「中古を買ってリノベーションしたいのに、条件に合う物件がなかなか見つからない」「良さそうな物件を見つけても、問い合わせるとすでに申込みが入っている」――リノベ前提で住まいを探している方から、こうしたご相談を多くいただきます。
リノベ向き物件が見つからないのは、探し方が悪いからではなく、物件情報の出方と購入判断の進め方に原因があることがほとんどです。
- リノベ向き物件が見つからない5つの理由
- ポータルサイトの掲載情報だけでは分からないこと
- 物件探しと建物の見極めを同時に進める具体的な手順
- 住宅ローン控除や区の助成を使うときに注意したい手続きの順番(2026年11月時点)
- 墨田区・江戸川区で中古住宅を買ってリノベする場合の地域事情
結論からお伝えすると、「物件探し」と「工事できるか・いくらかかるかの見極め」を同時に進めることが、最も効果的な解決策です。
この記事の結論
- リノベ向き物件が見つからない主な理由は、ポータルサイトに「リノベ前」で絞り込む検索条件が無く、条件の良い物件ほど短期間で申込みが入ることです。
- ポータルサイトの情報では、構造・配管・管理規約・法規制など「希望のリノベができるか」は判断できず、現地と資料での確認が欠かせません。
- 物件探しと建物の見極め(工事の可否・概算費用)を同時に進めると、良い物件を逃しにくくなり、住宅ローン控除や区の助成の申請の順番も守りやすくなります。
- 総予算(物件価格+工事費+諸費用)とリフォーム費用を含めた住宅ローンの事前審査を先に済ませておくと、見つけた物件にすぐ動けます。
- 墨田区・江戸川区では、旧耐震の木造住宅、狭小地・再建築不可、水害リスク(江戸川区は陸域の7割がゼロメートル地帯)の確認が特に重要です。
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リノベ向き物件とは?なぜ「見つからない」と感じる人が多いのか
リノベ向き物件とは、内装や設備は古くても、立地・構造・管理状態が良く、希望の間取りや設備に作り替えやすい中古住宅のことです。見た目がきれいかどうかではなく、「工事をしたあとに長く快適に住めるか」で評価する点が、一般的な物件選びと大きく違います。
一方で、物件情報は「すぐ住める状態か」「今の間取りが希望に合うか」を基準に整理されていることが多く、リノベ前提の買い手にとって必要な情報は表に出にくいのが実情です。そのため、物件数は多いのに「自分に合う物件が無い」と感じやすくなります。
リノベ向き物件の特徴や考え方の全体像は、リノベーション向き物件とは?条件と見極め方で詳しく解説しています。この記事では「なぜ見つからないのか」と「どうすれば見つかるのか」に絞って説明します。
リノベ向き物件が見つからない5つの理由
リノベ向き物件が見つからない理由は、大きく分けて「情報の探しにくさ」「競合の多さ」「買い手側の判断の遅れ」の3つの方向から生じ、具体的には次の5つに整理できます。

理由1:ポータルサイトに「リノベ前」で絞り込む検索条件がない
一般的な不動産ポータルサイトには「リフォーム済み」「リノベーション済み」という条件はあっても、「リノベ前」「現況のまま」で絞り込む項目はほとんどありません。物件の紹介文にも「リノベ向き」と書かれることは少ないため、写真や築年数から一件ずつ見分ける必要があり、探す手間が大きくなります。
また、築年数の古い物件は写真の印象が良くないことが多く、検索結果で後回しにされがちです。実際には、室内写真が古びていても構造や管理状態が良い物件こそ、リノベ向き物件の候補になります。
理由2:手頃な物件は買取再販事業者と競合する
買取再販とは、事業者が中古住宅を買い取り、リフォーム・リノベーションをしてから販売する事業のことです。築20〜40年程度で立地の良い物件は、個人の買い手だけでなく、こうした事業者も購入を検討します。
事業者は現金で早く決済できることが多いため、売主が早く売りたい事情(相続した実家の整理、住み替えの期限など)を抱えている場合は、事業者への売却が選ばれることもあります。個人で購入を目指す場合は、資金計画を先に固めて、事業者と同じくらいのスピードで判断できる状態にしておくことが重要です。
一方、工事の手間や期間をかけたくない場合は、事業者がリノベを済ませた買取再販物件を候補に加えるのも一つの方法です。間取りや仕様は選べませんが、完成した状態を見てから購入できます。住宅事業者が所定の性能向上リフォームを行った物件であれば、【フラット35】リノベ(買取再販タイプ)を利用できる場合があり、こちらはすべての【フラット35】取扱金融機関で申し込めます(住宅金融支援機構、2026年11月時点)。
理由3:条件の良い物件ほど掲載期間が短い
駅に近い、管理状態が良い、価格が相場より手頃といった条件のそろった物件は、ポータルサイトに掲載されてから短期間で申込みが入ることがあります。また、売主の希望で広告を控えて販売される物件や、広告を出す前に購入希望者が決まる物件もあります。
つまり、ポータルサイトを定期的に眺めるだけでは、条件の良い物件に出会えるタイミングが限られます。希望条件を不動産会社に具体的に伝え、情報が出たら連絡をもらえる状態をつくっておくと、出会える物件の幅が広がります。
理由4:間取りや内装で絞り込みすぎている
「3LDK」「対面キッチン」「築25年以内」などの条件で絞り込むと、リノベで変えられる部分まで条件にしてしまい、候補が大きく減ります。リノベ前提であれば、間取りや内装は工事で変えられるため、検索段階では条件にしなくてよいケースが多くあります。
反対に、立地・面積・構造・管理状態・法規制は工事では変えられません。検索条件は「変えられないもの」を中心に設定し、「変えられるもの」は内見時に工事の可否で判断するのが、リノベ向き物件を見つけるコツです。
変えられない条件を決めるときは、エリアごとの価格帯を先につかんでおくと、立地と広さのどちらを優先するかを判断しやすくなります。墨田区は墨田区の戸建て購入・墨田区のマンション購入、江戸川区は江戸川区の戸建て購入・江戸川区のマンション購入で、価格の目安と買う前の確認点を解説しています。
理由5:工事できるか分からず、申込みの判断が遅れる
見落とされがちですが、「良い物件は見つかっていたのに、決めきれずに逃してしまった」というケースは少なくありません。希望の間取りに変えられるのか、工事費がいくらかかるのかが分からないまま検討していると、ほかの買い手に先を越されてしまいます。
この問題を解決するのが、次の章以降で説明する「物件探しと建物の見極めを同時に進める」方法です。
ポータルサイトの情報だけでは分からないこと
ポータルサイトで分かるのは価格・面積・築年数・間取りなどの基本情報までで、「希望のリノベができるか」「総額がいくらになるか」は分かりません。リノベ前提の購入では、次の表のように、現地や資料で確認すべき項目が多くあります。
| 確認したいこと | ポータルサイトで分かること | 現地・資料で確認すべきこと |
|---|---|---|
| 耐震性 | 築年月 | 建築確認日(1981年6月以降か)、耐震診断・補強の履歴 |
| 間取り変更の自由度 | 現在の間取り | 構造形式(壁式・ラーメン構造、在来工法・ツーバイフォー)、撤去できない壁や柱 |
| 水回りの移動 | 設備の有無 | 配管の位置・勾配、床下の高さ、共用配管の更新状況 |
| マンションの工事ルール | 管理費・修繕積立金の額 | 管理規約(床材の遮音等級、工事時間、申請手続き)、長期修繕計画 |
| 戸建ての法規制 | 用途地域、建ぺい率・容積率 | 接道状況、検査済証の有無、既存不適格の有無、再建築の可否 |
| 災害リスク | 所在地 | 区のハザードマップでの浸水想定、周辺の木造密集状況 |
| 住宅ローン控除の対象か | 専有面積(壁芯面積の表示が多い)、築年月 | 登記簿の床面積(50㎡以上か、40㎡以上50㎡未満か)、1982年1月1日以降の建築か、耐震基準の証明の有無 |
たとえばマンションでは、管理規約で床材の遮音性能(L-45など)が決められていて、希望のフローリングが使えないことがあります。また、広告の専有面積は壁の中心から測る壁芯面積で表示されることが多く、壁の内側で測る登記簿の面積より大きくなります。住宅ローン控除の床面積は登記簿の面積で判断するため(国税庁 No.1211-3)、要件ぎりぎりの物件は登記事項証明書で確かめましょう。
戸建てでは、2025年4月1日以後に着工する工事から、木造2階建てや延べ面積200㎡超の木造平屋など(新2号建築物)で、壁・柱・床・はり・屋根・階段といった主要構造部の1種類以上について過半を修繕・模様替えする場合に、建築確認申請が必要になりました(国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」、2026年11月確認)。一方、キッチン・トイレ・ユニットバスの交換など水回りだけの工事や、屋根・外壁のカバー工法、構造上重要でない間仕切壁だけの工事などは、建築確認が不要とされています。検査済証が無い建物や現行基準に合わない建物では、計画どおりの工事が難しくなる場合もあるため、購入前の確認が欠かせません。
出典:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」/国土交通省「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集(木造一戸建て住宅)」
解決策:物件探しと建物の見極めを同時に進める
リノベ向き物件を見つける最も効果的な方法は、物件を探す段階から「工事の可否」と「概算費用」を同時に確認し、申込みの判断を早くすることです。物件探しと工事検討を別々に進めると、購入後に「希望の工事ができない」「予算を超える」と分かるリスクも高まります。

- 総予算を決める:物件価格だけでなく、工事費・仲介手数料・登記費用・ローン手数料などの諸費用を含めた上限額を決めます。
- 住宅ローンの事前審査を済ませる:リフォーム費用も含めて借りられる額を、物件探しの前に確認します。
- 変えられない条件を中心に探す:立地・面積・構造・管理状態を優先し、間取りや内装は条件から外します。
- 内見で建物を同時にチェックする:構造、配管、管理規約、法規制など、工事に関わる点を内見の場で確認します。
- 概算見積で判断する:希望の工事ができるか、総額が予算内に収まるかを確認したうえで申込みます。
- 契約・設計・工事へ進む:必要に応じて建物状況調査(インスペクション)を行い、その結果も踏まえて工事内容を決めます。
申込みから引き渡しまでの段階と期間の目安は中古住宅を購入するには?流れと期間の目安で解説しています。総予算に入れる諸費用のうち、買主が払う仲介手数料は家を買うときの仲介手数料、購入後に納める不動産取得税は不動産取得税はいくら?墨田区・江戸川区の計算例と軽減で確認できます。
建物状況調査(インスペクション)とは、国の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、基礎・外壁・屋根などの劣化や不具合の有無を目視等で調べる調査のことです。宅地建物取引業法により、不動産会社は媒介契約時に建物状況調査を実施する者のあっせんの可否を示すことになっており、調査結果は重要事項説明の対象にもなります(国土交通省、2018年4月施行)。
2024年4月1日からは、国土交通省の標準媒介契約約款で、あっせんを「無」とする場合はその理由を書くことになり、調査は瑕疵(欠陥)の有無を判定するものではないという限界も明記されました。あわせて、鉄筋コンクリート造などの共同住宅(マンション)では、重要事項説明の対象になる調査結果が「実施から1年以内」から「2年以内」のものに広がっています(国土交通省、2026年11月確認)。
出典:国土交通省「宅地建物取引業法の改正について」/国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)」
「別々に進める」と「同時に進める」の違い
同時に進める最大のメリットは、良い物件が出たときに迷わず申込みできることです。違いを整理すると次のとおりです。

住宅ローンについては、物件購入費とリフォーム費用をまとめて借りられる商品を扱う金融機関があります。物件と工事を一体で借りる場合、多くは申込み時に工事の見積書が必要になるため、物件探しの段階から工事の検討を並行していることが前提になります。金利や条件は金融機関・商品によって異なるため、事前審査の段階で確認してください。
住宅金融支援機構の【フラット35】リノベは、中古住宅の購入とあわせて省エネルギー性や耐震性などを高める所定のリフォームを行うと、当初5年間の金利が年1.0%(金利Aプラン)または年0.5%(金利Bプラン)引き下げられる制度です。自分でリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」は申し込める金融機関が限られ、工事の前に適合証明機関の事前確認を受けます。資金の受け取りは工事完了後の検査の後になるため、物件代金の決済につなぎ融資が必要になる場合があり、予算に達する見込みになると受付が終了する点にも注意が必要です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】リノベ、2026年11月時点)。こうした借り方を選ぶ場合も、物件に申し込む前から工事の内容を固めておくことが前提になります。変動金利と固定金利の選び方は住宅ローンの選び方で解説しています。
不動産会社への希望の伝え方
希望条件を伝えるときは、「リノベ前提で探していること」と「変えられない条件」を具体的に伝えるのがポイントです。たとえば次のように伝えると、紹介される物件の精度が上がります。
- 「内装の古さは問いません。リノベ前提で探しています」
- 「駅徒歩10分以内、専有面積60㎡以上、1981年6月以降の建築確認」
- 「総予算は○○万円で、そのうち工事費に○○万円を見込んでいます」
- 「水回りの位置を動かしたいので、配管や床下の状況も確認したいです」
具体的な探し方(総予算の決め方、情報源の使い分け、資料と内見での見極め方など)は、リノベーション向き物件の探し方で詳しく紹介しています。相談する不動産会社や担当者の見極め方は、家を買うときの良い不動産会社の探し方をご覧ください。
内見で見極めるポイントと費用・制度の考え方(要点)
内見では、写真では分からない「構造・劣化・管理」の3点を中心に確認します。チェック項目を網羅的に確認したい方は、中古+リノベ購入前のチェックリスト20をご活用ください。戸建てとマンションそれぞれの購入時の注意点は中古住宅を購入する際の注意点で、よくある失敗とその防ぎ方は不動産購入の失敗例12と確認すべきことでまとめています。
費用については、物件価格と工事費を合わせた「総額」で比較することが大切です。価格の安い物件でも、配管の全面交換や耐震補強が必要になると、総額では割高になることがあります。工事費の目安と内訳はリノベーション費用の相場と内訳で部位別に、定額制のリノベプランを検討する場合の注意点はパッケージ型リノベの注意点で解説しています。
国・東京都・区の補助金や助成を使ってリノベする場合は、手続きの順番にも注意が必要です。工事の契約や着工の前に申請が必要な制度が多く、たとえば江戸川区の戸建住宅耐震改修工事助成は、助成の決定通知の前に工事の契約・着工をすると取り消しになります(江戸川区、2026年5月1日更新)。引き渡しから着工までの間に申請と審査の期間を見込み、物件に申し込む段階で工事の段取りまで決めておきましょう。補助金や減税の全体像も、上で紹介したリノベーション費用の記事で解説しています。
また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、国税庁によると(令和8年4月1日現在法令等)、中古住宅を取得して2022年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合が対象です。主な要件は、取得の日から6か月以内に入居すること、登記簿上の床面積が50㎡以上(合計所得金額2,000万円以下の年)または40㎡以上50㎡未満(同1,000万円以下の年)であること、1982年1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準に適合しているとみなされる住宅)であることなどです。
1982年1月1日より前に建築された住宅でも、取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書などで基準への適合が証明されていれば対象になります。証明がない場合も、取得の日までに耐震改修の申請(耐震基準適合証明の申請など)をし、入居の日までに改修を終えて証明を受ければ「要耐震改修住宅」として対象になります。旧耐震の物件をリノベする場合は、引き渡しの前に工事内容と申請の段取りを決めておかないと控除を受けられなくなるおそれがあるため、ここでも物件探しと工事の検討を同時に進めることが重要です。築年数の古い物件を検討する場合は、控除を受けられるかも購入前に確認しておきましょう。
出典:国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」/国税庁「No.1211-5 要耐震改修住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
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墨田区・江戸川区でリノベ向き物件を探すときの地域事情
墨田区・江戸川区でリノベ向き物件を探す場合は、旧耐震の木造住宅、狭小地・再建築不可、水害リスクの3点を特に確認してください。いずれも工事では解決しにくく、物件選びの段階で判断する必要があるためです。
旧耐震の木造住宅が多いエリアがある
旧耐震基準とは、1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物に適用されていた耐震基準のことです。墨田区の京島・八広・東向島周辺や、江戸川区の平井・小岩周辺などには、昭和期に建てられた木造住宅が多く残る地域があります。
旧耐震の木造住宅をリノベする場合は、内装工事だけでなく耐震診断・耐震補強の費用も予算に入れる必要があります。墨田区・江戸川区とも、木造住宅の耐震診断や耐震改修に対する助成制度を設けており、2026年11月時点の主な条件は次のとおりです。
- 墨田区:住宅耐震改修促進助成の対象は、木造では1981年5月31日以前に着工した旧耐震の住宅と、2000年5月31日以前に着工した平屋・2階建ての住宅で、耐震診断で耐震性が不足すると判断されたものです。申請の前に、区役所9階の不燃・耐震促進課への事前相談が必要です(墨田区、2026年8月25日更新)。
- 江戸川区:旧耐震の住宅に加え、1981年6月1日〜2000年5月31日に建てられた新耐震の木造住宅も、耐震改修の設計等と工事の助成の対象です。2026年度の申請期限は2026年12月25日で、助成の決定通知の前に契約・着工すると取り消しになります(江戸川区、2026年5月更新)。
対象や上限額、受付期間は年度ごとに見直され、予算に達すると受付が終わることもあるため、購入を決める前に区の窓口で最新の内容を確認してください。江戸川区の住まいの助成は江戸川区の住宅助成金一覧にまとめています。
出典:墨田区「住宅耐震改修促進助成事業(耐震改修工事)」/江戸川区「住宅・建築物の耐震化助成制度」/江戸川区「江戸川区戸建住宅耐震改修工事助成事業」
狭小地・再建築不可・セットバックに注意
下町の路地沿いには、敷地が狭い物件や、幅4m未満の道路に面していてセットバック(道路の中心から2m後退)が必要な物件があります。また、建築基準法上の道路に2m以上接していない敷地は、建て替えができない「再建築不可」になります。
再建築不可の物件は価格が手頃なことが多く、リノベ前提の買い手には魅力的に見えます。しかし、前述の法改正で、木造2階建てなどの大規模な修繕・模様替えにも建築確認が必要になりました。建築時は適法だった建物(既存不適格建築物)であれば、利用者が増える用途変更を伴わず、特定行政庁(一般的な住宅なら区)が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めた場合に、接道の規定を適用しないまま大規模な修繕・模様替えができる緩和措置があります(建築基準法施行令第137条の12第11項。国土交通省「既存建築物の緩和措置に関する解説集(第3版)」)。認められるかは物件ごとの判断なので、どこまで工事できるかを購入前に建築士や不動産会社、区の窓口と確認することが重要です。
住宅ローンの審査が通りにくい点にも注意が必要です。【フラット35】の中古住宅の技術基準でも、接道は「原則として一般の道に2m以上接すること」とされています(住宅金融支援機構)。墨田区の43条許可の基準やリフォームできる範囲は、墨田区で再建築不可物件を購入する際の注意点で解説しています。
水害リスクとマンションの管理状態
江戸川区は荒川や江戸川と東京湾に囲まれており、区によると、区の陸域の7割が満潮時の海面より低いゼロメートル地帯です。墨田区も「荒川が氾濫した場合には、区の大部分が浸水するおそれがあります」としています。物件ごとに区の水害ハザードマップで浸水想定を確認し、戸建てなら基礎の高さ、マンションなら電気設備の位置や住戸の階数も確認しておきましょう。
不動産取引の重要事項説明では、2020年8月から水害ハザードマップ上の物件の位置を説明することが義務づけられています。ただし説明は契約の直前に行われるため、内見の段階で自分でも確認しておくと、申込みの判断を早められます。
出典:江戸川区「江戸川区ってどんなところ?」(2025年7月31日更新)/江戸川区「江戸川区水害ハザードマップ概要版」/墨田区「墨田区水害ハザードマップ(水害への備え)」(2026年8月25日更新)
錦糸町・両国・押上・葛西・船堀など駅周辺の中古マンションは、リノベ向き物件の有力な候補です。築年数よりも、修繕積立金の残高、大規模修繕の実施履歴、共用配管の更新状況など、管理の状態を重視して選ぶことをおすすめします。修繕積立金の見方はマンションの修繕積立金とは?で、駅ごとの価格と注意点は錦糸町の中古マンション購入・両国の中古マンション購入・押上のマンション購入・葛西の中古マンション購入の注意点で解説しています。
墨田区で、中学生以下の子どもがいる世帯や夫婦とも40歳未満の世帯が家を買う場合は、1年間に支払った住宅ローンの利子を上限10万円まで、5年間で最大50万円補助する「すみだ住宅取得利子補助制度」も確認しましょう。中古住宅の購入も対象ですが、検査済証(または検査済証の発行が分かる建築確認台帳記載事項証明書)が必要で、1981年5月31日以前に着工した住宅は耐震基準適合証明書などの書類も求められます(墨田区のチラシ、令和6年2月版)。物件を絞り込む段階で書類の有無を確かめておきましょう。詳しくはすみだ住宅取得利子補助制度とは?で解説しています。
エリア選びから購入の流れまでの全体像は、墨田区の不動産購入ガイド・江戸川区の不動産購入ガイドをご覧ください。
墨田区・江戸川区でリノベ向き物件を探すならセルフリジェネレーション|Googleクチコミ 本店★4.8・瑞江店★4.9
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、墨田区・江戸川区に特化した地域密着の不動産会社です。Googleクチコミでは、本店★4.8・瑞江店★4.9の評価をいただいており(2026年10月時点、当社ホームページ掲載)、こまめな連絡や進捗報告、親身な対応を評価していただいています。
リノベ向き物件の購入では、物件の情報が出てから申込みまでのスピードと、建物を見極める確かさの両方が求められます。こまめな連絡を大切にしている当社では、ご希望に合う物件の情報が入ったときに速やかにお知らせし、内見時には構造・配管・管理規約・法規制など工事に関わる点も一緒に確認します。
購入のお手伝いをしたお客様からは、次のような声をいただいています。
「気に入った物件があった時に連絡したところ、すぐに対応していただけて」(Googleクチコミより一部抜粋)
「一軒家の購入の際、大変お世話になりました。約半年ほど田中さんと連絡を取り、いつも丁寧に対応していただきました。」(Googleクチコミより一部抜粋)
- 墨田区・江戸川区に特化しているため、地域の物件事情やハザード情報に詳しい
- 業界経験10年以上のスタッフのみが在籍
- 顧問弁護士・税理士・FPによる無料相談に対応
- 売却・買取にも対応しているため、売主側の事情も踏まえた購入のアドバイスが可能
- LINE・オンラインでの相談にも対応
「リノベ前提でどんな物件を選べばよいか分からない」という段階でも、店舗でのご相談予約(住宅購入相談)からお気軽にご相談ください。
よくある質問
リノベ向き物件はなぜ見つからないのですか?
主な理由は、ポータルサイトに「リノベ前」で絞り込む検索条件が無く、条件の良い物件ほど短期間で申込みが入るためです。また、工事できるかが分からず申込みの判断が遅れて、良い物件を逃してしまうケースも多くあります。
リノベ向き物件を早く見つけるにはどうすればよいですか?
総予算と住宅ローンの事前審査を先に済ませ、物件探しと工事の可否・概算費用の確認を同時に進めることです。不動産会社にはリノベ前提であることと、立地・面積・構造など工事で変えられない条件を具体的に伝えておきましょう。
ポータルサイトに載っていない物件はありますか?
あります。売主の希望で広告を控えて販売される物件や、広告を出す前に購入希望者が決まる物件があります。希望条件を不動産会社に伝えておくと、こうした物件の情報を受け取れる可能性が高まります。
リノベ前提の場合、物件探しの条件はどう決めればよいですか?
立地・面積・構造・管理状態・法規制など、工事で変えられない条件を優先して決めます。間取りや内装、設備はリノベで変えられるため、検索段階では条件から外すと候補が大きく広がります。
旧耐震の物件をリノベするのはやめた方がよいですか?
一概にやめた方がよいとは言えませんが、耐震診断と耐震補強の費用を予算に含めて判断する必要があります。墨田区・江戸川区には木造住宅の耐震診断・改修の助成制度があり、住宅ローン控除も、取得の日前2年以内に耐震基準への適合が証明されているか、取得の日までに耐震改修の申請をして入居までに改修を終えれば対象になります。
墨田区・江戸川区でリノベ向き物件を探すときの注意点は?
旧耐震の木造住宅、狭小地・再建築不可、水害リスクの3点を特に確認してください。いずれも工事では解決しにくいため、区のハザードマップや接道状況、建築確認の時期を購入前に確認することが大切です。江戸川区は区の陸域の7割がゼロメートル地帯で、墨田区も荒川が氾濫した場合には区の大部分が浸水するおそれがあるとされています。
リノベ向き物件が見つからないときは、リノベ済みの物件を買うのもよいですか?
工事の手間や期間を避けたい場合は、事業者がリノベを済ませた買取再販物件も選択肢になります。間取りや仕様は選べませんが、完成した状態を確認して買え、住宅事業者が所定の性能向上リフォームを行った物件なら【フラット35】リノベ(買取再販タイプ)を利用できる場合があります。
まとめ
リノベ向き物件が見つからないのは、物件情報の出方と購入判断の進め方に原因があることがほとんどです。
- ポータルサイトには「リノベ前」で絞り込む条件が無く、条件の良い物件は短期間で申込みが入る
- 構造・配管・管理規約・法規制など、工事に関わる情報は現地と資料で確認する必要がある
- 物件探しと建物の見極めを同時に進めると、申込みの判断が早くなり、予算オーバーも防げる
- 総予算と住宅ローンの事前審査を先に済ませ、変えられない条件を中心に探す
- 住宅ローン控除のための耐震改修の申請や区の助成は手続きの順番が決まっているため、引き渡し前に工事の段取りまで決めておく
- 墨田区・江戸川区では、旧耐震・再建築不可・水害リスクの確認が特に重要
「探しても見つからない」と感じている方は、まず探し方と判断の順番を見直してみてください。物件探しと建物の見極めを一緒に進めたい方は、地域に詳しい不動産会社に早めに相談することをおすすめします。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年11月1日
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