不動産の相続登記を始めようとしている方の中には、
相続登記ってどんな書類が必要なのか、相続登記の必要書類ってどこで取得できるのか といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
このページでは、不動産の相続登記で必要な書類をケース別に解説します。
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不動産の相続登記で必要な書類一覧
ここでは、3つのケース別に不動産の相続登記で必要な書類を一覧形式でご紹介します。
●遺産分割協議によって相続する場合
●法定相続分で相続する場合
●遺言書によって相続する場合
遺産分割協議によって相続する場合
遺産分割協議によって不動産を相続する場合、以下の書類が必要になります。
必要書類 | 取得先 | 取得費用 |
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
被相続人の住民票の除票 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 300円/1通 |
法定相続人の戸籍謄抄本 | 各相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
不動産を相続する人の住民票 | 相続人の居住する市町村役場 | 300円/1通 |
登記申請書 | 法務局のHPから自分で作成 | 0円 |
遺産分割協議書 | 法務局のHPから自分で作成 | 0円 |
法定相続人全員の印鑑証明書 | 役所・コンビニ | 300円/1通 |
固定資産税納税通知書等 | 毎年4月~6月に郵送される | 0円 |
法定相続分で相続する場合
法定相続分で不動産を相続する場合、以下の書類が必要になります。
必要書類 | 取得先 | 取得費用 |
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
被相続人の住民票の除票 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 300円/1通 |
法定相続人の戸籍謄抄本 | 各相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
不動産を相続する人の住民票 | 相続人の居住する市町村役場 | 300円/1通 |
登記申請書 | 法務局のHPから自分で作成 | 0円 |
固定資産税納税通知書等 | 毎年4月~6月に郵送される | 0円 |
遺言書によって相続する場合
遺言書によって法定相続人以外が不動産を相続する場合、以下の書類が必要になります。
必要書類 | 取得先 | 取得費用 |
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
被相続人の住民票の除票 | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 300円/1通 |
法定相続人の戸籍謄抄本 | 各相続人の本籍地の市町村役場 | 450円/1通 |
不動産を相続する人の住民票 | 相続人の居住する市町村役場 | 300円/1通 |
登記申請書 | 法務局のHPから自分で作成 | 0円 |
固定資産税納税通知書等 | 毎年4月~6月に郵送される | 0円 |
遺言書 | ‐ | 0円 |
遺言執行者の印鑑証明書(選任されていた場合) | 役所・コンビニ | 300円/1通 |
遺言執行者選任審判謄本(家裁の審判で選任の場合) | 家庭裁判所 | 800円/1通 |
相続人の印鑑証明書(遺言執行者が選任されていない場合) | 役所・コンビニ | 300円/1通 |
参考:遺言執行者の選任 裁判所
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不動産の相続登記で必要な書類について
ここでは、不動産の相続登記で必要な書類について解説します。
【不動産の相続登記の必要書類】
●登記事項証明書
●被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
●被相続人の住民票の除票
●相続人全員の戸籍謄本
●遺産分割協議書
●相続人全員の印鑑証明書
●相続関係説明図
●固定資産評価証明書
●相続登記申請書
●委任状
登記事項証明書
相続登記申請書を作成する際には、不動産の正確な地番や家屋番号を記入する必要があるため、これらの情報が載っている登記事項証明書が必要になります。
また、登記情報提供サービスに登録されている不動産であれば、インターネットから情報を取得することも可能です。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
相続登記申請書と一緒に提出する書類の中に、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本があります。
戸籍は、法改正や婚姻・転籍の度に新しいものが作成されることから、出生から死亡までの戸籍謄本を用意することで相続人が誰であるかを漏れなく確定させることができます。
被相続人の住民票の除票
被相続人の住民票の除票も相続登記申請書と一緒に提出します。
被相続人の住民票の除票を用意することで、登記簿上の被相続人と戸籍上の被相続人が同一人物であることを証明することができます。
相続人全員の戸籍謄本
不動産の相続登記をする際には、相続人が生存しているかを確認するために相続人全員の戸籍謄本が必要になります。
もし、相続人が手続きの前に亡くなってしまったら、その相続人の出生に遡る戸籍謄本等も必要です。
また、相続人の戸籍謄本は被相続人が亡くなった後に取得したものである必要があります。
遺産分割協議書
遺産分割協議を行い、不動産を相続した場合、その協議内容を記した遺産分割協議書が必要になります。
遺産分割協議書の書き方は画像の通りで、「誰が」「何を」「どれくらい」相続するのかをしっかりと記入します。
相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書には、相続人全員の署名と実印の捺印をします。
そして、遺産分割協議書を提出する際には、相続人全員で合意したことを証明するために印鑑証明書を添付します。
また、遺産分割協議書の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合、別途住民票が必要になることもあります。
相続関係説明図
相続関係説明図とは、相続の時に亡くなった人を中心として、相続人が何人いてどんな続柄なのか、を記した図です。
相続登記において相続関係説明図の提出が必須ではありませんが、一度作成するとさまざまなメリットがあります。
中でも、一度相続関係説明図を作成してしまえば、一旦提出した大量の戸籍謄本をすべて原本のまま返してもらえるため、それを別の手続きの時にまた利用することができます。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書は、不動産などの固定資産の評価額が記載されているため、この評価をもとに登録免許税や相続税を計算することができます。
また、相続登記の際には、不動産の評価額を証明する書類を添付しなければならないことから、固定資産評価証明書や固定資産税納税通知書が必要になります。
相続登記申請書
相続登記申請書は、法務局のホームページからひな形をダウンロードし、「登記の目的と原因・相続人・添付情報・申請日・課税価格と登録免許税・不動産の表示」の6項目を埋めて作成します。
また、相続方法によって登記申請書が異なるため、どの相続方法で遺産分割を行ったのか確認しておきましょう。
不動産登記の申請書様式について 法務局
委任状
司法書士に不動産の相続登記を依頼する場合、委任状が必要になります。
委任状は、法務局のホームページからひな形をダウンロードして、上記のように記入します。
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不動産の相続登記では登録免許税もかかる
不動産の相続登記では、申請を行う際に登録免許税がかかります。
登録免許税は以下の計算式で求めることができます。
登録免許税=固定資産税評価額 × 0.4%
たとえば、固定資産税評価額が4,000万円の場合、登録免許税は16万円になります。
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不動産の相続登記はケース別に必要書類が異なる
不動産の相続登記は、どの相続方法で遺産分割を行ったのかによって必要書類が異なります。
自分がどのように遺産を分割したのかに注意して、必要書類をしっかりと集めていきましょう。
また、自分だけでできないと思ったら、司法書士に依頼することも視野に入れておくと良いでしょう。
不動産相続の基礎知識