「区の条例が変わって、民泊を続けるのが難しくなった」「簡易宿所として使ってきた家を手放したい」。墨田区で民泊や簡易宿所を営むオーナーの方から、こうしたご相談をいただきます。墨田区の民泊の届出住宅は2,255件(観光庁、2026年9月15日時点)で、東京23区では新宿区に次いで2番目に多い一方、区は2026年4月1日に民泊の新しい条例を施行しました。
この記事では、墨田区・観光庁・国税庁などの公表資料(2026年11月5日確認)をもとに、民泊物件の売り方と手続き、税金を、地元の不動産会社の目線で整理しました。
この記事で分かること
- 2026年4月施行の墨田区の民泊条例で、売主と買主のルールがどう違うか
- 民泊物件の4つの売り方(民泊のまま・住まい向け・事業譲渡・買取)と価格の考え方
- 廃業届(廃止から30日以内)など、民泊をやめて売るまでの手続き
- 3,000万円控除・減価償却・消費税など、民泊物件ならではの税金の注意点
結論を先にお伝えすると、墨田区の民泊物件は「民泊の届出は買主に引き継げず、新しい届出には条例の制限がかかる」ことを前提に、投資家向けと住まい向けの価格を比べてから売り方を決めるのが失敗しない進め方です。
この記事の結論
- 墨田区の民泊の届出住宅は2,255件(2026年9月15日時点)で23区で2番目に多く、2026年4月に区の条例で規制が強まりました。
- 2026年4月以降に新たに届け出る家主不在の民泊は、管理者が常駐しない限り日曜正午〜金曜正午に営業できず、年最大およそ104日です。
- 民泊の届出は買主に引き継げず、条例の適用除外も施行前に届け出た人に限られます。売主は廃止から30日以内に廃業届を出します。
- 週末だけの営業を前提にすると投資家向けの価格は下がりやすく、住まいとして売る価格や当社の買取価格と比べて決めるのが基本です。
- 民泊に使った期間は業務用として減価償却費を差し引き、居住用の3,000万円控除は住まいとして使っていた部分だけが対象です。
墨田区の民泊の今|届出住宅は23区で2番目、2026年4月に規制強化
観光庁の集計では、墨田区の民泊の届出住宅は2,255件(2026年9月15日時点)で、東京23区では新宿区(3,980件)に次いで2番目に多い数です。23区の合計1万7,213件の約13%を墨田区が占めています(観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況」)。

区の資料によると、届出住宅は2022年3月末の513件から2025年3月末には1,631件と3倍を超え、旅館業の施設も753件と2倍を超えました。同じ時期に苦情や「民泊ができることへの不安・反対」の声も増えたため、区は規制を検討し、2025年12月10日に条例2件を公布、2026年4月1日に施行しました(墨田区「住宅宿泊事業等の規制のあり方に関する検討」、2026年6月16日更新)。
民泊には「住宅宿泊事業」と「旅館業」の2種類がある
民泊とは、住宅などを使って旅行者などを有料で泊めることです。法律上は、住宅宿泊事業法の届出で営む「住宅宿泊事業」(いわゆる民泊新法の民泊)と、旅館業法の許可を受けて営む「簡易宿所」などに分かれ、売るときのルールも違います。
| 項目 | 住宅宿泊事業(民泊) | 旅館業(簡易宿所など) |
|---|---|---|
| 始めるための手続き | 区への届出 | 区長の許可 |
| 営業できる日数 | 1年間で180日まで | 日数の上限なし |
| 建築基準法上の用途 | 住宅のまま | ホテル・旅館 |
| 墨田区の新しいルール(2026年4月) | 新たに届け出る家主不在型は週末のみ(管理者の常駐を除く) | 新たな許可は営業時間中の従業者の常駐が必要 |
| 売るときの引継ぎ | できない(買主が新たに届出) | 区長の承認を受ければ事業譲渡できる |
| やめるときの届出 | 廃止から30日以内 | 廃止から10日以内 |
※出典:住宅宿泊事業法2条3項・3条6項・21条、旅館業法3条の2、旅館業法施行規則4条(e-Gov法令検索)、墨田区の条例と建築指導課の案内をもとに当社作成。
2026年4月施行の墨田区の民泊条例|売主と買主で変わるルール
墨田区の条例では、新たに届け出る家主不在の民泊は、区内全域で日曜日の正午から金曜日の正午まで営業できません(墨田区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例13条)。条例の施行前に届け出た人にはこの制限がかからないため、同じ物件でも、今の売主と買主とで使えるルールが変わります。
家主不在型とは、宿泊者がいる間に住宅宿泊事業者が届出住宅に不在になる民泊のことで(住宅宿泊事業法11条1項2号)、原則として住宅宿泊管理業者に管理を委託する必要があります。事業者自身が住宅宿泊管理業者で委託が要らない場合も、不在になるなら条例の制限の対象です。ただし、管理業務を行う人が届出住宅、同じ建物、隣の敷地の建物などに常駐する場合は、この制限を受けません(条例施行規則5条)。

週末だけの営業なら年最大およそ104日
民泊の日数は、4月1日の正午からの1年間に実際に人を宿泊させた日数を、正午から翌日の正午までを1日として数えます(住宅宿泊事業法施行規則3条)。金曜日の正午から日曜日の正午までしか営業できない場合、1週間に営業できるのは2日分で、1年(52週)では最大でもおよそ104日です。法律の上限の180日と比べると約6割にとどまります。
条例の適用除外は「施行前に届け出た人」だけ
条例の付則2項は、施行日(2026年4月1日)より前に届け出た者には、苦情対応の体制(10条1項)、営業できない期間(13条)、管理業者の公表(15条2項)の規定を適用しないと定めています(条例本文)。対象は届け出た「人」なので、物件を買った人が新たに届け出ると、これらの規定が適用されると考えられます。
新たに届け出る人は、届出の前日までに、届出住宅と同じ建物・同じ敷地内の建物と、届出住宅の敷地の境界から20mの範囲にかかる敷地に建つ建物の所有者・住民・管理者などに、説明会か戸別訪問で説明し(その5日前までに書面で知らせる。条例2条・6〜8条)、苦情を受けてから30分以内に現地へ行ける体制を整える必要があります(規則4条)。買主側の扱いは、契約前に区の「すみだ民泊総合窓口」で確認しておきましょう。
旅館業(簡易宿所)も新しい許可は「常駐」が条件に
同じ日に施行された旅館業法施行条例の改正で、新たな許可には営業時間中の従業者の常駐と、そのための部屋・トイレが求められるようになり(規則で定める場所に管理事務所などを置く場合を除く)、周辺住民への説明の範囲も20m以内に広がりました。施行の時点で許可を受けていた施設などには、常駐などの新しい規定は適用されません(改正条例の付則2項)。
墨田区の民泊物件はどう売る?4つの売り方の比較
民泊物件の売り方は、「民泊のまま投資家に売る」「住まいとして売る」「簡易宿所を事業ごと譲る」「不動産会社に買い取ってもらう」の4つです。管理規約や用途地域で民泊を続けられるか、条例の制限のもとで採算が合うかで、向いている方法が変わります。

| 売り方 | 主な買主 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 民泊のまま投資家に売る | 民泊を営む個人・会社 | 規約で民泊が可能で、家主が住む・管理者が常駐できる | 買主は新たな届出が必要で、条例の制限を受ける |
| 住まいとして売る | 自宅を探す個人 | 駅に近く、広さや間取りが住まい向き | 家具の撤去や清掃、廃業届を先に済ませる |
| 簡易宿所を事業ごと譲る | 旅館業を営む会社など | 旅館業の許可があり、建物と用途地域が適法 | 譲渡の前に区長の承認が必要 |
| 不動産会社の買取 | 不動産会社(当社など) | 家具や備品が多い、早く確実に現金化したい | 価格は仲介より低くなりやすい(相場の7〜9割程度) |
このほか、一定期間は仲介で売り出し、売れなければ当社が買い取る買取保証付き売却もあります。仲介と買取の違いは「仲介と買取の違いは?どっちが得か手取り・期間で比較」で解説しています。
旅館業の許可は事業譲渡で引き継げる
2023年12月13日施行の改正旅館業法で、譲渡人と譲受人が都道府県知事(墨田区では区長)の承認を受ければ、旅館業の譲受人が営業者の地位を引き継げるようになりました(旅館業法3条の2)。承認は譲渡の前に必要なので、要件や改正後の基準との関係も含めて区の生活衛生課へ早めに相談しましょう。住宅宿泊事業法には届出の地位を引き継ぐ規定がなく、民泊を続ける買主は自分で届け出ます。ただし、年180日の上限は届出住宅ごとに数えるため、同じ年度に売主が宿泊させた日数は買主の日数に足されます(墨田区のガイドライン)。
判断の目安|どの売り方を選ぶか
- 旅館業の許可があり、建物が適法:事業譲渡で買主を探す。
- 規約で民泊が可能で、家主が住む・管理者が常駐できる:民泊のまま投資家に売る価格も査定する。
- 家主不在の民泊で、週末だけでは採算が合わない:住まいとして売る。
- 家具や備品が多い・急ぎたい・近所に知られたくない:買取か買取保証付き売却を比べる。
墨田区の不動産売却の全体像は「墨田区で家・マンションを売る完全ガイド|相場・流れ・費用」、墨田区の不動産買取の流れは「墨田区の不動産買取ガイド|相場・流れ・仲介との違い」で解説しています。
収益物件として売るか、住まいとして売るか|価格の考え方と計算例
民泊を続ける投資家は物件が生む売上から、住まいを探す人は近くの似た物件の取引価格から価格を考えます。新しく届け出る家主不在の民泊は週末だけの営業になるため、両方の価格を出して比べることが欠かせません。
収益還元法とは、物件が将来生む純収益(売上から清掃・管理委託・仲介サイトの手数料・管理費などの経費を差し引いた額)をもとに価格を求める方法です(国土交通省「不動産鑑定評価基準」)。投資家は簡易的に「年間の売上÷表面利回り」で目安をつけることも多く(表面利回り=年間の売上÷物件価格)、下の計算例もこの簡易的な方法によります。取引事例比較法とは、近くの似た物件の取引価格と比べて価格を求める方法です。民泊のまま売るなら、押上(東京スカイツリー)・両国(国技館)・錦糸町など観光に便利な駅からの距離も判断材料になります。
住まいとして売る場合の価格の目安(墨田区の中古マンション)
国土交通省の不動産情報ライブラリを当社で集計すると、2025年度の墨田区の中古マンションの取引は1,280件で、価格の中央値は4,200万円でした。ワンルームなど30㎡未満の住戸は364件で、中央値は2,600万円です。中央値とは、価格を順に並べたときに真ん中にくる値のことです。
| 区分 | 件数 | 価格の中央値 | ㎡単価の中央値 |
|---|---|---|---|
| 墨田区全体 | 1,280件 | 4,200万円 | 104万円 |
| 30㎡未満 | 364件 | 2,600万円 | 115万円 |
| 30〜49㎡ | 312件 | 3,900万円 | 100万円 |
| 錦糸町駅 | 217件 | 5,500万円 | 116.4万円 |
| 押上駅 | 139件 | 4,100万円 | 108万円 |
| 両国駅 | 225件 | 3,500万円 | 109.1万円 |
※出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(成約価格情報・不動産取引価格情報、2025年度=2025年4月〜2026年3月の取引)を当社集計。駅は最寄駅。駅ごとの相場は「錦糸町のマンション売却相場」「押上のマンションの売却相場」「両国の不動産売却」で解説しています。
計算例|週末だけの営業になると投資家向けの価格はどう変わるか(仮定)
次の仮定で比べます(実際の事例ではありません)。1泊あたりの宿泊料(清掃料込み)を2万円、営業できる日の8割に予約が入るとし、投資家が求める表面利回りを8%とします。
| 項目 | 年180日営業できる場合 | 週末だけ(年104日)の場合 |
|---|---|---|
| 年間の宿泊日数 | 144日(180日×80%) | 約83日(104日×80%) |
| 年間の売上 | 288万円 | 約166万円 |
| 投資家向けの価格の目安(売上÷8%) | 3,600万円 | 約2,080万円 |
※清掃・管理委託・仲介サイトの手数料・管理費などの経費は含めていません。管理費や固定資産税のように営業日が減っても下がらない経費があるため、手残りの差はさらに大きくなりやすいです。
この仮定では、営業日が減ると売上も投資家向けの価格も約4割下がります。(180日の側は、上限の180泊に対して8割の144泊と控えめに置いた場合です。予約を1年中受け付けて上限の180泊まで埋まる物件と比べると、下がり幅は5割以上になります。)週末だけの営業を前提にした価格(この例では約2,080万円)が、同じ物件を住まいとして売る場合の価格(近くの似た物件の取引をもとにした査定額。参考:2025年度の墨田区の30㎡未満の中古マンションの中央値は2,600万円)を下回るなら、住まいとして売る方が有利になる計算です。
さらに、2027年4月1日からは簡易宿所と民泊の宿泊者も東京都の宿泊税の対象になり、1人1泊1万3,000円以上の宿泊に宿泊料金の3%がかかります(東京都 報道発表、2026年6月30日)。事業者は特別徴収義務者として事前の登録も必要になり、投資家はこうした手間も含めて採算を考えます。
戸建ての民泊は土地の価格が土台
戸建ての民泊は、建物が古くても土地の価格が価格の土台になります。京島・向島・八広など木造住宅が密集した地域では、前の道の幅や再建築の可否で価格が大きく変わります。戸建ての相場は「墨田区の一戸建ての売却相場|駅別・築年数別の価格と売却事例」、古い戸建ての買取は「墨田区の戸建て買取|価格の決まり方と旧耐震・再建築不可の売り方」をご覧ください。
民泊をやめて売るまでの手続き|廃業届は30日以内
民泊(住宅宿泊事業)をやめたら、廃止した日から30日以内に墨田区へ廃業等届出書を出します(住宅宿泊事業法3条6項)。届出をしない場合や偽りの届出をした場合は、20万円以下の過料の対象です(同法79条)。

- 届出・許可の確認:民泊の届出か旅館業の許可か、届出番号と届出日(2026年4月1日より前か)を確かめます。
- 査定と売り方の比較:投資家向け・住まい向け・買取の価格と、引渡しまでの期間を比べます。
- 予約と委託の整理:引渡しから逆算して予約の受付を止め、管理委託と仲介サイトへの掲載をやめる時期を決めます。
- 営業の終了と届出:民泊は廃止から30日以内に廃業等届出書を、旅館業は廃止から10日以内に廃止の届出を出します(旅館業法施行規則4条)。
- 片付けと標識の撤去:家具・備品を残すか撤去するかを決め、届出住宅の標識を外します。
- 契約・引渡し:民泊に使っていた経緯や苦情の有無を伝え、備品の扱いとあわせて契約書に残します。
墨田区は、廃止の前に2か月ごとの定期報告(毎年2・4・6・8・10・12月の15日までに前2か月分)をすべて済ませるよう求めています(墨田区「民泊(住宅宿泊事業)に関する手続き」、2026年9月3日更新)。
宿泊者名簿は、作成の日から3年間保存することになっています(住宅宿泊事業法施行規則7条)。名簿を届出住宅に置いている場合は引渡しの前に持ち出し、廃業後の保管の方法も区に確認しておくと安心です。
窓口は、すみだ保健子育て総合センター2階(横川5-7-4)の生活衛生課内にある「すみだ民泊総合窓口」で、民泊相談専用ダイヤルは03-3622-1139、旅館業の手続きは03-5608-6939です(平日8時30分〜17時)。民泊のまま売る場合は、買主が新たに届け出るまで営業できない期間が生じるため、予約の扱いを契約の段階で取り決めておきましょう。
マンション・戸建て別の注意点|管理規約・用途地域・建物の用途
マンションの民泊は管理規約、戸建ての民泊は用途地域と建物の用途によって、民泊のまま売れる相手が変わります。売り出す前に、買主が同じ使い方を続けられるかを確かめましょう。
マンションは管理規約で民泊を続けられるかが決まる
国土交通省のマンション標準管理規約は、12条で民泊を「可能とする」場合と「禁止する」場合の両方の規定例を示しており、各マンションの規約で決めます。民泊の届出には、専有部分の用途に関する規約の写し(規約に定めがなければ、管理組合に禁止の意思がないことを確認した書類)が必要です(住宅宿泊事業法施行規則4条4項1号ヌ・ル)。
規約で民泊が禁止されていれば買主は届出ができないため、墨田区のマンション売却は住まい向けか買取が中心になります。管理規約の見方は「墨田区で外国人がマンション購入|民泊・管理規約・水害の注意点」、マンションの買取は「墨田区のマンション買取|価格の決まり方と旧耐震・賃貸中の売り方」で解説しています。
戸建ては用途地域と「建物の用途」を確認
墨田区の建築指導課の案内によると、民泊の届出住宅は建築基準法上「住宅」のままで用途変更にはあたりませんが、簡易宿所を含む旅館業の建物は「ホテル・旅館」として扱われます。住宅をホテル・旅館に変える部分の床面積が200㎡を超えると用途変更の確認申請が必要で、墨田区の用途地域のうち工業地域ではホテル・旅館の建築や用途変更ができません。
同じ案内では、確認済証がない建物は法に適合しているかの確認が非常に難しく、用途変更の検討に進めないとしています。簡易宿所のまま売るなら許可を取ったときの図面や検査済証を、住まいとして売るなら設備をどこまで残すかを建築士と確認しておくと、買主への説明がスムーズです(建築指導課 指導担当 03-5608-6267)。
民泊物件を売るときの税金|3,000万円控除・減価償却・消費税
民泊物件を売って利益が出ると、ほかの不動産と同じく譲渡所得に所得税・住民税がかかります。ただし、民泊に使った部分は住まいではなく業務用(事業用)として扱われるため、使える特例や取得費の計算、消費税の扱いが変わります。
| 論点 | 民泊物件での扱い | 出典 |
|---|---|---|
| 居住用財産の3,000万円控除 | 自宅の一部で民泊:住まいとして使っていた部分だけが対象(おおむね90%以上なら全体)。以前の自宅を民泊に使った:住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却なら原則として対象。投資用:対象外 | 国税庁の情報・No.3302・No.3452 |
| 相続空き家の3,000万円控除 | 相続の時から売る時まで事業・貸付け・居住に使われていないことが要件で、相続のあと民泊に使うと対象外。期限は相続から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(かつ2027年12月31日まで) | No.3306 |
| 建物の取得費 | 民泊に使った期間は業務用として、毎年の減価償却費の合計を差し引く(経費に入れていなくても同じ) | No.3261 |
| 消費税 | 課税事業者なら、建物の代金のうち民泊(事業)に使った部分に消費税がかかる(自宅の一部で民泊なら事業用の部分だけ)。土地は非課税 | No.3240・No.6201・消費税法基本通達10-1-19 |
国税庁の「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業により生じる所得の課税関係等について(情報)」(2018年6月13日、2018年4月1日現在の法令に基づく)によると、住んでいる家で民泊をしていた場合は住まい以外に使っている部分が3,000万円控除の対象から除かれ、以前住んでいた家は住まなくなった後の使い方に関係なく、期限内に売れば原則として対象です(期限はNo.3302、住まいの部分の判定はNo.3452)。
国税庁の同じ情報では民泊の宿泊料は消費税の課税対象とされ、課税事業者が事業に使っていた建物を売ると、建物の代金も課税対象になります(No.3240)。土地の譲渡は非課税です(No.6201)。前々年の課税売上高が1,000万円以下で、インボイスの登録をしていないなど免税事業者にあたる場合は、原則として消費税の申告・納税の義務はありません。
契約書での建物価格と消費税額の書き方は、契約前に税理士と決めておきましょう。考え方は「空き家の売却に消費税はかかる?かかるケースと費用の消費税」でも解説しています。
計算例|民泊に5年使った建物の取得費(仮定)
次の仮定で比べます(実際の事例ではありません)。民泊用に買った木造の戸建てで、建物の取得価額は1,500万円、民泊に5年使ったとします。業務用の木造住宅は耐用年数22年(償却率0.046)、自宅など業務に使っていない場合は耐用年数を1.5倍した償却率0.031で計算します。
| 項目 | 民泊(業務用)に5年 | 自宅(非業務用)で5年 |
|---|---|---|
| 計算式 | 1,500万円×0.046×5年 | 1,500万円×0.9×0.031×5年 |
| 差し引く減価償却費 | 345万円 | 約209万円 |
| 建物の取得費 | 1,155万円 | 約1,291万円 |
※国税庁の情報とNo.3261の計算方法による。土地の取得費や譲渡費用は含めていません。
民泊に使った場合は取得費が約136万円小さくなり、そのぶん譲渡所得が増えます。税率は、売った年の1月1日時点の所有期間が5年以下なら39.63%、5年超なら20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)なので、税額の差は約53.8万円か約27.6万円です。
国内にお住まいの方の確定申告は、物件の所在地ではなく、申告するときの住所地の税務署に行います。墨田区にお住まいなら、住所の町名・丁目(押上2丁目は番地)によって本所税務署か向島税務署に分かれます。海外にお住まいの方は納税地の決め方が異なり、物件を貸していた場合などは物件の所在地が納税地になることもあるため、税務署か税理士にご確認ください(国税庁 No.2029)。手順は「墨田区の不動産売却と確定申告|本所・向島税務署の管轄と手順」で解説しています。
墨田区の不動産のまとめガイド
墨田区で民泊物件の売却を相談するならセルフリジェネレーション|本店はGoogleクチコミ★4.8
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、押上の本店と錦糸町オフィスを拠点に、墨田区のマンション・戸建て・土地の売却と買取をお手伝いしています。Googleクチコミの評価は本店★4.8・瑞江店★4.9です(2026年10月時点、当社サイト表示)。
口コミでは、価格設定の丁寧な説明や、こまめな進捗の報告、連絡の早さを評価いただいています。予約の停止や廃業届、引渡しの日程など決めることが多い民泊物件の売却こそ、一つずつ確認しながら進めます。
「売却に当たり価格の設定や進捗状況の報告等細やかにしていただき安心できました。」(Googleクチコミより一部抜粋)
- 墨田区・江戸川区に特化した地域密着:区の条例や用途地域を踏まえて査定します。押上の本店・錦糸町オフィスから、両国・錦糸町・押上・京島などへすぐに伺えます。
- 業界経験10年以上のスタッフのみが在籍:民泊に使っていた経緯や備品の扱いなど、買主への説明が必要な点を整理します。
- 顧問弁護士・税理士・FPによる無料相談:契約の特約や、消費税・減価償却など民泊ならではの税金も相談できます。
- 売却も買取も対応:仲介・買取保証付き売却・当社による直接買取を比べて選べます。家具や家財が残ったままの物件もご相談ください(条件は物件ごとに書面でご説明します)。
- LINE・オンライン相談が可能:遠方にお住まいのオーナー様もご相談いただけます。外国籍の方とは、ポケトーク等の翻訳機を使って対応できます。
当社に相談した場合の進め方
- 民泊の届出か旅館業の許可か、届出日、管理規約、予約と管理委託の状況をうかがいます。
- 条例の制限のもとで民泊を続けられるか、用途地域や建物の用途を確認します。
- 投資家向け・住まい向けの価格と、当社の直接買取・買取保証付き売却の価格と時期を比べてご提案します(条件は物件ごとに書面でご説明します)。
- 廃業届や事業譲渡の承認など区への手続きの時期と、引渡しの日程を一緒に組み立て、税金は顧問税理士の無料相談をご案内します。
本店へのお電話は03-6284-1237です。無料査定や無料相談からもお気軽にどうぞ。
墨田区の民泊物件の売却についてよくある質問
墨田区で民泊に使っていた物件は売れますか?
売れます。民泊を続けたい投資家、住まいを探す個人、不動産会社の買取など、買主の候補は複数あります。2026年4月の区の条例で、新たに届け出る家主不在の民泊は週末だけの営業が原則になったため、住まいとして売る価格と比べて売り方を決めましょう。
民泊をやめるときは墨田区にどんな手続きが必要ですか?
住宅宿泊事業(民泊)なら、廃止した日から30日以内に墨田区へ廃業等届出書を出します。区は、廃止の前に2か月ごとの定期報告をすべて済ませるよう求めています。旅館業(簡易宿所)の場合は、廃止から10日以内に届け出ます。
民泊の届出は物件と一緒に買主へ引き継げますか?
引き継げません。住宅宿泊事業法には届出をした人の地位を譲る規定がないため、民泊を続ける買主は自分で新たに届け出る必要があります。ただし、年180日の上限は届出住宅ごとに数えるため、同じ年度(4月1日正午〜翌年4月1日正午)に売主が宿泊させた日数は買主の日数に足されます。買主は届出の前に区の生活衛生課でその年度の宿泊実績を確認するので、売主は定期報告の記録を渡せるようにしておきましょう。旅館業の許可は、譲渡の前に区長の承認を受ければ事業譲渡で引き継げます。
墨田区の民泊条例(2026年4月施行)は買主にも適用されますか?
買主が新たに届け出る場合は適用されると考えられます。条例の付則は「施行日前に届け出た者」だけを一部の規定の適用除外としているため、新しく届け出る家主不在の民泊は、管理者が常駐しない限り日曜正午から金曜正午まで営業できません。具体的な扱いは、契約前に区のすみだ民泊総合窓口で確認しましょう。
民泊に使っていた家を売るとき3,000万円の特別控除は使えますか?
住んでいる家の一部で民泊をしていた場合は、住まいとして使っていた部分だけが対象です。以前住んでいた家を民泊に使った場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、原則として対象になります。最初から投資用として買った物件は対象外です。
民泊に使った物件を売ると消費税はかかりますか?
課税事業者が売る場合は、建物の代金のうち民泊(事業)に使っていた部分に消費税がかかります。建物全体を民泊に使っていた場合は建物の代金全体が対象ですが、自宅の一部で民泊をしていた場合は、代金を事業用の部分と生活用の部分に合理的に分け、事業用の部分だけが対象です(消費税法基本通達10-1-19)。土地の代金は非課税です。前々年の課税売上高が1,000万円以下で、インボイスの登録をしていないなど免税事業者にあたる場合は、原則としてかかりません。
まとめ|民泊物件は「条例と引継ぎ」を確かめてから売り方を決める
墨田区で民泊物件を売るときは、次の点を押さえましょう。
- 墨田区の民泊は23区で2番目に多く、2026年4月1日から区の条例で規制が強まりました。
- 新たに届け出る家主不在の民泊は、管理者の常駐がなければ週末だけ(年最大およそ104日)の営業です。
- 民泊の届出は買主に引き継げず、同じ年度に売主が泊めた日数は買主の日数に足されます。売主は廃止から30日以内に廃業届を出し、旅館業の許可は事前の承認があれば事業譲渡できます。
- 投資家向け・住まい向け・買取の価格を比べ、管理規約や用途地域も踏まえて売り方を決めましょう。
- 民泊に使った期間は業務用として扱われ、3,000万円控除・取得費・消費税の扱いが自宅と変わります。
墨田区の不動産売却の全体像は「墨田区で家・マンションを売る完全ガイド|相場・流れ・費用」、訳ありの不動産の売り方は「墨田区の訳あり物件買取ガイド|再建築不可・借地・共有の売り方」でも解説しています。
「週末だけの民泊で続けるべき?」「住まいとして売るといくら?」と迷ったら、押上に本店のある当社へお気軽にご相談ください。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年11月5日
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