間は、2027年2月16日〜3月15日です(国税庁)。特例で税金がゼロになる場合も、申告しなければ特例を受けられません。申告の手順は不動産売却後の確定申告は必要?自宅・マンションの3,000万円控除と手順をご覧ください。
不動産売却にかかる費用と税金|手取りの計算例つき
売却にかかる費用で最も大きいのは仲介手数料で、ほかに印紙税、抵当権抹消の費用、必要に応じて測量費などがかかります。利益が出た場合は、これとは別に譲渡所得の税金がかかります。
主な費用の一覧
| 費用 | 目安・根拠 | 払う時期 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 上限は売買価格(税抜)400万円超で「3%+6万円」+消費税(国土交通省告示) | 契約時と引渡し時に半額ずつが一般的 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る。1,000万円超5,000万円以下は1万円(2027年3月31日までの軽減税率。国税庁 No.7108) | 売買契約時 |
| 抵当権抹消の登録免許税 | 不動産1個につき1,000円(土地と建物なら2,000円)。司法書士に頼む場合は別に報酬 | 決済時 |
| ローンの繰上返済の手数料 | 金融機関や返済方法によって異なる(無料の場合もある) | 決済時 |
| 測量費 | 境界が確定していない土地・戸建てで必要になることがある | 売り出し前〜決済前 |
| 引越し・片付け・解体など | 物件と売り方による | 引渡し前 |
なお、売買価格が800万円以下(税抜)の空き家などは、2024年7月1日から、仲介手数料の上限を30万円(税込33万円)とする特例があり、媒介契約の前に説明と合意が必要とされています(令和6年国土交通省告示第949号)。費用の全体と抑え方は不動産売却の費用の目安は?一覧と計算例・抑える方法、仲介手数料の交渉は不動産売却の仲介手数料の相場と値下げ交渉で解説しています。
税金|売却益(譲渡所得)にかかる
不動産を売ったときの税金は、売却益である譲渡所得にかかります。譲渡所得とは、売却価格から、購入代金などの取得費と、仲介手数料などの譲渡費用を差し引いた利益のことです。利益が出なければ、税金はかかりません。
税率は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで変わります(国税庁 No.3208)。
| 区分 | 所有期間(売った年の1月1日時点) | 税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税30.63%+住民税9%) |
| 自宅で所有10年超の軽減税率 | 10年超 | 課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は14.21% |
自宅を売る場合は、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります(国税庁 No.3302)。相続した空き家にも、2027年12月31日までの売却を対象とした3,000万円控除があり、相続人が3人以上の場合は1人2,000万円が上限です。なお、2027年分からは防衛特別所得税が始まりますが、同じ分だけ復興特別所得税が下がるため、合計の税率は変わりません。計算の詳細は不動産を売買すると所得税はかかる?売却時の計算方法と税率をご覧ください。
手取りの計算例(仮定の数値)
次の2つは、手取りの考え方を説明するための仮定の例です。実際の金額は物件・契約・特例の要件によって変わります。
例1:自宅のマンションを4,000万円で売り、住宅ローンが1,500万円残っている場合
- 仲介手数料(上限):(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138万6,000円
- 印紙税:1万円(紙の契約書の場合)
- 抵当権抹消:登録免許税2,000円+司法書士の報酬(ここでは仮に2万円)
- ローンの完済:1,500万円
- 手元に残る金額の目安:4,000万円-138万6,000円-1万円-2万2,000円-1,500万円=約2,358万円
この例で利益が出ていても、自宅の3,000万円控除の要件を満たし、譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金はかかりません(確定申告は必要です)。
例2:親から相続した土地を3,000万円で売り、購入時の価格が分からない場合
- 取得費:購入代金が分からない場合は、売却価格の5%(150万円)を取得費にできる(概算取得費。国税庁 No.3258)
- 譲渡費用:仲介手数料など合計100万円と仮定
- 譲渡所得:3,000万円-150万円-100万円=2,750万円
- 税金(長期・20.315%):2,750万円×20.315%=約558万円
相続した不動産は、親が持っていた期間も所有期間に含めるため、多くは長期譲渡所得になります。購入時の売買契約書があれば取得費を実額で計算でき、税金が大きく下がることがあるので、売る前に探しておきましょう。
不動産売却に必要な書類と取得先
売却に必要な書類は、本人確認と権利の証明に使う書類、物件の内容を説明する書類、税金の計算に使う書類の3種類です。査定の段階で手元にある書類を担当者に見せると、価格の根拠が正確になります。
| 書類 | 主な用途 | 取得先 |
|---|---|---|
| 登記識別情報(または登記済証=権利証) | 所有権移転登記 | 手元で保管(再発行はできない) |
| 実印・印鑑証明書(発行後3か月以内が一般的) | 登記・契約 | 市区町村の窓口・コンビニ交付 |
| 本人確認書類 | 契約・登記 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 住民票(登記上の住所と今の住所が違う場合) | 住所のつながりの証明 | 市区町村の窓口・コンビニ交付 |
| 登記事項証明書・公図・地積測量図 | 権利関係・土地の形と面積の確認 | 法務局(オンライン請求も可) |
| 固定資産税の納税通知書・評価証明書 | 精算・登録免許税の計算 | 毎年届く通知書/都税事務所 |
| 購入時の売買契約書・領収書 | 取得費の計算(確定申告) | 手元で保管 |
| ローンの返済予定表・残高証明書 | 完済額の確認 | 借入先の金融機関 |
| 管理規約・長期修繕計画など(マンション) | 買主への説明 | 管理組合・管理会社 |
東京23区の固定資産税の評価証明書は、区役所ではなく都税事務所で取得します。墨田区は墨田都税事務所、江戸川区は江戸川都税事務所が窓口です。契約・決済の場面ごとのチェックリストは不動産を売却する際に必要な書類|契約・決済別チェックリストにまとめています。
不動産を売るタイミングの見極め方
売るタイミングは、市場の動きよりも、まず自分の事情(期限・税金・ローン)で決めるのが基本です。そのうえで、金利や季節の動きを補助的に見ます。
税金で損をしない時期を確認する
所有期間が5年を超えるかどうかで税率は約2倍変わり、判定は売った年の1月1日時点で行います。たとえば2021年10月に買った家は、2026年中に売ると短期、2027年に売ると長期になります。自宅の10年超の軽減税率や、相続した空き家の3,000万円控除(2027年12月31日までの売却)も、期限を確認してから売る時期を決めましょう。
金利と季節の動き
日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げました。住宅ローンの金利が上がると、買主が借りられる金額が減り、価格に下向きの力がかかりやすくなります。今後も金利が上がる見込みがあるなら、売る予定が決まっている方は先延ばしにしないことも一つの判断です。
季節では、新生活や転勤に合わせて住まいを探す人が増える1〜3月と、秋の異動期に問い合わせが増えやすい傾向があります。ただし、引渡しまで数か月かかるため、狙う時期から逆算して2〜3か月前には売り出せるよう準備しておくことが大切です。マンションの売り時はマンションを売るタイミングはいつ?売り時を決める6つの判断基準、土地は土地を売却するベストタイミングで詳しく解説しています。
不動産売却を成功させる3つのコツと、初めての方の失敗例
初めての売却で失敗しないためのコツは、査定額より根拠で会社を選ぶこと、手取りで判断すること、不具合を正直に伝えることの3つです。

コツ1:査定額の高さではなく、根拠で会社を選ぶ
査定額は「この価格で売れる」という約束ではありません。高い査定額を出した会社に任せたものの、反響がなく値下げを繰り返し、結局は相場より安く売ることになるのは、よくある失敗の一つです。査定の根拠になった成約事例、想定している買主像、販売の方法、報告の頻度を比べて選びましょう。会社の比べ方は不動産売却はどこがいい?大手と地元の比べ方|査定の根拠で選ぶをご覧ください。
コツ2:売却価格ではなく、手取りで判断する
「4,000万円で売れた」と思っても、仲介手数料・税金・ローンの残りを引くと、手元に残る金額は大きく変わります。住み替えの資金計画や、仲介と買取の比較は、必ず手取りの金額で行いましょう。売却額でローンを完済できない場合の選択肢は持ち家の売却で赤字になる時の判断|ローンが残る家の4つの選択肢で解説しています。
コツ3:不具合は隠さず、先に伝える
雨漏りや設備の故障、浸水の履歴などを伝えずに売ると、引渡し後に修補や代金の減額を求められることがあります。告知書に知っていることをすべて書き、必要なら建物状況調査(インスペクション)を受けておくと、買主の安心につながり、値下げ交渉の材料も減らせます。売主が責任を負う期間は契約不適合責任を負う期間はどれくらい?をご覧ください。
物件の印象を整える
内覧では第一印象が判断を大きく左右します。玄関・水回り・ベランダを中心に掃除し、照明をすべてつけて明るく見せ、不要な家具や荷物を減らして広さが伝わるようにしましょう。大がかりなリフォームは費用を回収できないことも多いため、売る前に直すかどうかは担当者と相談して決めるのが安全です。
初めての方が陥りやすい失敗
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 相場より高い価格で売り出す | 反響がなく値下げを繰り返し、売れ残りの印象がつく | 成約事例をもとに価格を決め、1か月ごとに見直す |
| 新居を先に契約する | 売れないと二重ローンや資金不足になる | 売り先行にするか、買取保証などで期限を確保する |
| 相続登記をしていない | 買主が見つかっても契約・決済が進まない | 売り出す前に相続登記を済ませる |
| 確定申告をしない | 特例を受けられず、加算税や延滞税がかかる | 売った翌年の申告期間に必ず申告する |
| 契約書を読まずに署名する | 解除の条件や責任の範囲で後から困る | 重要事項説明と契約書の条項を事前に受け取って読む |
ローンが残っている家・古い家・相続した家の売り方
住宅ローンが残っている家、古い家、相続した家は、普通の売却に加えて確認する点があります。どの場合も、仲介と買取の両方の見通しを最初に聞いておくと、判断を誤りにくくなります。
住宅ローンが残っている家
ローンが残っていても、売却代金(と手元資金)で完済できれば、問題なく売ることができます。決済の日にローンを完済し、抵当権を抹消して引き渡すのが一般的な流れです。売却が決まったら早めに金融機関へ一括返済を申し込みましょう。手続きに2週間〜1か月ほどかかる金融機関もあります。
売却額でローンを完済できない場合は、不足分を自己資金で補うか、住み替え先のローンに上乗せできる商品を使うなどの方法を検討します。返済が苦しく滞納が近い場合は、競売になる前に任意売却を相談することが大切です。滞納後の流れは住宅ローンが払えなくなったらどうなる?滞納後の流れと対処法で解説しています。また、住宅ローン控除は、売却して住まなくなった年の翌年以降は受けられなくなります。
古い家(築年数が経った戸建て・マンション)
木造戸建ては築20〜25年を超えると建物の評価が小さくなり、土地の価値が中心になるのが一般的です。ただし、建物が使えるかどうかは築年数だけでは決まりません。修繕の履歴や建物状況調査の結果を示せば、評価してもらえることがあります。
登記簿上の建築日付が1981年12月31日以前の建物は、買主が住宅ローン控除を使うために耐震基準を満たすことの証明が必要になるなど、買主側の負担が増えます(国税庁 No.1213)。更地にして売るか、古家付きで売るか、買取にするかは、解体費用と税金の影響を比べて決めましょう。詳しくは築20年の一戸建てに価値はある?築30年までの査定と高く売るコツをご覧ください。
相続した家
相続した家を売るには、遺産分割で誰が相続するかを決め、相続登記を済ませる必要があります。相続人が複数いて共有で売る場合は、全員の合意と署名・押印が必要です。親が住んでいた家が空き家になった場合は、要件を満たせば相続した空き家の3,000万円控除を使えるため、期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの売却)を確認しておきましょう。
墨田区・江戸川区で不動産を売るときの地域の注意点
墨田区・江戸川区で売る場合は、水害リスクの説明、狭い道路や私道に面した土地、古い木造住宅の扱いで準備に時間がかかりやすい点に注意が必要です。売却の基本は全国共通でも、地域の事情で準備する内容が変わります。
| 区 | 売却で時間がかかりやすい事情 | 早めに確認すること |
|---|---|---|
| 墨田区 | 京島・八広・東向島などに木造住宅の密集地域や長屋、狭い私道に面した土地が残る | 接道と再建築の可否、私道の通行・掘削の承諾、不燃化特区の助成 |
| 江戸川区 | 区の広い範囲が海抜ゼロメートル地帯。土地を分けて売る場合は最低敷地面積70㎡の制限がある地域が多い | 浸水の履歴の整理、ハザードマップ上の位置、分筆の可否 |
水害リスクは重要事項説明の対象
2020年8月28日から、不動産会社は重要事項説明で、水害ハザードマップ上の物件の位置を買主に説明することが義務になっています。また、損害保険料率算出機構の水災等地では、墨田区・江戸川区はいずれも最も高い「5等地」に区分されています。買主も水害リスクを確認したうえで判断するため、浸水したことがある場合は、時期と被害の程度を告知書に正確に書いておきましょう。
私道・境界・再建築の可否は査定の段階で確認する
下町の古い住宅地では、境界標がない土地や、複数の家で共有している私道に面した土地が少なくありません。買主が住宅ローンを使う場合、私道の通行や水道管の工事の承諾書を求められることがあります。建築基準法上の道路に2m以上接していない土地は、原則として建て替えができないため、価格や売り方が大きく変わります。販売を始めてから気づくと契約が遅れるため、査定の段階で担当者に調べてもらいましょう。
区の制度と相談先
墨田区では不燃化特区での建て替えや除却の助成、江戸川区では老朽住宅の除却工事の助成など、売る前の解体や建て替えに使える制度があります。年度ごとに内容と期限が変わるため、使う場合は区の最新の案内を確認してください。区ごとの売却の全体像は、墨田区は墨田区で家・マンションを売る完全ガイド、江戸川区は江戸川区の不動産売却ガイド、買取は墨田区の不動産買取ガイド・江戸川区の不動産買取ガイドで解説しています。
墨田区・江戸川区で初めての不動産売却を相談するならセルフリジェネレーション|Googleクチコミ 本店★4.8・瑞江店★4.9
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、墨田区・江戸川区を中心に不動産の売却・購入・買取をお手伝いしています。Googleクチコミの評価は、本店★4.8・瑞江店★4.9です(2026年10月時点)。
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「売却に当たり価格の設定や進捗状況の報告等細やかにしていただき安心できました。」(Googleクチコミより一部抜粋)
「様々なケースのメリットデメリットを教えていただき」(Googleクチコミより一部抜粋)
- 墨田区・江戸川区に特化:押上の本店、瑞江店、錦糸町オフィスを拠点に、私道や狭小地、水害リスクなど地域の事情を踏まえて査定・販売します。
- 売却も買取も対応:仲介と当社による直接買取の両方を扱うため、手取りと期間を比べて売り方をご提案できます。期限までに確実に売りたい方には買取保証付きの売却もご相談いただけます。条件は物件ごとに、ご相談時に書面でご説明します。
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不動産売却に関するよくある質問
不動産売却は何から始めればいいですか?
最初に、売る理由と期限を決め、住宅ローンの残高・登記の名義・権利証などの書類を確認します。そのうえで2〜3社に査定を依頼し、価格の根拠を比べて不動産会社を選びます。準備を先に済ませておくと、買主が見つかった後の手続きが止まりません。
不動産を売却するのにどのくらいの期間がかかりますか?
仲介で売る場合、査定の依頼から引渡しまで3〜6か月程度かかるのが一般的です。そのうち販売活動が1〜3か月、売買契約から引渡しまでが約1か月です。不動産会社が直接買い取る買取なら、条件が合えば1か月程度で現金化できます。
仲介と買取はどちらを選べばいいですか?
少しでも高く売りたく時間に余裕があるなら仲介、期限までに確実に売りたい場合や古い家・再建築できない土地なら買取が向いています。両方を求める場合は、仲介で売り出し、期限までに売れなければ買い取ってもらう買取保証付き売却もあります。手取りの金額で比べて決めましょう。
不動産を売るとどんな費用がかかりますか?
主な費用は、仲介手数料、売買契約書の印紙税、抵当権抹消の登記費用で、土地や戸建てでは測量費がかかることもあります。仲介手数料の上限は、売買価格400万円超なら「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額です。利益が出た場合は、これとは別に譲渡所得の税金がかかります。
家を売ったら税金はいくらかかりますか?
税金は売却益(譲渡所得)にかかり、所有期間が売った年の1月1日時点で5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%です。自宅の場合は、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります。利益が出なければ税金はかかりません。
住宅ローンが残っていても家は売れますか?
売却代金と手元の資金でローンを完済できれば売れます。決済の日にローンを完済して抵当権を抹消し、買主に引き渡すのが一般的な流れです。完済できない場合は、自己資金で補うか、任意売却などの方法を検討します。
家を売った後に確定申告は必要ですか?
売却で利益が出た場合や、3,000万円の特別控除などの特例を使う場合は、確定申告が必要です。2026年中に売った場合の申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。特例で税金がゼロになる場合も、申告しなければ特例を受けられません。
まとめ
- 不動産売却は、準備・査定・媒介契約・販売活動・売買契約・決済引渡し・確定申告の7段階で、仲介なら3〜6か月程度かかります。
- 売り方は仲介・買取・買取保証付き売却・個人売買の4つ。価格と期限のどちらを重視するかで選び、手取りの金額で比べます。
- 主な費用は仲介手数料・印紙税・抵当権抹消費用で、利益が出れば所有期間に応じて20.315%または39.63%の税金がかかります。
- 失敗を防ぐコツは、査定額より根拠で会社を選ぶこと、手取りで判断すること、不具合を正直に伝えることです。
- 墨田区・江戸川区では、水害リスク・私道・境界・古い木造住宅の扱いを、査定の段階で確認しておきましょう。
売却の前後に見落としやすい手続きは不動産の売却前後の注意点|売る前の確認と引渡し後の手続き一覧もあわせてご覧ください。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年10月16日
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