不動産のお買い替えには「売却先行」と「購入先行」2つの方法があります。
また、それはお客様のご状況によってどちらを選択した方がスムーズにお買い替えができるのか変わってきます。
このページでは、分かりやすく全体の違いや流れについてご紹介していきます。
- 売却が確定すれば、購入資金にあてられる
金額が決まるので、
購入の資金計画が立てやすくなります。
- ご購入したい地域の物件が
少ないなどの理由で、なかなか希望物件が
見つからないことがあります。 - 先にご売却できても引越しまでに新居が
決まっていないと、決まるまでの間仮住まいを
しなければなりません。
- ご購入する先に決まると、仮住まいなど
無駄な費用の発生がなくなり、
引越しもスムーズに行えます。 - じっくりと希望条件にあった
物件を探すことができます。
- 売却のめどが立たないと、
ローンを二重に支払わなければならない
場合も想定されます。
物件売却の流れ
売却活動の開始
物件の引渡し
物件購入の流れ
(現地見学)
物件の引渡し
購入の資金計画を立てましょう。
売出価格の見直しをしましょう。
詰めていきます。諸費用・税金を差し引いた
手取り金額も確認してください。
次のお住まいのことも考え、引渡しの日に注意しましょう。
購入物件をしぼり込みましょう。
購入物件の引渡し時期を確認して ご検討ください。
購入の諸条件があえば売買契約締結となります。
資金の流れを確認しましょう。
できるだけ時間をあけずにおこなうのが理想です。
物件購入の流れ
(現地見学)
物件の引渡し
物件売却の流れ
売却活動の開始
物件の引渡し
見当をつけて購入の資金計画を立てましょう。
物件をお探しします。
必要があれば売出価格の見直しをしましょう。
売買代金・引渡し日等についてご検討ください。
詰めていきます。諸費用・税金を差し引いた
手取り金額も確認してください。
次のお住まいのことも考え、 引渡しの日に注意しましょう。
資金の流れを確認しましょう。
できるだけ時間をあけずに おこなうのが理想です。
居住用財産の買換え特例は、居住用の不動産の所有期間が10年を超え、居住期間が10年以上の場合に適用できます。
「売却するマイホームよりも高い金額の住宅へお買換えして住み替える場合、
元のマイホームの譲渡益にかかる譲渡所得課税を先送りする」特例です。
従ってこの買い替えの際、譲渡所得税等は課税されません。
課税は買換え先の住宅を売るときまで先送りされることになります。
●2023年12月31日までの居住用財産の譲渡であること。
●譲渡対価が1億円までであること。
- 前年の1月1日から譲渡した年の翌年の12月31日までの間に買換えすること
- 取得する個人が居住する土地家屋であること(借地権も含む)
- 住宅家屋の床面積は50㎡以上、土地の面積は500㎡以下、
住宅家屋が中古住宅の場合は、一定の耐火建築物以外のものである時には
建築後年数が25年以内であるか、新耐震基準に適合するものであること - 耐火建築物に該当しないものである場合には、建築後年数が25年以内であるか、
買換えで売る物件の売った年の年末までか、または税務署長の承認を得て買換え期限の
延長をした場合のその期限までに、耐震基準に適合することにつき証明されたものであること
※2024年1月1日以後に建築確認を受ける住宅
(登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前のものは除く)などの場合には、
一定の省エネ基準を満たす必要があります。
売却価格から買換え先住宅の購入費を引いた金額を譲渡益とし、
その譲渡益に見合う取得費・譲渡費用を控除した金額が課税対象となります。
例
売却価格…1億円
取得費…1,000万
譲渡費用…600万円
買換購入費…8,500万円
買換え特例を利用しない場合は譲渡税がかかります。
※今回の例は、買換え特例を利用したら下記のとおり譲渡益に課税されます。
①1億円(売却価格)-8,500万円(買換え購入費)
=1,500万円(譲渡益)
②取得費、譲渡費用のうち①に対する部分
1,500万円(譲渡益)/1億円(売却価格)
×(取得費1,000万円+譲渡費用600万円)=240万円
③課税対象となる譲渡益
1,500万円(譲渡益)-240万円(②の金額)=1,260万円
課税対象となる譲渡益の1,260万円×20.315%※
=255.969万円
※2013年から2037年までは復興特別所得税 2.1%が
かかります。
注意点
①買換え特例は
3,000万円特別控除+10年超所有軽減税率の特例との
選択制になっています。
②買換え特例適用後、普通に売却すると、
繰り延べられた税金が一斉に発生します。
そのため、長期的に検討して選択することが必要です。
③居住用財産買換えの特例を受けるため申告し、
取得期限内に取得できなかった場合、災害等、
その者の責めに帰せられないやむを得ない事情が
ある場合を除き3,000万円の特例控除および、
軽減税率の特例は受けられません。
この買換え特例の適用要件になっている「居住期間10年以上」とは、
必ずしも継続していなくてもよいことになっています。
従って途中で、転勤などさまざまな理由で適用対象の住宅に住んでいない期間があったとしても、
合計で居住期間が10年以上になれば、この要件を満たすことになります。
たとえば転勤している現時点で居住期間が合計で9年でも、転勤が解消した場合、
少なくとももう1年住めば、居住期間10年以上になるわけです。
ただしこの特例を受けるには、住民登録だけを適用しようとしている住宅に移して、
転勤先に実際の居所があるなどという場合には、住んでいることを偽装したとして
税務上問題になりますので、ご注意ください。
この特例は、申告に当たって譲渡した土地・建物の登記事項証明書、
売却した居住用不動産を管轄する住民票の写し、住民票除票の写し、売買契約書、譲渡資産の取得費や
譲渡費用がわかる書類、買換え資産の取得費がわかる書類等が必要になります。
居住している住宅の敷地を一部分割して売る場合、
たとえば住宅を残したまま庭先の土地だけを分割して売る場合でも、
分割した敷地が居住用となるかどうかが問題になります。
これは居住用になりません。ご注意ください。
2,000万円で取得したマイホームを代金1億円、
譲渡費用600万円で売却し、
1億5千万円の住宅に買換えした場合
※買換え特例を適用した場合、譲渡税はかかりません。
3,000万円控除と軽減税率を適用した場合
1億円-(2,000万円+600万円)-3,000万円=4,400万円
譲渡益に対する譲渡税=4,400 万円 × 14%= 616 万円
616万円の譲渡税がかかります。
※取得費のうち減価償却費相当額の計算は事例単純化のため割愛しました。
※国税の譲渡税10%の部分につき復興特別所得税0.21%分かかります。
ただし、3,000万円控除+軽減税率の適用を選択した場合
将来、買換えた住宅を売る際に、買換えた際の代金を取得費として、譲渡損益を計算すれば済みますが、
買換え特例を適用した場合には、所定の計算に基づく取得費を引き継ぎます。
この結果、近い将来、買換え先の住宅を売る場合には、
売却代金によっては多額の譲渡税がかかる恐れもあります。
3,000万円控除と買換え特例比較表
比較項目・特例の種類 | 3,000万円控除 | 買換え特例 |
---|---|---|
所有期間 | 問わない | 10年超 |
居住期間 | 住む意思を持って 生活の本拠として 住むことが前提であれば 居住期間は問わない |
10年以上 |
特例内容 | 譲渡益から 3,000万円を控除 |
買換えに際して譲渡益の 課税を先送りする |
買換えした資産の売却時の取得価格 | 新たに取得した住宅の 取得価値 |
買換えで売却した住宅の取得価格を引き継ぐ |
買換えた住宅の所有期間の起算 | 新たに取得したとき | 新たに取得したとき |
買換えた住宅を 翌年、翌々年売る際の 譲渡所得課税 |
新たに出た譲渡所得に 対して短期譲渡所得 |
引き継いだ取得価格を 超える譲渡所得に対して 短期譲渡所得 |