不動産経営でかかる税金

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不動産経営の税金

賃貸経営では、家賃収入そのものではなく、収入から必要経費を差し引いた不動産所得をもとに税金を考えます。
所得税・住民税だけでなく、固定資産税、都市計画税、個人事業税、消費税の扱いまで確認が必要です。
収支を正しく把握し、申告と資金計画に無理が出ないよう整理しておきましょう。

Point 1

不動産経営でかかる税金

不動産経営では、物件を持っているだけでかかる税金と、賃貸収入があることでかかる税金があります。
まずは、どの税金がいつ発生するのかを整理しておくことが重要です。

主な税金の全体像

税金 対象 確認ポイント
所得税 不動産所得などの課税所得 給与所得などと合算し、課税所得に応じた税率で計算します。
住民税 前年の所得 所得割は原則10%で、均等割とあわせて翌年度に課税されます。
個人事業税 一定規模以上の不動産貸付業 不動産貸付業は、事業主控除290万円などを差し引いた後、5%で計算します。
消費税 事業用賃料、駐車場収入など 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合などに納税義務が生じます。
固定資産税・都市計画税 土地・建物の所有 固定資産税は標準税率1.4%、都市計画税は上限0.3%を目安に確認します。

税金は収支計画の一部

賃貸経営では、満室時の家賃だけで判断すると資金計画を見誤ります。税金、管理費、修繕費、借入金利息、空室期間、原状回復費まで含めて、年間で手元に残る金額を確認しましょう。

Point 2

不動産所得と収入範囲

不動産所得は、土地や建物などの貸付けによる収入から必要経費を差し引いて計算します。
家賃だけでなく、更新料や返還不要の敷金なども収入に含まれる場合があります。

不動産所得の基本式 総収入金額 - 必要経費 = 不動産所得の金額

収入に含まれやすいもの

  • 家賃・地代
  • 礼金・更新料・名義書換料
  • 共益費・管理費として受け取る金額
  • 返還しない敷金・保証金
  • 駐車場収入

返還する預り金は区別する

敷金や保証金でも、契約終了時に返還する部分は原則として収入ではありません。返還不要となった時点や、原状回復費との精算内容により扱いが変わるため、契約書と精算書を残しておきましょう。

計上時期も確認する

家賃、更新料、礼金などは、いつの収入として計上するかが重要です。入金日だけで判断せず、契約上の支払日や権利確定のタイミングも確認します。

管理会社の明細を保管する

管理会社に賃貸管理を依頼している場合は、毎月の送金明細や年間収支報告書を保管します。確定申告では、収入と控除済みの管理費を分けて確認できる状態が必要です。

Point 3

必要経費と経費にならない支出

必要経費は、不動産収入を得るために直接必要で、家事上の支出と明確に区分できる費用です。
経費にできるものとできないものを分けておくと、申告時の確認がスムーズになります。

主な必要経費

項目 内容
管理委託費・広告費 管理会社への管理料、入居者募集の広告料など
修繕費 通常の維持管理や原状回復のための修繕費
損害保険料 火災保険料、地震保険料など
減価償却費 建物や設備の取得価額を耐用年数に応じて経費化するもの
租税公課 固定資産税、都市計画税、個人事業税など
借入金利息 賃貸物件取得のための借入金に対する利息部分

経費にならない代表例

  • 所得税・住民税
  • 借入金の元本返済部分
  • 事業と関係のない私的な支出
  • 資産価値を高める大規模改修費のうち資本的支出に該当するもの

修繕費と資本的支出を分ける

同じ工事費でも、現状維持のための修繕費と、物件の価値や耐用年数を高める資本的支出では扱いが変わります。金額が大きい工事は、見積書・請求書・工事内容を確認して判断しましょう。

Point 4

所得税・住民税の計算

不動産所得は、原則として給与所得などと合算して所得税を計算します。
所得が増えるほど税率が上がるため、家賃収入の増加がそのまま手残りになるわけではありません。

所得税

所得税は、課税所得に応じて5%から45%までの超過累進税率で計算されます。平成25年から令和19年までの各年分は、復興特別所得税もあわせて申告・納付します。

住民税

住民税は前年の所得をもとに計算されます。不動産所得が増えると、翌年度の住民税や社会保険料に影響する場合があるため、翌年の負担まで見ておく必要があります。

損益通算

不動産所得が赤字の場合、一定の範囲で給与所得など他の所得と通算できる場合があります。ただし、土地取得に係る借入金利子など、通算に制限がある項目もあります。

納税資金を残す

確定申告で所得税を納めた後、住民税や個人事業税、固定資産税の支払いが続きます。家賃収入から修繕積立と納税資金を先に分けておくと、資金繰りが安定します。

Point 5

消費税・個人事業税

賃貸経営では、居住用賃貸か事業用賃貸かで消費税の扱いが大きく変わります。
また、一定規模以上の不動産貸付は、個人事業税の対象になる場合があります。

消費税の判定

収入の種類 消費税の扱い 注意点
居住用の家賃 原則非課税 住宅として貸し付けることが契約等で明らかな場合です。
事務所・店舗の賃料 課税対象 店舗併用住宅は住宅部分と事業用部分を合理的に区分します。
駐車場収入 条件により課税対象 家賃とは別に駐車場使用料を受け取る場合は注意が必要です。
返還不要の権利金等 貸付内容により判定 居住用か事業用か、返還義務の有無を確認します。

個人事業税

東京都では、不動産貸付業や駐車場業について、貸付規模、賃貸料収入、管理状況などを総合的に見て課税対象を認定します。個人事業税には年間290万円の事業主控除があり、不動産貸付業の税率は5%です。

規模の目安

所得税では、アパート等はおおむね10室以上、一戸建てはおおむね5棟以上で、原則として事業的規模として扱われます。東京都の個人事業税では、用途や貸付件数、床面積、賃貸料収入など別の認定基準も確認します。

Point 6

青色申告と確認ポイント

青色申告は、記帳と期限内申告などの要件を満たすことで、所得計算上の特典を受けられる制度です。
不動産経営では、収入・経費・借入・修繕履歴を継続して整理することが節税以前に重要です。

青色申告特別控除

青色申告者は、要件に応じて65万円、55万円、または10万円の青色申告特別控除を受けられます。65万円控除には、正規の簿記による記帳に加え、電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告などの要件があります。

事業的規模かを確認

事業的規模に該当するかどうかで、青色事業専従者給与、資産損失、貸倒損失などの扱いが変わる場合があります。戸数や室数だけでなく、実態も含めて確認しましょう。

毎月残す資料

  • 賃料の入金明細
  • 管理会社の送金明細
  • 修繕費・広告費・保険料の領収書
  • 借入金返済予定表
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書

経営判断につなげる

税金を抑えることだけを目的にせず、空室率、修繕予定、借入金利、売却した場合の手残りまで比較することが大切です。収益が落ちている物件は、保有継続と売却の両方で検討しましょう。

Tax Consultation

不動産経営・賃貸管理のご相談

賃貸収支、管理費、修繕費、税金、将来の売却判断まで整理し、保有を続けるべきか、管理を見直すべきかを一緒に確認できます。

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