不動産を売るときの税金

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売るときの税金

不動産を売却するときは、売買契約書の印紙税、住宅ローンが残る場合の抵当権抹消登記、売却益が出た場合の譲渡所得税・住民税を確認します。
特に譲渡所得は、売却価格ではなく、取得費・譲渡費用・特例を差し引いた金額で判断します。
販売前に概算税額と手元に残る金額を整理しておきましょう。

Point 1

売却時に確認する税金

不動産売却で必ず確認したいのは、契約時にかかる税金、登記に関わる費用、売却益が出た場合の税金です。
売却価格だけを見ても、実際に手元へ残る金額は判断できません。

売却時の税金・費用の全体像

項目 発生する場面 確認ポイント
印紙税 売買契約書を作成するとき 契約書の記載金額に応じて税額が変わります。軽減措置の期限も確認します。
登録免許税・登記費用 抵当権抹消、住所変更、相続登記などが必要なとき 売主側は、住宅ローン完済に伴う抵当権抹消や登記名義人住所変更が必要になる場合があります。
譲渡所得税・住民税 売却益が出た場合 売却価格から取得費、譲渡費用、特別控除を差し引いた課税譲渡所得に税率をかけます。
復興特別所得税 所得税が発生する場合 平成25年から令和19年まで、所得税とあわせて申告・納付します。
固定資産税等の精算 引き渡し時の実務精算 税金そのものではなく、売主・買主間の精算金です。契約条件として確認します。

最初に見るべき数字

税額を正確に計算する前に、売却予定価格、購入時の資料、住宅ローン残高、売却にかかる費用、使える特例の候補を整理します。査定額と税金を同時に見ることで、売却後の手残りが判断しやすくなります。

Point 2

印紙税と登記費用

売買契約書には、契約金額に応じた印紙税がかかります。
また、住宅ローンが残っている物件では、売却代金で完済したうえで抵当権抹消登記を行うのが一般的です。

不動産売買契約書の印紙税

契約金額 軽減後の印紙税額
500万円超〜1,000万円以下 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 10,000円
5,000万円超〜1億円以下 30,000円
1億円超〜5億円以下 60,000円

不動産の譲渡に関する契約書は、記載金額が10万円を超え、令和9年3月31日までに作成されるものについて軽減措置の対象です。

売主側で確認する登記

登記費用は物件の状態や売買条件で変わります。特に住宅ローンが残っている場合、登記簿上の住所が現住所と違う場合、相続名義のまま売却する場合は、決済前に必要な登記を確認します。

抵当権抹消登記

住宅ローンが残っている場合は、決済時に完済し、抵当権を抹消します。登録免許税、司法書士報酬、必要書類を事前に確認します。

住所・氏名変更登記

登記簿上の住所や氏名が現在と違う場合、売却前または決済時に変更登記が必要になることがあります。

相続登記

亡くなった方の名義のままでは、原則としてそのまま売却できません。先に相続登記を済ませる必要があります。

所有権移転登記

売買による所有権移転登記の登録免許税は、一般的には買主側の取得費用として扱われます。契約条件で負担者を確認します。

Point 3

譲渡所得の基本式

不動産売却で最も重要なのは、売却価格そのものではなく、課税対象となる譲渡所得です。
購入時と売却時の資料がそろっているほど、税額の見通しを立てやすくなります。

譲渡所得の計算 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用 = 譲渡所得
課税譲渡所得の計算 譲渡所得 - 特別控除 = 課税譲渡所得

税金がかかるのは利益部分

売却価格が高くても、購入時の価格や売却費用を差し引いた結果、譲渡所得が出なければ譲渡所得税・住民税は発生しません。逆に取得費が分からない場合は、利益が大きく見えやすくなります。

特別控除の前に利益を確認

3,000万円特別控除などの特例は強力ですが、まずは特例を使わない場合の譲渡所得を把握します。そのうえで、居住用か、相続不動産か、買換えかなど、使える特例を確認します。

Point 4

取得費・譲渡費用

取得費と譲渡費用を正しく整理できるかで、課税譲渡所得は大きく変わります。
購入時の契約書や領収書、売却時の見積書・請求書を早めに集めておきましょう。

取得費に含まれやすいもの

  • 購入代金・建築代金
  • 購入時の仲介手数料
  • 購入時の登録免許税・不動産取得税・印紙税
  • 造成費、測量費、改良費
  • 建物は減価償却費相当額を差し引いた金額

譲渡費用に含まれやすいもの

  • 売却時の仲介手数料
  • 売買契約書の印紙代
  • 売却のために行った測量費
  • 土地売却のための建物解体費
  • 借家人へ支払う立退料

取得費が分からない場合

購入時期が古い、相続で取得した、契約書が見つからないなどの場合は、売却価格の5%相当額を概算取得費として使える場合があります。ただし、取得費が小さくなるため税額は大きくなりやすくなります。

費用にならないものもある

通常の維持修繕費、固定資産税、引越費用などは、譲渡費用として扱えない場合があります。売却のために直接かかった費用かどうかを基準に確認します。

Point 5

所有期間と税率

土地・建物の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点の所有期間で長期と短期に分かれます。
同じ利益でも、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。

長期・短期の税率

区分 所有期間 所得税・復興特別所得税 住民税 合計
長期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で5年超 15.315% 5% 20.315%
短期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で5年以下 30.63% 9% 39.63%

取得日から単純に5年ではありません

判定日は売却日ではなく、売却した年の1月1日です。たとえば取得から実際に5年を少し超えていても、売却した年の1月1日時点で5年以下なら短期譲渡所得になります。

相続・贈与で取得した場合

相続や贈与で取得した土地・建物は、原則として被相続人や贈与者の取得日を引き継いで所有期間を判定します。相続した日から5年で判断しない点に注意しましょう。

Point 6

使える特例と申告

不動産売却では、条件を満たすと税負担を抑えられる特例があります。
ただし、特例は自動適用ではなく、確定申告や必要書類が前提になるため、売却前から確認しておくことが重要です。

居住用財産の3,000万円控除

マイホームを売った場合、一定の要件を満たすと、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。親族など特別な関係者への売却では使えません。

10年超所有の軽減税率

売却した年の1月1日時点で、家屋と敷地の所有期間が10年を超えるマイホームは、一定要件のもと軽減税率を使える場合があります。3,000万円控除と併用できます。

買換え・譲渡損失の特例

マイホームの買換えや、住宅ローンが残るマイホームを売って損失が出る場合などは、課税の繰延べ、損益通算、繰越控除の対象になることがあります。要件と期限を確認します。

相続不動産の特例

相続した空き家を売却する場合の特別控除や、相続税を納めた不動産を一定期間内に売却した場合の取得費加算など、相続特有の特例も確認します。

その他の控除

平成21年・平成22年に取得した土地を売却する場合の1,000万円控除など、取得時期や売却理由によって確認すべき特例があります。古い取得資料も捨てずに保管しておきましょう。

確定申告が必要です

譲渡所得が出る場合や特例を使う場合は、原則として確定申告が必要です。売買契約書、取得時資料、譲渡費用の領収書、登記事項証明書などを整理しておきます。

Sale Tax Consultation

売却後に残る金額まで見据えたご相談

査定額だけでなく、仲介手数料、売却費用、譲渡所得税、住宅ローン残高まで整理し、売却後に手元へ残る金額を確認しながら進められます。

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