「旗竿地の実家は通路が狭くて建て替えられないと言われた」「親から引き継いだ家が借地で、地主さんとどう話せばいいか分からない」「区画整理の区域に入っていて、売っていいのかも分からない」――江戸川区では、こうした事情を抱えた不動産のご相談が少なくありません。いわゆる「訳あり物件」は、一般の買主が見つかりにくく、相談先も分からないまま空き家として何年も置かれてしまいがちです。
この記事で分かること
- 訳あり物件の種類と、江戸川区で訳あり物件が生まれやすい理由(旗竿地・細街路・区画整理・ゼロメートル地帯など)
- 再建築不可・違反建築・借地権と底地・共有持分・事故物件・ゴミ屋敷・相続未登記・区画整理区域のタイプ別の売り方
- 江戸川区の老朽住宅除却工事助成や細街路拡幅整備助成など、売却前に確認したい区の制度と相談窓口
- 仲介・買取・隣地や地主への売却の比較、仮定の数値による手取りの計算例、判断フロー
結論から言うと、訳あり物件は「売れない物件」ではなく「売り方を選ぶ物件」です。原因を役所と法務局で特定し、仲介・買取・隣地や地主への売却を並べて比べれば、多くのケースで現金化の道が見つかります。
目的別に読む記事
- 江戸川区の買取価格の目安と最短日数を知りたい → 【2026年】江戸川区の不動産買取ガイド|最短日数と仲介との手取り比較
- 古い家を解体してから売るか迷っている → 【2026年】江戸川区の解体工事|助成金・費用相場と売却前の注意点
- 相続した空き家の税金の特例を知りたい → 【2026年版】空き家売却の方法・費用・特例|3,000万円控除の要件と期限
- 住宅ローンが払えず困っている → 任意売却と競売の違いとは?競売のメリット・デメリットもご紹介!
- 墨田区にも訳あり物件をお持ちの方 → 【2026年】墨田区の訳あり物件買取ガイド|再建築不可・借地・共有の売り方
この記事の結論
- 訳あり物件とは、法律・権利・心理面・物理面の問題で、一般の買主が住宅ローンを使って買いにくい不動産のことです。
- 江戸川区では旗竿地の通路幅不足、幅4m未満の細街路、区画整理区域、旧借地法の借地・底地の相談が目立ちます。
- 江戸川区は2004年6月から一部地域で最低敷地面積70㎡の制限があり、狭い土地を分けて売る方法は使えないことがあります。
- 旧耐震の木造住宅なら、江戸川区の老朽住宅除却工事助成で解体費の2分の1(限度額50万円、特定地域・空き家は100万円)を使える場合があります。
- 仲介と買取の両方の価格を並べ、手取り・期間・売却後の責任で比べてから売り方を決めるのが失敗しないコツです。
訳あり物件とは?江戸川区で買取相談が多いタイプ
訳あり物件とは、建築基準法などの法律上の制限、複雑な権利関係、室内で起きた出来事、建物や室内の状態といった理由で、通常の市場では売りにくい不動産のことです。法律上の正式な用語ではなく、不動産業界で使われている呼び方です。
売りにくさの根本にあるのは、買主が住宅ローンを使いにくいという点です。金融機関は担保としての価値を重視するため、建替えができない土地や、違反のある建物、権利が複雑な物件には融資をしない、または条件を厳しくするのが一般的です。その結果、買主が現金で買える人に限られ、仲介では売却が長引きます。
江戸川区で相談の多いタイプを、問題の種類ごとに整理すると次のとおりです。
| タイプ | 問題の種類 | 江戸川区で多い背景 | 仲介での難しさ |
|---|---|---|---|
| 再建築不可・未接道(旗竿地を含む) | 法律上の制限 | 土地を分けて建てた旗竿地の通路幅不足 | 住宅ローンがほぼ使えない |
| 違反建築・検査済証なし | 法律上の制限 | 狭小3階建て・増築・車庫の居室化 | 融資の審査が通りにくい |
| 借地権・底地 | 権利関係 | 旧借地法時代から続く借地契約 | 地主・借地人の調整が必要 |
| 共有持分 | 権利関係 | 相続で兄弟・親族の共有になった実家 | 全員の同意がないと全体を売れない |
| 事故物件 | 心理面 | 高齢の単身世帯の増加 | 告知により敬遠されやすい |
| ゴミ屋敷・残置物 | 物理面 | 長く空き家になった実家 | 片付けの費用と時間がかかる |
| 相続未登記 | 権利関係 | 祖父母名義のまま残る土地 | 登記を直さないと売れない |
| 区画整理区域・計画道路予定地 | 都市計画上の制限 | 篠崎・上篠崎・南小岩の施行中地区など | 建築制限や清算金の説明が必要 |
1つの物件に複数の問題が重なることも珍しくありません。「祖父名義のままの借地上の古家で、通路の幅も足りず、家財も残っている」というように、相続・借地・接道・残置物が同時に絡むケースは、江戸川区でもよく見られます。こうした物件ほど、原因を一つずつ切り分けることが解決の近道になります。
江戸川区に訳あり物件が生まれやすい理由|旗竿地・細街路・区画整理・低地

江戸川区に訳あり物件が生まれやすいのは、高度成長期以降に農地や工場跡地が細かく分けられて宅地になった地域が多く、幅の狭い道や旗竿地が残っているためです。さらに、まちづくりの途中にある区画整理区域や、低地ならではの水害リスクも、売り方に影響します。墨田区のような戦前からの木造密集地とは、背景が少し異なります。
旗竿地・ミニ開発と最低敷地面積70㎡
旗竿地とは、道路に接する細長い通路部分(竿)の奥に、建物を建てる敷地(旗)がある形の土地のことです。江戸川区では、1つの土地を2〜4区画に分けて建売住宅を建てた結果できた旗竿地がよく見られます。通路の幅が2m未満だと、建築基準法の接道義務を満たさず、建替えができない場合があります。
また江戸川区では、2004年(平成16年)6月24日から、対象区域で建物を建てる敷地の最低面積を70㎡とする制限が設けられています(江戸川区「最低敷地面積の制限」、2026年10月時点)。指定日より前から70㎡未満だった敷地はそのまま建築できる特例がありますが、今の土地をさらに分けて売る方法は使えなくなることがあるため、狭い土地や広すぎる土地の売り方を考えるときの重要なポイントです。
幅4m未満の細街路と2項道路
江戸川区の公式サイトでは、区内には幅4m未満の細街路が多く、4m以上に広げる取り組みを進めていると説明されています。2項道路とは、幅4m未満でも建築基準法上の道路とみなされる道のことで、建替えの際は道路の中心から2m下がった位置まで敷地を後退させる「セットバック」が必要です。小岩・平井・松江・東小松川などの古くからの住宅地では、セットバック後の有効面積で価格が大きく変わります。
区画整理の施行中地区と都市計画道路
江戸川区で現在施行中の土地区画整理事業は、篠崎駅西部地区、上篠崎一丁目北部地区、南小岩七丁目地区の3地区です(江戸川区「土地区画整理事業一覧」、2026年10月時点)。区画整理の区域内では、建物の新築・増改築などに土地区画整理法第76条の許可が必要になり、将来の土地(仮換地)の位置や清算金の扱いを買主に説明しなければなりません。また、都市計画道路の予定地にかかる土地は、都市計画法第53条により建築に許可が必要です。
ゼロメートル地帯と浸水リスク
江戸川区によると、区面積の7割が満潮位以下のゼロメートル地帯です(江戸川区「江戸川区の地形」)。水害リスクは区内の多くの物件に共通するため、それだけで訳あり扱いになるわけではありません。ただし、床上浸水の履歴がある建物、半地下の車庫や1階に設備がある建物、長く空き家で湿気による傷みが進んだ建物は、買主が修繕費を見込んで慎重になります。
鹿骨・篠崎周辺に残る農地と生産緑地
区の東部には農地も残っています。江戸川区では令和7年1月現在で生産緑地地区が242地区・32.18ヘクタール指定されており(江戸川区「生産緑地地区」)、指定中は原則として建物を建てられません。相続をきっかけに生産緑地を売却する場合は、区への買取り申出などの手続きを経る必要があり、一般の土地とは段取りが異なります。
タイプ別|江戸川区の訳あり物件の売り方と買取のポイント
訳あり物件の売り方は、問題の種類によって最適解が変わります。ここではタイプごとに、江戸川区での実情と、仲介・買取それぞれの考え方を解説します。
1. 再建築不可・未接道の家(旗竿地の通路幅不足を含む)
再建築不可とは、今の建物を取り壊すと新しい建物を建てられない土地のことです。建築基準法第43条では、建物の敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接しなければならないと定めており(接道義務)、これを満たさない敷地が再建築不可になります。
ただし、接道を満たさない敷地でも建てられる道があります。江戸川区では、2018年の建築基準法改正で設けられた第43条第2項第1号の「認定」(基準に合えば建築審査会の同意が不要)と、第2項第2号の「許可」(事前相談のうえ個別審査)の2つの制度を運用しています(江戸川区「建築基準法第43条第2項に基づく認定・許可の取扱い」)。相談窓口は都市開発部建築指導課細街路係です。
旗竿地の場合、通路幅が1.8mなど、あと数十cm足りないだけで再建築不可になっているケースがあります。売り方の選択肢は次のとおりです。
- 隣地から通路部分を買う・借りる:通路を2m以上にできれば、一般の市場で売れる土地に変わり、価格が大きく上がる可能性があります。
- 隣地の所有者に売る:隣の土地と一体にすれば接道を満たせる場合、隣の人にとっては価値の高い土地です。
- 買取業者に売る:リフォームして賃貸や再販に回す前提で、現況のまま買い取ってもらいます。
再建築不可の家を仲介で売ると、買主は現金購入者や投資家にほぼ限られます。通路幅は数cmの違いで評価が変わるため、測量図や現地の実測で正確に把握することが第一歩です。
2. 違反建築・検査済証のない家
違反建築とは、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)や容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)の上限を超えている、または確認申請をせずに増築した建物のことです。工事完了時の検査で交付される「検査済証」がない建物も、適法であることを証明しにくいため、金融機関の審査で不利になります。
江戸川区の狭小地では、3階建ての屋上やバルコニーを後から部屋にした、1階の車庫を居室にしたといった例が見られます。売却時は、区役所で建築確認の記録(建築計画概要書など)を確認し、どこが基準を超えているかを把握します。是正工事で適法にできるなら仲介、是正が難しい場合は買取を軸に検討します。
3. 借地権・底地
借地権とは、地主から土地を借りて、その上に自分の建物を所有する権利のことです。底地とは、借地権が設定されている土地の所有権、つまり地主側の権利のことです。江戸川区でも、1992年7月31日以前に始まった旧借地法の契約が今も多く残っています。
借地権付きの建物を第三者に売るには、原則として地主の承諾が必要で、承諾の対価として「名義書換料(譲渡承諾料)」を支払うのが一般的です。地主が承諾しない場合は、借地借家法第19条により、裁判所に承諾に代わる許可を求める手続き(借地非訟)を申し立てることができます。
底地を売りたい地主側の悩みも少なくありません。底地は地代収入はあっても自由に使えないため、一般の買主にはほとんど需要がありません。相続税の評価では、国税庁の路線価図に記号(A=90%〜G=30%)で示される借地権割合を使って、土地の評価額を借地権と底地に分けます。ただし、実際の取引価格は評価額どおりにはならず、底地だけを第三者に売ると大きく下がるのが一般的です。
借地権・底地のいずれも、もっとも高く売りやすいのは、借地人と地主が協力して借地権と底地をまとめて売る方法です。完全な所有権として評価されるため、別々に売るより高くなりやすいのが実務上の特徴です。ほかに、借地人が底地を買い取る、地主が借地権を買い取る、土地を借地人と地主で分ける(等価交換)といった方法もあります。
4. 共有持分の家
共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有しているときの、各共有者の所有割合のことです。不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要ですが、自分の持分だけなら単独で売却できます。ただ、持分だけを買う一般の買主はほとんどいないため、持分の買取に対応する業者に売るのが現実的で、価格は全体を売った場合の持分相当額より大きく下がります。
共有者の一部が行方不明の場合は、2023年4月1日施行の改正民法で設けられた「所在等不明共有者の持分取得・譲渡」(民法第262条の2、第262条の3)により、裁判所の手続きを経て全体を売れる道が開かれました。話し合いがまとまらない場合は、共有物分割請求(民法第258条)という裁判手続きもあります。共有名義の不動産を売ったときの税金は共有名義の不動産を売却したときにかかる税金や確定申告方法とは?で解説しています。
5. 事故物件
事故物件とは、室内で自死や事件、発見が遅れた孤独死などがあり、買主が心理的な抵抗を感じる可能性がある物件のことです。国土交通省は2021年10月8日に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定し、売買では自然死や日常生活の中での不慮の死(転倒・誤嚥など)は原則として告げなくてもよいと整理しています。
一方、売買では賃貸のような「おおむね3年で告知不要」という目安はありません。告知が必要な事案を隠して売ると、契約解除や損害賠償の対象になるおそれがあります。近所に知られたくないという理由から、広告を出さずに売れる買取を選ぶ方が多いタイプです。
6. ゴミ屋敷・残置物の多い家
家財やゴミが大量に残った家は、片付けの費用と時間が売却の妨げになります。費用は量・分別の手間・搬出経路で大きく変わり、旗竿地の奥の家では通路が狭くトラックを横付けできず、手作業での搬出になって費用がかさむこともあります。江戸川区の粗大ごみ制度を使って少しずつ減らす方法は東京都江戸川区で粗大ごみを無料で処分する方法や、早く大量に捨てる方法をご紹介!で紹介しています。
買取であれば、残置物をそのままにした状態で売却できる場合があります。自分で片付けてから仲介で売るのと、残置物込みで買取に出すのとで、手取りと手間を比べて判断しましょう。
7. 相続未登記・管理の行き届かない空き家
相続登記とは、亡くなった方から相続人へ不動産の名義を変更する手続きのことです。2024年4月1日から相続登記は義務化され、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。義務化前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です(法務省「不動産を相続した方へ」)。江戸川区の不動産の登記は東京法務局江戸川出張所の管轄です。義務化の詳細は相続登記・住所変更登記義務化いつから?法改正のポイントやペナルティもをご覧ください。
また、2023年12月13日施行の改正空家等対策特別措置法により、放置すれば危険になるおそれのある「管理不全空家」も、区から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れるようになりました。空き家を売らずに活用する選択肢は江戸川区の空き家を有効活用する方法とは?不動産オーナーの視点で徹底解説!で紹介しています。
8. 区画整理区域・都市計画道路にかかる土地
区画整理の施行中地区にある土地は、売買そのものは制限されていませんが、江戸川区は「土地の利用状況、建物の移転、清算金の受け渡しなどで、後に当事者間で問題が起こることがある」と注意を呼びかけています(江戸川区「土地区画整理事業開始後は、何に注意すれば良いですか?」)。清算金とは、区画整理の前後で土地の価値に差が出た場合に、事業の最後に徴収または交付されるお金のことです。
売却する際は、区で仮換地指定証明書を取得して、将来の土地の位置と面積を確認し、清算金を売主・買主のどちらが受け取る(負担する)かを契約書で明確にしておくことが大切です。また、分筆や合筆には施行者への事前相談が必要です。都市計画道路の予定地の場合は、都市計画法第53条の許可を受ければ、階数2以下で地階がないなど一定の条件の建物は建てられることが多いため、どこまで建てられるかを区で確認してから価格を判断します。
江戸川区で売却前に確認したい助成制度と相談窓口
江戸川区には、訳あり物件の売却前に使える可能性のある助成制度と、内容ごとの相談窓口があります。とくに旧耐震の木造空き家や細街路に面した家は、助成を使うかどうかで手取りと売却時期が変わるため、売り方を決める前に確認しましょう。各制度の一覧は【2026年度】江戸川区の住宅助成金一覧|建て替え・ブロック塀・耐震・アスベストでも紹介しています。
| 制度・窓口 | 内容 | 注意点(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| 老朽住宅除却工事助成 | 旧耐震(1981年5月31日以前)の木造住宅の取壊し費用の2分の1。限度額50万円(特定地域・空き家は100万円) | 個人所有が対象。令和8年度の申請期限は2026年12月25日。助成決定前の契約・着工は対象外 |
| 細街路拡幅整備助成 | 区の基準で道路の拡幅整備をする場合、ブロック塀・ネットフェンスの撤去、水道管の移設、樹木の移植の費用を助成 | 交付決定前の施工は対象外。金額は区の助成金一覧表で確認 |
| 建築指導課細街路係 | 接道していない敷地の43条認定・許可の事前相談 | 許可は個別審査で、必ず建てられるとは限らない |
| 建築指導課監察係 | 老朽化した空き家の倒壊などの相談 | 価格の相談は不動産会社へ |
| 福祉推進課住宅係 | 空き家の利活用(空き家と活用希望者のマッチング事業) | 売却ではなく活用の相談窓口 |
出典は江戸川区「老朽住宅除却工事助成事業」、江戸川区「拡幅整備助成金」、江戸川区「江戸川区の空き家の取組み」です。除却助成を使って更地にすると、翌年から住宅用地の固定資産税の軽減がなくなる点にも注意が必要です。解体費の相場や手順は江戸川区の解体工事|助成金・費用相場と売却前の注意点で詳しく解説しています。
相続した空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売る場合は、国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円)を控除できます(2027年12月31日までの売却が対象、2026年10月時点)。1981年5月31日以前に建築された家であること、売却代金が1億円以下であることなど要件が細かいため、売却前に税理士へ確認しましょう。不動産会社への買取でも、要件を満たせば特例は使えます。
訳あり物件の売り方を比較|仲介・買取・隣地や地主への売却

訳あり物件の売り方は、大きく「仲介」「買取」「隣地や地主など関係者への売却」の3つです。価格だけを見ると仲介や関係者への売却が有利になりやすい一方、期間・手間・売却後の責任まで含めると、買取の方が満足度の高いケースもあります。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 | 隣地・地主への売却 |
|---|---|---|---|
| 価格 | 買主が見つかれば高くなる可能性 | 相場より低くなりやすい | 相手にとって価値が高ければ高値も |
| 売却までの期間 | 長期化しやすい | 条件が合えば数週間程度 | 相手の意向と交渉次第 |
| 片付け・測量 | 売主が準備するのが一般的 | 現況のままで可の場合が多い | 境界確定の測量が必要になりやすい |
| 契約不適合責任 | 負うのが一般的 | 免責にできることが多い | 契約内容次第 |
| 仲介手数料 | 必要 | 直接買取なら不要 | 不動産会社が間に入れば必要 |
| 近所への知られやすさ | 広告で知られやすい | 知られにくい | 相手方のみ |
契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約内容と違っていた場合に売主が負う責任のことです。訳あり物件は雨漏りやシロアリなど見えない不具合を抱えていることが多いため、売却後の責任を免除できるかどうかは大きなポイントです。詳しくは契約不適合責任とは?その注意点についてもご紹介します!をご覧ください。
仮定の数値で見る手取りの比較
イメージをつかむため、江戸川区の旗竿地(通路幅1.8mで再建築不可・相続した空き家・家財あり)を例に、仮定の数値で比べてみます(実際の取引事例ではありません)。
| 項目 | 仲介(片付け・測量後に売却) | 買取(現況のまま) |
|---|---|---|
| 売却価格(仮定) | 1,800万円 | 1,300万円 |
| 残置物の片付け費用(仮定) | 40万円 | 0円 |
| 境界確定の測量費用(仮定) | 45万円 | 0円 |
| 仲介手数料(上限) | 66万円 | 0円(直接買取の場合) |
| 手取り(概算) | 約1,649万円 | 約1,300万円 |
| 売却までの期間 | 半年〜1年以上かかることも | 数週間〜1か月程度 |
仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税10%を加えた額で、1,800万円なら66万円です。この例では手取りに約349万円の差がありますが、仲介では売れるまでの固定資産税や草木の管理、値下げの可能性、売却後の不具合への責任が残ります。印紙税や譲渡所得税はどちらの売り方でも同じ考え方でかかるため、表には含めていません。
なお、隣地から通路部分を数十cm分買い取って通路幅を2m以上にできれば、再建築可能な土地として仲介で売れる可能性があります。その場合は土地の購入費・測量費・登記費用と、価格の上がり幅を比べて判断します。江戸川区の買取価格の決まり方は江戸川区の不動産買取ガイド、土地の相場は【2026年】江戸川区の土地相場・坪単価|地価推移と駅別の土地価格で確認できます。
判断フロー|訳あり物件はどの売り方を選ぶべき?

訳あり物件の売り方は、「問題を解消できるか」「関係者に需要があるか」「時間と手間をかけられるか」の3点で判断するのが基本です。次の順番で考えると迷いにくくなります。
- 原因を特定する:接道、建築確認の記録、借地契約、共有者、登記名義、区画整理や計画道路の有無を調べ、何が売りにくさの原因かを明らかにします。
- 問題を解消できるか検討する:43条の認定・許可、是正工事、地主の承諾、相続登記などで解消できれば、仲介で相場に近い価格を狙えます。
- 隣地・地主に需要があるか確認する:旗竿地なら隣地の所有者、借地なら地主、底地なら借地人が、もっとも高く評価してくれる相手になることがあります。
- 売却までの期限を決める:半年以上待てるなら仲介、相続税の納付(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)や住み替えなど期限があるなら買取が有力です。
- 仲介と買取の両方の価格を比べる:同じ会社に両方の価格を出してもらい、手取り・期間・手間・売却後の責任で比べて最終判断します。
プロのアドバイス:「再建築不可と言われたから買取しかない」と最初から決めつけるのは早計です。江戸川区では、役所で調べると実は2項道路に面していた、隣地の方も通路の狭さに困っていて土地の交換がまとまった、というケースもあります。反対に、問題を解消しようと何年もかけるうちに建物が傷み、かえって価格が下がることもあるため、早い段階で両方の選択肢を比べることが大切です。
住宅ローンの返済が難しくなっていて、売却額がローン残高を下回る場合は、金融機関の同意を得て売る任意売却を検討します。期限と流れは任意売却はいつまでが期間内?流れと注意点についても紹介します!で解説しています。
訳あり物件の買取業者を選ぶ5つのチェックポイント
訳あり物件の買取業者は、提示額の高さより「問題の中身を理解し、根拠を説明できるか」で選ぶのが失敗しないコツです。次の5点を確認しましょう。
- 宅地建物取引業の免許があるか:免許番号は国土交通省の業者検索などで確認できます。
- 現地と役所を実際に調べてくれるか:通路幅や道路の種類は、現地の実測と区役所の資料を照らし合わせないと正確に判断できません。区画整理区域なら仮換地の位置まで確認が必要です。
- 提示額が確定額かどうか:最初に高い金額を出し、現地調査の後に大きく減額する例があります。減額の条件を契約前に確認しましょう。
- 契約不適合責任の免責が契約書に明記されているか:口頭の説明だけでなく、条文で確認します。
- 買取以外の選択肢も説明してくれるか:仲介や隣地・地主への売却の可能性も含めて提案してくれる会社なら、比べたうえで判断できます。
なお、宅地建物取引業法のクーリング・オフは、個人が業者から買う場合の制度で、売主として業者に売る場合は対象外です。「今日決めてくれればこの価格」と即決を迫られても、他の選択肢と比べてから契約しましょう。
セルフリジェネレーションに訳あり物件を相談した場合の進め方

当社に訳あり物件をご相談いただいた場合は、役所・法務局での調査と現地確認を当社で行い、仲介と買取の両方の価格をご提示したうえで、売り方を一緒に決めていきます。一般的な進め方は次のとおりです。
- 電話・LINE・来店でご相談:物件の所在地と、困っている事情(旗竿地・借地・共有・相続など)をお聞きします。書類がそろっていなくても構いません。
- 役所・法務局での調査:登記事項証明書、公図、道路の種類、建築確認の記録、区画整理や都市計画の情報を当社で調べ、売りにくさの原因を特定します。
- 現地調査:瑞江店(江戸川区谷河内)から現地へ伺い、通路幅・境界・建物の状態・残置物の量を確認します。
- 仲介価格と買取価格のご提示:それぞれの手取りと期間を並べてご説明します。隣地や地主への売却が有利そうな場合は、その進め方もご提案します。
- 専門家との連携:相続登記・共有・借地の整理が必要な場合は、司法書士や顧問弁護士・税理士と連携して進めます。
- 契約・決済:当社が直接買い取る場合は、現況のまま・契約不適合責任のご負担がない形での買取にも対応します。
買取の流れと期間の目安は不動産買取にはどれくらいの期間がかかるの?流れも含めて解説します!でも紹介しています。相続した不動産全般の進め方は相続した不動産、どうやって売却する?東京都江戸川区・墨田区の不動産会社が説明します!をご覧ください。
江戸川区で訳あり物件の買取を相談するならセルフリジェネレーション|瑞江店Googleクチコミ★4.9
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、墨田区・江戸川区に特化して不動産の売却・購入・買取を行う地域密着の不動産会社です。当社ホームページに掲載しているGoogleクチコミの評価は、本店★4.8・瑞江店★4.9(2026年10月時点)です。
口コミで評価されているポイント
いただいている口コミでは、親身な相談対応や、価格設定・進捗のこまめな報告を評価していただいています。訳あり物件は、問題の整理に時間がかかり、ご家族や地主さん・隣地の方との調整も絡むため、話をじっくり伺い、途中経過を丁寧に共有することがとくに大切だと考えています。
「とても親身になって相談に乗っていただきました」(Googleクチコミより一部抜粋)
「価格の設定や進捗状況の報告等細やかにしていただき安心できました」(Googleクチコミより一部抜粋)
訳あり物件でセルフリジェネレーションが選ばれる理由
- 区内に店舗がある:瑞江店から瑞江・篠崎・一之江・船堀・葛西・小岩・平井など区内各地へ伺い、旗竿地の通路幅や細街路の状況を現地で確認して査定します。
- 当社が直接買い取れる:家財が残ったままでもご相談いただけ、契約不適合責任のご負担がない形での買取に対応しています。
- 売却も買取も対応:仲介価格と買取価格を並べてご提示し、手取りと期間のバランスで最適な売り方をご提案します。
- 業界経験10年以上のスタッフのみ在籍:再建築不可・借地・底地・共有・相続など、複数の問題が重なった物件にも対応しています。
- 専門家による無料相談:顧問弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーへの無料相談が可能です。
- LINE・オンライン相談:遠方にお住まいの相続人の方も、まずはLINEでご相談いただけます。
買取について詳しくは不動産買取のページ、仲介での売却は不動産売却のページをご覧ください。まずは状況を整理したい方は無料相談、価格だけ知りたい方は無料査定からどうぞ。
よくある質問
江戸川区の旗竿地で再建築不可と言われた家でも買い取ってもらえますか?
再建築不可の旗竿地でも、買取の対象になることは多くあります。買取業者はリフォームして賃貸や再販に回す方法や、隣地との交渉を前提に価格を検討できるためです。通路幅があと少し足りないだけなら、隣地から通路部分を買って再建築可能にする方法もあるので、買取と並べて比較しましょう。
訳あり物件の買取価格は相場の何割くらいですか?
訳あり物件の買取価格は、問題の種類と程度によって大きく異なり、一律の割合はありません。問題のない物件でも買取は仲介価格の7〜8割前後が目安とされ、訳あり物件は問題を解消する費用やリスクの分だけさらに低くなるのが一般的です。正確な金額は現地調査と役所調査を踏まえた査定で確認してください。
江戸川区で底地や借地権だけを売ることはできますか?
底地や借地権だけでも売ることはできますが、一般の買主はほとんどいないため、価格は大きく下がるのが一般的です。もっとも高く売りやすいのは、地主と借地人が協力して底地と借地権をまとめて売る方法です。借地権を第三者に売る場合は、原則として地主の承諾と名義書換料が必要になります。
区画整理の区域内にある土地は売却できますか?
区画整理の区域内にある土地も売却できます。江戸川区によると売買に制限はありませんが、仮換地の位置や清算金の扱いで後からトラブルになることがあるため、仮換地指定証明書で将来の土地を確認し、清算金をどちらが受け取るかを契約書で決めておきましょう。建物の新築などには土地区画整理法第76条の許可が必要です。
家財が残ったままのゴミ屋敷でも売れますか?
家財が残ったままでも、買取であれば現況のまま売却できる場合があります。自分で片付けてから仲介で売るより価格は下がることがありますが、片付け費用と手間がかからない分、手取りの差は小さくなることもあります。両方の手取りを比べて判断しましょう。
相続登記をしていない実家でも売却の相談はできますか?
相続登記をしていない実家でも、売却の相談は可能です。ただし、決済までに相続人への名義変更が必要なため、司法書士と連携して登記と売却の準備を並行して進めます。相続登記は2024年4月から義務化されており、それ以前の相続分も2027年3月31日が期限です。
まとめ
江戸川区の訳あり物件は、土地を細かく分けて生まれた旗竿地、幅の狭い細街路、旧借地法の借地・底地、区画整理区域、相続による共有など、区の成り立ちに根ざした事情から生まれていることが多く、原因を正しく調べれば売り方は見つかります。
- 訳あり物件の売りにくさの多くは「住宅ローンが使いにくいこと」が原因です。
- 再建築不可・違反建築・借地権と底地・共有持分・事故物件・ゴミ屋敷・相続未登記・区画整理区域で、最適な売り方は異なります。
- 江戸川区の最低敷地面積70㎡の制限、43条の認定・許可、老朽住宅除却工事助成、細街路拡幅整備助成を売却前に確認しましょう。
- 仲介・買取・隣地や地主への売却を、手取り・期間・手間・売却後の責任で比べてから決めることが大切です。
「こんな物件でも相談していいのだろうか」と迷っている段階こそ、早めのご相談をおすすめします。区の制度や地元の道路事情を踏まえて、売り方の選択肢を一緒に整理します。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年10月5日
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