「中古住宅は新築より安いけれど、買ってから欠陥が見つかったらどうしよう」「戸建てとマンションで、見るべきポイントは違うの?」——中古住宅の購入を考え始めた方の多くが、こうした不安を抱えています。中古住宅は価格の手ごろさと立地の選択肢の多さが魅力ですが、建物の状態や権利関係が一軒ごとに違うため、新築と同じ感覚で買うと後悔につながりやすいのも事実です。
この記事では、墨田区・江戸川区で売買の仲介を行う不動産会社の立場から、中古住宅を購入する際の注意点を戸建て・マンション別に整理します。
- 中古戸建てで必ず確認したい耐震性・接道・境界・劣化のポイント
- 中古マンションで「管理」を見極める方法と修繕積立金の目安
- 契約不適合責任・インスペクション・諸費用・住宅ローン控除など契約とお金の注意点(2026年11月時点)
- 墨田区・江戸川区で中古住宅を買うときの地域特有のリスクと、区の助成・補助の注意点
結論から言うと、中古住宅選びで最も大切なのは「建物の状態」「土地と権利」「管理とお金」の3つを契約前に書類と専門家の調査で確かめることです。
この記事の結論
- 中古戸建ては、1981年6月以降の建築確認(新耐震基準)か、接道2m以上で再建築できるか、境界が確定しているかを最優先で確認します。
- 中古マンションは「管理を買う」と言われるほど管理が重要で、長期修繕計画・修繕積立金の残高・滞納の有無を重要事項調査報告書で確認します。
- 個人が売主の中古住宅は契約不適合責任が短期間か免責のことが多いため、建物状況調査(インスペクション)と既存住宅売買瑕疵保険で備えます。
- 諸費用は物件価格の6〜9%程度が目安です。住宅ローン控除は2030年末までの入居が対象で、登記簿の床面積が原則50㎡以上であることや建築時期などの要件があります。
- 墨田区・江戸川区では水害リスク、旧耐震、狭小地・再建築不可、木造密集地域の4点を地域特有の注意点としてチェックします。
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中古住宅購入の注意点は「建物・土地と権利・管理とお金」の3つ
中古住宅の購入で失敗しないためには、建物の状態、土地と権利関係、管理とお金の3つの視点で物件を確認することが基本です。見た目のきれいさや価格の安さだけで判断すると、購入後の修繕費や住宅ローンの審査で思わぬ問題が出ることがあります。
中古住宅(既存住宅)とは、一度でも人が住んだことがある住宅、または完成から1年以上経過した住宅のことです。同じ築年数でも、使い方や手入れの状況で状態が大きく異なります。
購入の流れと、各段階で確認することは次のとおりです。

特に「建物状況調査」と「重要事項説明・契約」の段階は、購入後のトラブルを防ぐうえで最も重要です。各段階でやることと期間の目安は中古住宅を購入するには?流れと期間の目安で、購入前の確認項目の一覧は中古住宅+リノベーションの購入前チェックリスト20項目で解説しています。
中古戸建てを購入する際の注意点
中古戸建ての購入では、建物の耐震性と劣化に加えて、土地の接道や境界といった「土地の条件」の確認が欠かせません。戸建ては土地と建物の両方を自分で所有するため、マンションよりも確認する範囲が広くなります。
耐震性:1981年6月と2000年6月の2つの基準日を確認する
最初に確認したいのは、建物がいつの耐震基準で建てられたかです。新耐震基準とは、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用されている耐震基準のことで、震度6強〜7程度の地震でも倒壊しないことを目標としています。
築年ではなく「建築確認日」で判断する点に注意しましょう。1981年中に完成した建物でも、建築確認が同年5月以前なら旧耐震基準の可能性があります。建築確認日は、確認済証や区役所で取れる建築確認台帳記載事項証明書で確かめられます。
さらに木造住宅は、2000年6月の基準改正で地盤に応じた基礎の設計、柱と梁の接合金物、耐力壁の配置バランスが明確化されました。2000年5月以前の木造住宅は、新耐震でも耐震診断を受けておくと安心です(墨田区・江戸川区では条件により耐震改修の助成の対象。後述)。
劣化:雨漏り・シロアリ・基礎のひび割れ
建物の劣化で特に注意したいのは、雨漏り、シロアリ被害、基礎のひび割れの3つです。いずれも構造に関わるため、修繕費が数十万円から数百万円になることがあります。
内見では天井や押入れの雨染み、床の傾き、建具の開けにくさ、基礎のひび割れ、床下の蟻道(シロアリの通り道)を確認します。内見だけで判断するのは難しいため、後述する建物状況調査を活用しましょう。木造住宅の寿命の考え方は戸建ての寿命はどれくらい?で解説しています。
接道と再建築:幅4m以上の道路に2m以上接しているか
中古戸建てでは、建て替えができる土地かどうかを必ず確認します。建築基準法では、原則として幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければ建物を建てられません(接道義務)。
再建築不可物件とは、この接道義務を満たさないため、今の建物を取り壊すと新しく建てられない物件のことです。価格は安い一方、住宅ローンが利用しにくく、売却時も買い手が限られます。【フラット35】の中古住宅の技術基準でも、接道は「原則として一般の道に2m以上接すること」とされています(住宅金融支援機構)。また、幅4m未満の「2項道路」に面している場合は、建て替え時に道路の中心から2mまで敷地を後退させるセットバックが必要で、実際に使える敷地が狭くなります。
境界・越境と違反建築の有無
土地の境界が確定しているか、隣地との越境物がないかも重要な確認項目です。確定測量図や境界標の有無を確認し、塀・屋根・給排水管などが越境している場合は、覚書を交わしてもらえるか売主に確認しましょう。
また、増築部分が登記されていない、建ぺい率・容積率を超えているといった違反建築は、住宅ローンの審査で不利になることがあります。建築確認済証と検査済証の有無、登記簿の床面積と現況の違いを不動産会社に調べてもらいましょう。検査済証は、区の補助の申請で求められることもあります。
大規模リフォームを予定する場合は2025年4月の法改正に注意
購入後に間取り変更などの大規模なリフォームを考えている場合は、建築確認が必要かを契約前に確認します。2025年4月1日以後に着工する工事から、木造2階建てや延べ面積200㎡超の木造平屋など(新2号建築物)では、壁・柱・床・はり・屋根・階段といった主要構造部の1種類以上の過半を修繕・模様替えする場合に、建築確認申請が必要になりました(国土交通省)。
キッチン・トイレ・ユニットバスの交換など水回りだけの工事や、屋根・外壁のカバー工法、床の仕上げ材の重ね張りなどは、確認が不要な例として国土交通省の事例集に示されています。ただし、検査済証がない建物や違反部分がある建物では、確認申請が必要な工事の際に是正が求められ、工事費や期間が膨らむことがあります。
出典:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」/国土交通省「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集(木造一戸建て住宅)」
中古マンションを購入する際の注意点
中古マンションの購入では、専有部分の状態以上に、建物全体の管理が適切に行われているかが重要です。「マンションは管理を買え」と言われるのは、修繕や資金の状況が将来の住み心地と資産価値を左右するためです。
管理状況:重要事項調査報告書と総会議事録を読む
管理状況は、管理会社が発行する重要事項調査報告書と、管理組合の総会議事録で確認します。重要事項調査報告書とは、管理費・修繕積立金の額や滞納状況、大規模修繕の予定などをまとめた書類のことです。
特に、滞納総額、直近と次回の大規模修繕の時期、総会で値上げや一時金、漏水トラブルが議題になっていないかを確認しましょう。区などが管理計画を認定する「管理計画認定」を受けたマンションなら、【フラット35】維持保全型で当初5年間の金利が年0.25%引き下げられます(住宅金融支援機構、2026年11月時点。予算に達する見込みになると受付終了)。
修繕積立金:安すぎる場合は将来の値上げリスク
修繕積立金は、安ければ得というわけではありません。国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定)では、地上20階未満・延床面積5,000㎡未満のマンションの修繕積立金(計画期間全体の平均値)を月335円/㎡としています。
例えば専有面積60㎡なら月約2万円が平均的な水準です。これより大幅に低い場合は、長期修繕計画で将来の値上げが予定されていないか、積立金の残高が計画どおりかを確認しましょう。同ガイドラインは、段階的に値上げする場合の目安として、最初の額を基準額の0.6倍以上、最後の額を1.1倍以内とする考え方も示しています。仕組みと確認点はマンションの修繕積立金とは?で解説しています。
出典:国土交通省「マンション管理」(修繕積立金ガイドラインは2024年6月7日改定)
管理規約:リフォームやペットの制限
マンションでは、管理規約や使用細則によって、専有部分でもできることが制限されています。フローリングの遮音等級、水回りの移動の可否、電気容量の上限、ペットの飼育条件、民泊の禁止などを購入前に確認しましょう。
特に床をフローリングに変えたい、キッチンの位置を動かしたいといった希望がある場合は、規約と配管の位置で実現できるかが決まります。工事の進め方まで含めて検討したい方は、リノベーション向き物件とは何かの解説も参考になります。
旧耐震マンションと2026年4月施行の区分所有法改正
1981年5月以前に建築確認を受けた旧耐震のマンションは、価格が手ごろな反面、耐震診断や耐震改修の実施状況を確認する必要があります。住宅ローンの審査や住宅ローン控除にも影響し、【フラット35】では、建築確認日が1981年6月1日以後か、確認日が分からない場合は登記の新築年月日が1983年4月1日以後かで耐震性の基準を判断します(住宅金融支援機構)。
また、2026年4月1日施行の改正区分所有法で、修繕など処分を伴わない事項は集会の出席者の多数決で決議できるようになり、裁判所の決定を経て所在不明の区分所有者を決議の母数から除外する制度や、耐震性不足などの場合に建替え等の決議要件を5分の4から4分の3に緩和する仕組みが導入されました(法務省)。築古マンションでは、建替えや大規模改修の議論の状況も総会議事録で確認しましょう。
出典:住宅金融支援機構【フラット35】技術基準/法務省:改正区分所有法(2026年4月1日施行)
中古戸建てと中古マンションの注意点を比較
戸建ては「土地と建物を自分で守る」、マンションは「管理組合で建物を守る」という違いがあり、確認すべきポイントも変わります。主な違いを表と図にまとめました。

| 比較項目 | 中古戸建て | 中古マンション |
|---|---|---|
| 建物で特に見る点 | 雨漏り・シロアリ・基礎・傾き | 共用部の劣化、給排水管の更新状況 |
| 土地・権利 | 接道・再建築の可否・境界・越境 | 敷地権の登記、管理規約 |
| 維持費 | 修繕は自分で計画(積立は自己管理) | 管理費・修繕積立金を毎月負担 |
| リフォームの自由度 | 高い(大規模工事は確認申請が必要な場合あり) | 専有部分のみ、規約の制限あり |
| 住宅ローン控除・登録免許税で見る面積 | 登記簿の床面積 | 登記簿の専有面積(内法。広告の壁芯面積より小さい) |
| 主な確認書類 | 登記簿、測量図、確認済証・検査済証 | 重要事項調査報告書、長期修繕計画、総会議事録 |
契約とお金に関する注意点【2026年11月時点】
中古住宅は、売買契約の内容と購入にかかる費用の確認が、物件選びと同じくらい重要です。特に契約不適合責任の期間、諸費用、住宅ローン控除の要件は、物件によって大きく変わります。
契約不適合責任:売主が個人か宅建業者かで期間が違う
契約不適合責任とは、引き渡された住宅が契約の内容と違っていた場合に、売主が修補や代金減額などの責任を負うことです。2020年4月施行の改正民法で、従来の「瑕疵担保責任」から変わりました。
中古住宅で注意したいのは、売主によって責任の期間が大きく違う点です。
| 売主 | 契約不適合責任の一般的な扱い | 買主がとるべき対策 |
|---|---|---|
| 個人 | 引渡しから2〜3か月程度、または免責とする特約が多い | インスペクションと既存住宅売買瑕疵保険で備える |
| 宅建業者(買取再販など) | 宅地建物取引業法により、引渡しから2年以上とする必要がある | 保証の範囲と付帯するアフターサービスを確認する |
「現況有姿」「契約不適合責任免責」という特約がある場合は、購入後に不具合が見つかっても売主に請求できないことを前提に、価格と状態が見合っているかを判断しましょう。ただし、売主が知りながら告げなかった不具合は、免責の特約があっても責任を免れません(民法572条)。
期間の特約がなければ、買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります(民法566条)。不具合に気づいたら、仲介会社を通じて早めに伝えましょう。売主側から見た期間と特約の決め方は契約不適合責任を負う期間はどれくらい?で解説しています。
建物状況調査と既存住宅売買瑕疵保険を活用する
建物状況調査(インスペクション)とは、国の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、基礎・外壁・屋根などの劣化や雨漏りの有無を目視や計測で調べることです。不動産会社は2018年4月から、媒介契約で調査のあっせんの可否を示し、重要事項説明で調査結果の概要を説明しています(宅地建物取引業法)。
2024年4月1日からは、あっせんを「無」とする場合の理由の記載と、調査は瑕疵の有無を判定するものではないという限界が標準媒介契約約款に明記されました。マンションなど鉄筋コンクリート造の共同住宅では、説明の対象になる調査が「実施から1年以内」から「2年以内」のものに広がっています(国土交通省)。
墨田区には、住宅の所有者等が行う調査の費用の2分の1(上限5万円)を補助する制度があります(調査の契約前に申請。区ページ2025年5月2日更新)。購入予定者は対象として示されていないため、買う側としては、売主が調査を済ませているか、報告書を見られるかを確認するとよいでしょう。
既存住宅売買瑕疵保険とは、検査に合格した中古住宅で、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防ぐ部分に欠陥が見つかった場合に、補修費用が支払われる保険です。1982年1月1日より前に建てられた住宅では、取得の日前2年以内の保険加入が住宅ローン控除の耐震の要件を満たす方法の一つになります。また、一定の要件を満たす調査をした住宅や保険付きの住宅は、【フラット35】維持保全型(当初5年間 年0.25%引下げ)の対象にもなります(住宅金融支援機構)。
出典:国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)」/墨田区「既存住宅状況調査(インスペクション)支援制度」
諸費用は物件価格の6〜9%程度を見込む
中古住宅の購入では、物件価格のほかに諸費用がかかり、当社の実務では物件価格の6〜9%程度が目安です。主な内訳は次のとおりです。
- 仲介手数料:売買価格が400万円を超える場合、上限は「価格×3%+6万円」に消費税を加えた額です(宅地建物取引業法・国土交通省告示)。代金800万円以下の物件は、事前の説明と合意があれば上限を33万円(税込)とできる特例があり、買主も対象です(2024年7月施行)。詳しくは家を買うときの仲介手数料で解説しています。
- 登録免許税:売買による所有権移転登記は、土地が本則2%から1.5%(2029年3月31日まで)、自分が住む一定の住宅の建物が2%から0.3%(2027年3月31日まで)に軽減されます(国税庁 No.7191)。建物の軽減は登記簿の床面積50㎡以上が要件で、区の住宅用家屋証明書(墨田区・江戸川区とも1件1,300円)が必要です。
- 不動産取得税:東京都主税局によると、自分が住む中古住宅で、1982年1月1日以降の新築(それ以前は耐震基準適合の証明が必要)、床面積40㎡以上240㎡以下(2026年4月1日以降の取得)なら、新築時期に応じた控除があります。1997年4月1日以降の新築なら控除額は1,200万円です。計算例は不動産取得税はいくら?で紹介しています。
- その他:司法書士報酬、ローン手数料・保証料、火災保険料、固定資産税の清算金など。
面積の要件が税ごとに違う点にも注意が必要です。住宅ローン控除と不動産取得税の軽減は40㎡台も対象になり得ますが、登録免許税の軽減は登記簿で50㎡以上が必要です。マンションの広告面積は壁の中心から測る「壁芯面積」のことが多く、登記簿の「内法面積」より広いため、50㎡前後の物件は登記事項証明書で確かめましょう。
親から資金援助を受ける場合の贈与税の非課税特例は親の資金で家を買うときの贈与税、購入後に税務署から届く書類への対応は不動産購入で税務署から届く「お尋ね」で解説しています。
出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)/東京都主税局「不動産取得税」
住宅ローン控除:2030年入居まで延長、省エネ性能が高い中古住宅は13年
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税などから差し引ける制度のことです。2026年の税制改正で入居期限が2030年12月31日まで延長され、省エネ性能の高い中古住宅は控除期間が13年になりました。国税庁によると、2026〜2030年に入居する中古住宅の借入限度額と控除期間は次のとおりです(令和8年4月1日現在法令等)。
| 中古住宅の性能 | 借入限度額(年間の控除限度額) | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(24.5万円) | 4,500万円(31.5万円) | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(14万円) | 3,000万円(21万円) | 13年 |
| 上記以外の住宅 | 2,000万円(14万円) | 上乗せなし | 10年 |
※( )は国税庁が示す年間の控除限度額です。子育て世帯・若者夫婦世帯とは、40歳未満で配偶者がいる方、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる方、19歳未満の扶養親族がいる方で、床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は上乗せの対象外です。
主な要件は、取得の日から6か月以内に入居すること、登記簿の床面積が50㎡以上(その年の合計所得金額が2,000万円以下)または40㎡以上50㎡未満(同1,000万円以下)であること、返済期間10年以上のローンであること、1982年1月1日以降に建築された住宅であることなどです。マンションは専有部分の登記面積で判断します。
1982年より前に建築された住宅でも、取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書などで証明されていれば対象です。証明がなくても、取得の日までに耐震改修を申請し、入居までに改修と証明を終える「要耐震改修住宅」の方法があります。どちらも引渡し前の段取りが必要なので、旧耐震の物件は契約前に手順を確認しましょう。1年目は確定申告、2年目以降は会社員なら年末調整で控除を受けます。
なお、日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げ、10月30日の会合で据え置きました。変動金利を選ぶ場合は、金利が上がっても返せる計画にしておきましょう。金利タイプの選び方は住宅ローンの選び方|変動か固定か、返済期間の考え方は住宅ローン40年のメリット・デメリットで解説しています。
出典:国税庁 No.1211-3(中古住宅の住宅借入金等特別控除)/国税庁 No.1211-5(要耐震改修住宅)
リノベーションを前提に中古住宅を買う場合の注意点
リノベーション前提なら、物件価格と工事費を合計した総予算で判断し、契約前に工事できる範囲を確認します。木造戸建ての間取り変更は建築確認が必要な場合があり、補助金には工事の契約前に申請が要るものもあるため、施工会社への相談は申込み前から始めましょう。詳しくは次の記事で解説しています。
- 物件の向き・不向き:リノベーション向き物件とは
- 工事費の目安と補助金:リノベーション費用の相場と内訳
- 定額制の工事:パッケージ型リノベの注意点
- 物件の探し方:リノベーション向き物件の探し方/リノベ向き物件が見つからない理由と解決策
墨田区・江戸川区で中古住宅を購入する際の地域事情
墨田区・江戸川区では、水害リスク、旧耐震の建物、狭小地・接道、木造密集地域という地域特有の4点を確認しましょう。区の助成や補助を使う場合は、書類と申請の順番も物件選びに関わります。

水害リスク:ハザードマップで浸水の深さと期間を確認
江戸川区は荒川・江戸川と東京湾に囲まれ、区によると、区の陸域の7割が満潮時の海面より低いゼロメートル地帯です。区は2025年7月に水害ハザードマップの第2版を公表しています。墨田区も「荒川が氾濫した場合には、区の大部分が浸水するおそれがあります」としており、両区を含む江東5区は2018年8月に、5区の外へ避難する広域避難の計画を公表しています。
2020年8月からは、売買の重要事項説明で水害ハザードマップ上の物件の位置を説明することが不動産会社に義務付けられています。浸水の深さと期間に加え、戸建ては1階の床の高さ、マンションは電気設備の位置を確認しましょう。火災保険の水災等地は墨田区・江戸川区とも最も高い「5等地」なので(損害保険料率算出機構、2026年10月確認)、水災補償の要否は保険料も含めて判断します。駅ごとの比較は墨田区の住みやすい駅・江戸川区の住みやすい駅はどこ?をご覧ください。
出典:江戸川区「江戸川区ってどんなところ?」(2025年7月31日更新)/江戸川区「江戸川区水害ハザードマップ概要版」/墨田区「墨田区水害ハザードマップ(水害への備え)」(2026年8月25日更新)/江戸川区「江東5区広域避難推進協議会」
旧耐震・木造密集地域:耐震化と不燃化の助成制度を確認
旧耐震や2000年5月以前の木造住宅を買う場合は、耐震診断・補強の費用も予算に入れ、区の助成を使えるかを購入前に確認しましょう。墨田区北部や江戸川区の一部には昭和期の木造住宅が多く残っており、2026年11月時点の両区の主な条件は次のとおりです。
- 墨田区:木造は1981年5月31日以前に着工した旧耐震の住宅と、2000年5月31日以前に着工した平屋・2階建ての住宅で、耐震診断で耐震性が不足すると判断されたものが住宅耐震改修促進助成の対象です。申請前に区役所9階の不燃・耐震促進課への事前相談が必要です(2026年8月25日更新)。
- 江戸川区:旧耐震に加え、1981年6月〜2000年5月に建てられた新耐震の木造住宅(在来工法の平屋・2階建てなどの条件あり)も設計等・工事の助成の対象です。2026年度の申請期限は12月25日で、助成の決定通知の前に契約・着工すると取り消しになります(2026年5月18日更新)。
木造密集地域では、東京都と区が建替えや老朽建物の除却を支援する「不燃化特区」も確認しましょう。墨田区は京島周辺・鐘ヶ淵周辺の2地区、江戸川区は南小岩七・八丁目周辺、南小岩南部・東松本付近、松島三丁目、平井二丁目付近の4地区が指定され、期間はいずれも2031年3月31日までです。条件により固定資産税・都市計画税の減免もあります。詳しくは墨田区の不燃化特区、江戸川区の住宅助成金一覧で解説しています。
出典:墨田区「住宅耐震改修促進助成事業」/江戸川区「住宅・建築物の耐震化助成制度」/江戸川区「江戸川区戸建住宅耐震改修工事助成事業」/江戸川区「不燃化特区制度」
狭小地・2項道路・旗竿地・再建築不可の物件
下町の路地が多いエリアでは、敷地面積が小さい狭小地や、幅4m未満の2項道路に面した物件、旗竿地、再建築不可の物件が珍しくありません。価格が手ごろでも、セットバック後に希望する広さの家が建つか、住宅ローンが利用できるか、将来売るときに買い手が見つかるかを、契約前に不動産会社と一緒に確認しておくことが重要です。
旗竿地(路地状敷地)とは、細い通路状の部分で道路とつながる奥まった土地のことです。東京都建築安全条例では、通路状部分の長さが20m以下なら幅2m以上、20m超なら3m以上が必要で(耐火・準耐火建築物以外で延べ面積200㎡超の建物はさらに広い幅)、足りないと建て替えられないことがあります(江戸川区「住まいの手引き」)。墨田区の再建築不可物件の43条許可やリフォームの範囲は、墨田区で再建築不可物件を購入する際の注意点で解説しています。
区の補助を使うなら書類と申請の順番を確認
区の補助を使って買う場合は、必要な書類と申請の順番を物件選びの段階で確認することが大切です。墨田区の「すみだ住宅取得利子補助制度」は、中学生以下の子がいる世帯か夫婦とも40歳未満の世帯が対象で、1年間に支払った住宅ローンの利子を上限10万円まで、5年間で最大50万円補助します。中古住宅も対象ですが、検査済証(または検査済証の発行が分かる建築確認台帳記載事項証明書)が必要で、1981年5月31日以前に着工した住宅は耐震基準適合証明書なども求められ、申請は取得日(登記日)から1年以内です(墨田区、2025年11月6日更新)。詳しくはすみだ住宅取得利子補助制度とは?で解説しています。
エリア選びと購入の流れの全体像は墨田区の不動産購入ガイド・江戸川区の不動産購入ガイド、区ごとの価格の目安と確認点は墨田区の戸建て購入・墨田区のマンション購入・江戸川区の戸建て購入・江戸川区のマンション購入で紹介しています。
墨田区・江戸川区の物件探しはお任せください
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中古住宅購入でよくある失敗例と対策
中古住宅の購入で多い失敗は、価格だけで決めて購入後の費用や制限を見落とすケースです。
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 入居後に雨漏りが見つかり、修理費を自己負担した | 契約不適合責任が免責、調査もしていなかった | 契約前に建物状況調査を行い、瑕疵保険を検討する |
| 住宅ローン控除が使えなかった | 旧耐震で、引渡し前に証明書の取得や耐震改修の申請をしなかった | 建築時期と必要書類を契約前に確認する |
| 登録免許税の軽減や控除の上乗せを受けられなかった | 広告の壁芯面積で判断し、登記簿の床面積が50㎡未満だった | 登記事項証明書で床面積を確認する |
| 購入後に修繕積立金が大幅に値上げされた | 長期修繕計画と積立残高を確認しなかった | 重要事項調査報告書と総会議事録を読む |
| 希望していた間取り変更ができなかった | 管理規約や構造、建築確認の要否を確認しなかった | 契約前に施工会社に現地を見てもらう |
| 区の補助を受けられなかった | 検査済証がない、助成の決定前に工事を契約した | 制度の書類と順番を物件選びの段階で確認する |
いずれも契約前の書類確認と専門家の調査で防げます。不動産購入全般の失敗例は不動産購入の失敗例12と確認すべきことにまとめています。
墨田区・江戸川区で中古住宅の購入を相談するならセルフリジェネレーション|Googleクチコミ 本店★4.8・瑞江店★4.9
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、墨田区・江戸川区を中心に中古戸建て・中古マンションの購入をサポートしている地域密着の不動産会社です。Googleクチコミでは本店★4.8・瑞江店★4.9の評価をいただいています(2026年10月時点、当社ホームページ掲載)。
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中古住宅の購入に関するよくある質問
中古住宅は築何年までなら買っても大丈夫ですか?
築年数だけで決まる上限はなく、建物の状態と耐震性で判断します。目安としては、1981年6月以降に建築確認を受けた新耐震基準の建物か、木造なら2000年6月以降の基準かを確認し、建物状況調査で劣化の程度を確かめることをおすすめします。
中古戸建てと中古マンションはどちらが失敗しにくいですか?
どちらが失敗しにくいかは、確認すべき点を押さえているかで決まります。戸建ては接道・境界・建物の劣化、マンションは管理状況と修繕積立金が主な確認点で、それぞれ必要な書類をそろえて判断すれば大きな失敗は防げます。
中古住宅を買うときの諸費用はいくらくらいですか?
物件価格の6〜9%程度が目安です。仲介手数料、登録免許税、司法書士報酬、ローン関係費用、火災保険料などが含まれ、例えば3,000万円の物件なら約180万〜270万円を見込んでおくと安心です。
中古住宅でも住宅ローン控除は使えますか?
一定の要件を満たせば使えます。2030年12月31日までの入居が対象で、登記簿の床面積が50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下なら40㎡以上)、1982年1月1日以降の建築か耐震基準への適合の証明などが必要です。控除期間は、省エネ基準に適合する中古住宅なら13年、それ以外は10年です。
インスペクション(建物状況調査)は必ず受けるべきですか?
義務ではありませんが、特に個人が売主の中古戸建てでは受けることをおすすめします。個人売主の物件は契約不適合責任が短期間か免責のことが多く、調査で劣化を把握しておくと価格交渉や修繕計画に役立ちます。
中古住宅の購入後に不具合が見つかったら、売主に請求できますか?
契約で契約不適合責任が免責になっていなければ、修補や代金減額などを請求できる可能性があります。個人の売主では責任の期間を引渡しから2〜3か月程度に限るか免責にする特約が多く、宅建業者が売主なら引渡しから2年以上の期間が必要です。不具合に気づいたら契約書の特約を確認し、仲介会社を通じて早めに売主へ伝えましょう。
墨田区・江戸川区で中古住宅を買うときに特に注意することは何ですか?
水害リスク、旧耐震の建物、狭小地や2項道路、再建築不可の4点に特に注意が必要です。区の水害ハザードマップで浸水の深さと期間を確認し、戸建てなら接道と再建築の可否、旧耐震なら耐震診断や区の助成制度も確認しましょう。区の補助を使う場合は、検査済証などの書類と申請の順番も事前に確認しておくと安心です。
まとめ
中古住宅を購入する際の注意点は、戸建てとマンションで重点が異なります。要点は次のとおりです。
- 建物は「建築確認日」で耐震基準を確認し、建物状況調査で劣化を把握する
- 戸建ては幅4m以上の道路に2m以上接しているか、境界が確定しているかを確認する
- マンションは重要事項調査報告書と総会議事録で管理と修繕の状況を確認する
- 諸費用は物件価格の6〜9%程度。住宅ローン控除や税の軽減は登記簿の床面積と建築時期で判断する
- 墨田区・江戸川区では水害リスクと狭小地・再建築不可に特に注意し、区の助成・補助は契約前に条件と申請の順番を確認する
気になる物件が見つかったら、契約を急がず、書類と現地を一緒に確認できる不動産会社に相談しましょう。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年11月1日
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