新たに土地や家を購入した場合には、その購入代金だけではなく各種税金の支払いも必要となります。
不動産購入に関する税金にはさまざまな種類があるため、詳しい内容について把握するのが難しい場合もあるでしょう。
このページでは、不動産購入時にかかる税金の種類や内容、具体的な計算方法について説明します。

  1. 不動産取得税
  2. 消費税
  3. 印紙税
  4. 登録免許税
  5. 税金を軽減するなら確定申告

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不動産取得税

家を新築・増築・改築した場合、あるいは、土地や家屋を購入・交換・贈与で取得した場合にかかる税金が不動産取得税です。
不動産取得税は、無償で不動産を取得した場合でも課税されます。ただし、相続で土地や家屋を取得した場合は非課税となります。

不動産取得税の計算方法

不動産取得税の基本的な税額の計算方法は、下記の通りです。

不動産取得税=固定資産税評価額×4%

※ただし、令和6年3月31日までは土地や住宅は3%の軽減税率が適用(住宅以外の家屋は4%)
不動産取得税を調べるためには、固定資産税評価額を明らかにする必要があります。固定資産税評価額を知る方法は3つです。
1.4月頃に送られてくる固定資産税の課税明細書を確認する
2.固定資産評価証明書を入手する
3.固定資産課税台帳の縦覧、閲覧を利用する

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税には次のような軽減措置があります。
不動産取得税に係る軽減措置は、その時の社会情勢や景気によって臨時に定められるものもありますので、見逃さないようにしましょう。

【宅地及び宅地評価された土地の不動産取得税の軽減】
和6年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合は、不動産取得税を計算する際の課税標準(固定資産税評価額)が2分の1になります。
参考:不動産取得税(東京都主税局)

【新築住宅及びその敷地の税額の軽減】
新築住宅が認定長期優良住宅などの一定要件を満たす場合は、不動産取得税に係る「固定資産税」が軽減されます。
令和4年4月1日~令和6年3月31日まで有効です。
※景気や社会情勢によって軽減措置の有無は変わります。国土交通省のサイトなど、毎年インターネットで最新情報を調べてみてください。
参考:令和4年度国土交通省税制改正概要

【新築住宅及びその敷地の税額の軽減】
中古住宅の場合も新築住宅と同様に不動産取得税の軽減措置があります。ただし、控除額は一律ではなく、各自治体で異なることが特徴です。
参考:東京都主税局

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不動産購入にかかる消費税

国内で企業や店舗など消費税課税事業者から物品やサービスを購入する際には消費税がかかります。不動産も消費税の課税対象です。

消費税がかかるケースとかからないケース

不動産会社は消費税課税事業者なので、仲介を依頼して購入する建物(住宅など)、あるいは住宅などの建築請負工事代金には消費税が必要です。 また、仲介する不動産会社に支払う仲介手数料にも消費税がかかります。 例外として、土地には消費税がかかりません。個人間で住宅を売買する場合も、消費税は非課税となります。

今後税率が変わるときの課税タイミング

不動産の売買契約に関する消費税の課税タイミングは、引き渡し時点です。
建物にかかる消費税の税率は、変更時点で引き渡しが完了しているかどうかで変わります。

【消費税の経過措置】
消費税は、2019年(令和元年)10月1日より8%から10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)に引き上げられました。
消費税が変更となるときは経過措置が設けられています。
引き渡し日によって、経過措置が適用できるかどうかが決まります。
消費税変更のタイミングで不動産を購入する場合は気を付けましょう。
不動産購入にかかる消費税を抑えたい場合は、引き渡し日をいつにすべきか慎重に決めてください。

【請負工事契約の消費税課税タイミング】
請負工事契約に関する消費税の課税タイミングは、経過措置指定日により変わってきます。

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契約書や領収書に必要な印紙税

印紙税は、売買契約書や建築などの請負工事に関する契約書、住宅ローンを設定する際の金銭消費貸借契約書などを交わすとき、あるいは領収書を発行するときにかかる税金です。

印紙税の額と課税される人

「所得税法等の一部を改正する法律」により、租税特別措置法の一部が改正されました。
「不動産譲渡契約書」と「建設工事請負契約書」は、令和2年(2020年)4月1日から令和4年(2022年)3月31日まで、印紙税の軽減措置が適用されます。
また、軽減措置の2年間の延長が決定しました。令和4年4月1日~令和6年3月31日まで有効です。
軽減措置後の印紙税は以下の通りです。(2022年1月現在)

契約金額 通常の税率 軽減後の税率
10万円超~50万円以下 400円 200円
50万円超~100万円以下 1,000円 500円
100万円超~ 500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超~1千万円以下 10,000円 5,000円
1千万円超~5千万円以下 20,000円 10,000円
5千万円超~1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超~5億円以下 100,000円 60,000円

参考:国税庁 印紙税の軽減措置の延長について
参考:国税庁 令和4年度国土交通省税制改正概要

社会情勢によって、印紙税など、税金の軽減措置が取られることがあります。
自分が不動産を購入する時期に軽減措置があるのか知りたい場合、不動産のプロである不動産会社に相談してみましょう。

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登録免許税

不動産を購入したり、住宅を建築したりする際には登記を行いますが、土地や建物を登記する際にかかる税金が登録免許税です。計算方法は以下の通りです。

所有権に関する登記の場合 固定資産税評価額×所定の税率
抵当権設定に関する登記の場合 債権額(住宅ローンの借入額)×所定の税率

登記の種類とは?

不動産登記は、以下の4種類となります。

表題登記 新築した建物が完成した後、建物の所在地番、構造、床面積などを特定するために所有者が申請する登記。
所有権保存登記 建物を新築した際、はじめて行う所有権の登記のことで、建物表題登記を行った後に行います。登記簿の甲区に所有者の住所・氏名の他、新築の日付などが記載されますが、所有権保存登記を行った後は、所有権を第三者に対抗できるようになります。
所有権移転登記 不動産を売買する際、所有権を売主から買主へ移転するときに行う登記のこと。これにより、買主は第三者に所有権を主張できる要件を備えることができます。
抵当権設定登記 住宅ローンを利用する場合、購入する不動産は担保となり抵当権が設定されます。その際に登記されるものです。金融機関は抵当権者、住宅ローンの借入者は抵当権設定者となります。

登録免許税の軽減措置

登録免許税には次のような軽減措置があります。

【新築住宅の保存登記の特例】
●居住するための住宅
●新築または取得してから1年以内の登記
●床面積が50平方メートル以上
上記3点の要件を満たす場合は、所有権保存登記の登録免許税に軽減税率が適用されます。
参考:国税庁 令和4年度国土交通省税制改正概要

【中古住宅の移転登記の特例】
●居住するための住宅
●取得してから1年以内の登記
●床面積が50平方メートル以上
●マンションなどの耐火建築物は築25年以内、木造など耐火建築物以外は築20年以内のもの。これに該当しない場合は、一定の耐震基準に適合するもの。
上記4点の要件を満たす場合は、所有権保存登記の登録免許税に軽減税率が適用されます。
参考:国税庁 令和4年度国土交通省税制改正概要

【抵当権の設定登記の特例】
中住宅の所有権移転登記の軽減措置に設定された適用要件を満たす住宅の抵当権を設定する場合は、軽減税率が適用されます。

【土地の移転登記の特例】
土地を売買した場合の所有権移転登記の税率が軽減されます。

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不動産購入時の税金を軽減するなら確定申告をしましょう

このように、不動産を購入するとさまざまな税金がかかります。また、税金によっては税率や税額が軽減される制度もあります。
税金が軽減される制度を利用する場合は確定申告が必要です。ちなみに、確定申告は毎年2月16日から3月15日までとなっています(土日が入ると日程が前後します)ので、該当する場合は忘れずに確定申告をしましょう。