「墨田区で土地を買って家を建てたいけれど、『新たな防火規制』で建築費が高くなると聞いた」「京島や八広の実家を建て替えたいが、木造で建てられるのか分からない」。墨田区北部で土地探しや建て替えを考えている方から、こうしたご相談をいただきます。墨田区では2003年10月1日から、区北部の墨田・東向島・京島・八広・立花の全域と、文花・押上・向島の一部が東京都の「新たな防火規制」の区域に指定されています。
この記事では、墨田区・東京都・国土交通省などの公表資料(2026年11月5日確認)をもとに、規制の中身と建築費への影響、使える助成、土地を買う前の確認方法を、地元の不動産会社の目線で整理しました。
この記事で分かること
- 墨田区の新たな防火規制の区域と、区域の内と外で求められる建物の違い
- 建築費が上がりやすい家(2階建て・平屋)と、ほとんど変わらない家(3階建て)
- 建ぺい率の10%加算・火災保険・区の建替え助成など、負担を軽くする方法
- 土地を買う前・建て替える前の確認6ステップと、売却価格への影響
結論を先にお伝えすると、区域内でも木造の準耐火建築物なら家を建てられ、建築費の差が出やすいのは主に2階建てや平屋です。土地の契約前に「準耐火建築物で建てた場合の見積り」と「使える助成」を確かめておけば、予算オーバーを防げます。
この記事の結論
- 墨田区北部の墨田・東向島・京島・八広・立花の全域と、文花・押上・向島の一部は2003年10月から新たな防火規制の区域で、新築や建替えは原則として準耐火建築物以上が必要です。
- 通常の準防火地域でも3階建ては準耐火建築物等が必要なため、規制で建築費が増えやすいのは主に2階建て・平屋(延べ500㎡以下)です。
- 増加額は国・都・区とも目安を公表しておらず、建物の大きさや仕様で変わります。土地の契約前に準耐火での見積りを取るのが確実です。
- 準防火地域では、準耐火建築物にすると建ぺい率が10%加算され(防火地域で加算されるのは耐火建築物等だけです)、京島・鐘ヶ淵周辺の不燃化特区では木造準耐火への建替えに100万円の助成があります。
- 区域は「すみだまちづくりマップ」で確認できます。区の建替え助成は着工前の申請が必要なので、土地の契約や解体の前に区へ相談しましょう。
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墨田区の「新たな防火規制」とは|区域・開始日・規制の中身
新たな防火規制とは、東京都建築安全条例第7条の3にもとづき、知事が指定した災害時の危険性が高い区域の準防火地域で、建物を原則として準耐火建築物以上にするよう求める東京都独自の規制のことです。燃えにくい建物への建替えを進め、木造密集地域が再び生まれるのを防ぐ目的で2003年に設けられました(東京都都市整備局「新たな防火規制について」)。
墨田区では2003年8月20日に告示、10月1日に施行されました。区は区域を「区北部地域(東墨田、押上一丁目を除く)」と案内していますが(墨田区「新たな防火規制とは」、2021年8月13日更新)、都の指定区域図で指定されているのは墨田一〜五丁目、東向島一〜六丁目、京島一〜三丁目、八広一〜六丁目、立花一〜六丁目、文花二・三丁目、押上二・三丁目、向島四・五丁目です(東京都「新たな防火規制の指定区域図(墨田区)」)。吾妻橋・向島一〜三丁目・堤通・文花一丁目は入っていません(境界の一部は市街化調整区域との境で、町丁目の境と一致しません)。土地ごとの区域は「すみだまちづくりマップ」で確認してください。

区域の内と外で求められる建物の違い
区域内の準防火地域では、延べ500㎡以下・3階建てまでの建物も準耐火建築物等に、延べ500㎡超または地上4階以上は耐火建築物等にする必要があります。通常の準防火地域との違いは次のとおりです。
| 建物の規模 | 通常の準防火地域 | 新たな防火規制の区域 | 違い |
|---|---|---|---|
| 平屋・2階建て(延べ500㎡以下) | 延焼のおそれのある部分の外壁・軒裏を防火構造にし、その部分の窓などに防火設備(木造の場合) | 準耐火建築物等 | 厳しくなる |
| 3階建て(延べ500㎡以下) | 準耐火建築物等 | 準耐火建築物等 | ほぼ同じ |
| 延べ500㎡超1,500㎡以下(3階建てまで) | 準耐火建築物等 | 耐火建築物等 | 厳しくなる |
| 地上4階以上、または延べ1,500㎡超 | 耐火建築物等 | 耐火建築物等 | 同じ |
※出典:東京都都市整備局のパンフレット(2017年4月)、建築基準法施行令136条の2(e-Gov法令検索)をもとに当社作成。「等」は同等以上の延焼防止性能をもつ建物を含みます(江東区「新たな防火規制」、2026年6月3日更新)。
区域内でも防火地域の場所は、防火地域のルール(延べ100㎡超または3階以上は耐火建築物等)が適用されます。たとえば2026年3月25日に都市計画決定された東武曳舟駅前地区(東向島二丁目の一部、約1.7ha)では、地区内の防火地域・準防火地域がすべて防火地域になりました(墨田区「東武曳舟駅前地区に関する都市計画」、2026年8月14日更新)。なお、区域外の文花一丁目・向島三丁目にある2026年地価公示の標準地(文花1-22-1・向島3-14-6)も防火地域です。
準耐火建築物・防火構造とは
準耐火建築物とは、壁・柱・床・はり・屋根・階段などの主要構造部を、通常の火災で一定の時間(主に45分、屋根と階段は30分)燃え抜けたり壊れたりしない構造などにし、延焼のおそれのある部分の窓などに防火設備を付けた建物のことです。防火構造とは、建物の周りで起きた火災に対して、外壁や軒裏が30分間、燃え広がりを防ぐ構造のことです(建築基準法施行令107条の2・108条)。
延焼のおそれのある部分とは、原則として隣地境界線や道路の中心線から1階は3m以下、2階以上は5m以下の部分のことです(建築基準法2条6号)。区北部の狭い敷地では外周の多くがこの範囲に入り、窓や玄関の多くに防火設備が必要です。
省令準耐火構造は「準耐火建築物」とは別の基準
住宅会社の資料でよく見る省令準耐火構造とは、建築基準法の準耐火構造に準ずる防火性能をもつ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅のことです(住宅金融支援機構「省令準耐火構造の住宅とは」、2026年4月1日更新)。規制が求めるのは建築基準法の準耐火建築物等なので、「省令準耐火の仕様」というだけでは条件を満たしません。見積りでは、建築基準法の準耐火建築物として建てる仕様かを確認しましょう。
なぜ区北部が区域なのか|不燃領域率
区北部には木造住宅が密集し、燃え広がりやすい地域が多いためです。不燃領域率とは市街地の燃えにくさの指標で、70%を超えると延焼による焼失率はほぼ0になるとされます(東京都都市整備局)。木造住宅が密集する京島周辺地区は2024年で64.4%(参考値)にとどまり、区は2030年度に70%を目指しています(墨田区「不燃化推進特定整備地区 整備プログラム 京島周辺地区」、2026年3月)。
建築費はどれくらい上がる?2階建てと3階建てで違う理由
新たな防火規制で建築費が上がりやすいのは、2階建てや平屋を建てる場合です。3階建ては区域の外の準防火地域でも準耐火建築物等にする必要があるため、規制による差はほとんどありません。

準耐火にすると費用がかかる部分
木造2階建てを防火構造から準耐火建築物に変えると、主に次の部分の仕様が変わります。大田区の資料の「木造準耐火建築物の例」では、柱・はり・床・耐力壁・間仕切壁に45分、屋根と階段に30分の性能が求められています(大田区の資料、2021年10月発行)。
- 外壁・軒裏:防火構造(30分)から準耐火構造(主に45分)に強化する
- 柱・はり・床・間仕切壁:せっこうボードなどの防火被覆で覆う
- 屋根・階段:30分の性能が必要になる
- 配管・換気口など:防火被覆を貫通する部分のすき間をふさぐ
延焼のおそれのある部分の窓や玄関の防火設備は区域外の準防火地域でも必要です。ただし準耐火建築物では、室内外どちらの火にも20分間炎を通さない性能(建築基準法施行令109条の2)が求められます。区域外の木造2階建て(外からの火を20分間室内側に通さなければよい)と同じ製品で済むとは限りません。規制による増加分は主に「骨組みと防火被覆」ですが、窓・玄関の仕様と価格も見積りで比べましょう。
増加額の目安は公表されていない
国・東京都・墨田区は、準耐火建築物にした場合の建築費の増加額の目安を公表していません(2026年11月5日時点、当社調べ)。練馬区の説明資料も、建築コストが増える場合があるとするにとどまり、金額は示していません(練馬区の新たな防火規制の説明パネル、2022年1月)。
参考に、住宅金融支援機構の「2025年度 フラット35利用者調査」(2026年7月24日公表)では、首都圏でフラット35を使い土地付きの注文住宅を建てた人の建設費は平均3,814.3万円(住宅面積の平均109.4㎡)、土地取得費は平均2,590.0万円でした(住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」)。仮に準耐火にするための追加費用を建設費の3%・5%・10%とすると、次のようになります。
| 追加費用の割合(仮定) | 追加費用 | 借入れに上乗せした場合の毎月の返済の増加 |
|---|---|---|
| 3% | 約114万円 | 約5,000円 |
| 5% | 約191万円 | 約8,300円 |
| 10% | 約381万円 | 約1万6,500円 |
※割合は説明のための仮定で、実際の増加額は建物の形・大きさ・仕様・建築会社で変わります。返済額は、フラット35の2026年10月の最多金利(年3.83%、住宅金融支援機構)、35年返済、元利均等返済、金利は全期間同じと仮定した当社の試算です。
実際の差額は、同じプランで「準耐火建築物」と「防火構造(区域外の場合)」の見積りを比べると分かります。2025年4月から新築は原則として省エネ基準への適合が義務になるなど(国土交通省)、規制以外の理由でも建築費は上がるため、内訳も確認しましょう。
準耐火にすると得られる3つのメリット|建ぺい率・火災保険・燃えにくさ
準耐火建築物は建築費が増えやすい一方で、建ぺい率の加算(準防火地域の場合)で家を広く建てられる、火災保険料が下がりやすい、火事に強くなるという3つのメリットがあります。
1. 建ぺい率が10%加算される
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合のことです。建築基準法53条3項により、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等は建ぺい率が10%加算されます(2019年6月25日施行)。角地の指定を受ければ、さらに10%加算されます。
墨田区は、区域内の準防火地域にある準工業地域の建ぺい率を60%から80%に緩和しており(2003年11月6日から)、準耐火建築物等なら建築基準法上90%、区が指定する角地ならさらに10%加わって100%まで認められます。実際に建てられる大きさは、容積率や道路斜線などの制限でも変わります。
たとえば準防火地域にある敷地60㎡で指定建ぺい率60%の場合、準耐火建築物なら建築面積は36㎡から42㎡に増え、2階建てなら延べ面積を72㎡から84㎡へ約12㎡(約7畳)広くできます(容積率などの範囲内の場合の計算例)。
2. 火災保険料が安くなりやすい
練馬区の説明資料では、防火構造より準耐火建築物のほうが火災保険料が安くなり、保険の対象額2,000万円などの想定で年間1万円程度安くなるという試算を示しています(練馬区、2022年1月)。保険料は保険会社や契約条件で変わります。
3. 自宅も近所も火事に強くなる
準耐火建築物は燃え抜けにくく倒れにくいため、木造住宅が密集した地域でのもらい火の被害を減らし、避難の時間を確保しやすくなります。
墨田区の建替え助成と都の支援|準耐火・耐火で使える制度
墨田区北部では、燃えにくい建物への建替えや古い建物の解体に区の助成があり、2026年度に金額が拡充されました。ただし多くは「不燃建築物」が対象で、木造準耐火への建替えが対象になるのは不燃化特区の100万円です。

| 制度 | 対象区域 | 主な助成(2026年度) | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 不燃化特区助成 | 京島周辺地区・鐘ヶ淵周辺地区 | 不燃建築物へ建替え:基本230万円+設計100万円(加算あり)/木造準耐火建築物等へ建替え:100万円(道路の後退・隅切りの加算あり)/除却:上限200万円 | 老朽建築物を除却した所有者が建て替える場合(不燃建築物は5年以内)など。建築確認申請後・着工前に申請。宅建業者の販売目的は対象外。2031年3月31日まで |
| 整備地域等不燃化集中促進助成(2026年度新設) | 向島五丁目、東向島一・四・六丁目と五丁目1〜37番、押上三丁目、八広一・五丁目と二丁目1〜52番・三丁目1〜35番・四丁目1〜47番、立花二丁目 | 不燃建築物へ建替え:基本230万円+設計100万円/木造建築物等(2003年9月30日以前に着工した木造、1981年5月31日以前に着工した鉄骨系)の除却:上限150万円 | 木造建築物等を除却した所有者等が5年以内に建て替える場合など。工事の着手前に申請。宅建業者の販売目的は対象外 |
| 不燃化促進助成 | 区北部の幹線道路沿道、小学校などの周辺、主要生活道路沿道など | 不燃建築物の建築:基本460万円(主要生活道路沿道は330万円)/除却加算:100〜200万円 | 区が定めた区域で不燃建築物(耐火か条件つきの鉄骨系準耐火)を建築。建築確認申請の後・着工前に申請。区域によっては2027年3月31日で受付終了 |
| 加算(不燃建築物への建替えのみ) | 不燃化特区・集中促進の区域 | 高齢者(60歳以上)世帯(同居を含む)・子育て世帯(中学生以下と同居)各50万円、特定路線沿道の耐火建築物100万円など | 対象確認申請の時点で要件を満たすこと。特区で木造準耐火に建て替える場合に使える加算は、主要生活道路の後退加算(60〜100万円)と角地隅切り加算(60万円)だけ |
| 東京都 個人住宅利子補給助成(2026年度) | 整備地域・重点整備地域・東京都木造住宅密集地域整備事業地区 | 都が紹介する金融機関の住宅ローンで、当初10年間、利用者負担利率が1%下がる(金利が1%未満ならその分)。融資は建替え費用の90%・4,590万円などが上限(募集5戸。戸数か予算額に達したら締切。受付2026年5月18日〜2027年2月26日) | 耐火・準耐火構造の自己用住宅への建替え。都税・区市町村税の滞納がないこと。対象地区かは都に確認 |
| 東京都 固定資産税・都市計画税の減免 | 不燃化特区内 | 新築の耐火建築物等・準耐火建築物等を、新たに課税される年度から5年度分全額減免 | 取り壊した家屋と同じ所有者、検査済証、2031年3月31日までの新築。新築の翌々年2月末までに都税事務所へ申請 |
※出典:墨田区「不燃化特区」(2026年6月12日更新)、墨田区「助成制度を拡充・新設しました」、墨田区「整備地域等不燃化集中促進事業」(2026年10月9日更新)、墨田区「A 不燃建築物建築促進助成事業」(2026年6月12日更新)、東京都 報道発表(2026年5月13日)、東京都住宅政策本部「令和8年度東京都個人住宅利子補給助成の募集」、東京都主税局「不燃化特区内で建て替えた住宅の減免」(いずれも2026年11月5日確認)。
「不燃建築物」と「木造準耐火」で基本の助成額が230万円違う
区の不燃化特区のページでは、不燃建築物を「耐火構造または鉄骨系準耐火構造」(鉄骨系は屋根・外壁を耐火構造にするなどの条件つき)で、延べ40㎡以上・2階建て以上などの建物としています。同じ準耐火建築物でも、木造は100万円、条件を満たす鉄骨系は基本230万円+設計100万円と、基本の助成額に230万円の差があります。不燃建築物への建替えには、1〜3階の床面積に応じた建築工事費加算もあります(木造準耐火にはありません)。そのため、実際の差はさらに広がるのがふつうです。
構造で建築費も変わるため、両方の見積りから助成額を差し引いて比べましょう。制度の詳細は「墨田区の不燃化特区|京島・鐘ヶ淵の助成金と税の減免・売却の判断」で解説しています。
申請は着工前|古家付きの土地を買う場合の注意
不燃化特区の建替えの助成は、建築確認申請のあと新築工事の着工前に申請する必要があり、着工後は受け付けられません。取壊し(除却)の助成も着工前の申請が必要です(墨田区「不燃化特区」)。
建替えの助成の対象は、不燃建築物への建替えが「老朽建築物を除却した所有者が5年以内に不燃建築物に建て替える場合」、木造準耐火建築物等への建替えが「老朽建築物を除却した所有者が木造準耐火建物等へ建替える場合」とされ、宅地建物取引業者が販売目的で建てる建物は対象外です。売主が先に解体して更地で引き渡すと、買主が建替えの助成を使えない可能性があるため、古家付きの土地を買うなら契約前に区の不燃・耐震促進課(03-5608-6268)へ相談しましょう。解体の費用と除却助成は「墨田区の解体工事の費用と助成金|除却助成の比較と売却前の判断」で比べています。
土地を買う前・建て替える前に確認する6つのステップ
土地の契約や解体の前に「区域・建てられる大きさ・見積り・助成」の順に確かめることが、失敗しないコツです。

- 区域を調べる:墨田区「新たな防火規制とは」のページから「すみだまちづくりマップ」を開き、区域と防火地域・準防火地域の別を確認します。
- 用途地域と道路を確認する:前面道路が建築基準法上の道路で、敷地がその道路に2m以上接しているかを確かめます(幅4m未満の道は、区が指定した42条2項の道路なら、道路の中心線から2mの線まで下がれば建てられます。建築基準法上の道路でない通路にしか接していない土地は、原則として建て替えできません)。あわせて建ぺい率・容積率、地区計画の有無も確かめます。
- 階数と広さを決める:2階建てか3階建てか、延べ面積の目安を決めます。
- 準耐火で見積りを取る:建築会社に「建築基準法の準耐火建築物で」と伝え、概算の見積りと工期を出してもらいます。
- 助成を事前相談する:助成の対象区域か、解体と建替えを誰がいつ行うかを区に相談します。
- 総額で予算を判断する:土地代+建築費+解体費+諸費用−助成で、無理なく返せるかを確かめます。
戸建てを買うときの確認点は「墨田区の戸建て購入|新築・中古の価格と買う前の確認点」、予算と年収の目安は「墨田区の新築戸建てに必要な年収|価格・駅別の目安と返済計画」で解説しています。
契約前の重要事項説明書の「法令に基づく制限」の欄で、新たな防火規制や防火地域・準防火地域の記載も確認しましょう。子育て世帯などは「すみだ住宅取得利子補助制度」の条件もあわせて確認しておくと安心です。
今の家の建替え・リフォーム・増築はどうなる?
建替え(新築)には新たな防火規制が適用されますが、施行日(墨田区は2003年10月1日)より前からある家(既存不適格の建物)は、そのまま住み続けられます。こうした家では、大規模な修繕・模様替や用途変更をしても規制はさかのぼって適用されません。増築・改築も一定の範囲内なら、建物全体を準耐火にする必要はありません。2003年10月以降に区域内の準防火地域で建てた家を増築する場合は、増築部分も準耐火建築物等の基準に合わせる必要があります。
| 工事の種類 | 新たな防火規制の扱い |
|---|---|
| 建替え(新築) | 準耐火建築物等以上(延べ500㎡超は耐火建築物等)にする |
| 施行前からある家の小さな増築・改築 | 増築・改築部分が合計50㎡以下、増築後も2階建て以下、増築部分の外壁・軒裏が防火構造なら、建物全体を準耐火にしなくてよい(木造は今の建物の外壁・軒裏が防火構造の場合に限る) |
| それ以外の増築・改築 | 規制が適用される |
| 施行前からある家の大規模な修繕・模様替、用途変更 | 規制はさかのぼって適用されない |
※50㎡は階段室・機械室などを除いた対象床面積で判定します。増築・改築部分を火熱遮断壁等で区切り、その部分を今の基準に合わせれば、既存部分はそのままでよい方法もあります。
※出典:東京都建築安全条例第8条の21・第8条の22、東京都告示「東京都建築安全条例における既存の建築物に対する制限の緩和範囲等」(令和7年東京都告示第362号、同年告示第1001号で改正)第5条・第24条第3項、東京都「既存建築物の緩和措置に関する解説集(第2版)」(2025年11月)。2025年3月までは第7条の3第3項・第4項に定められていました。具体的な計画は区の建築指導課(指導担当 03-5608-6267)や建築士に確認してください。
注意したいのは、2025年4月の建築基準法の改正です。木造2階建ての住宅などは「新2号建築物」となり、主要構造部の一種以上の過半を直すような大規模な修繕・模様替にも建築確認が必要になりました(国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」、2025年2月21日時点)。規制がかからないリフォームでも、手続きの費用や期間を見込んでおきましょう。
墨田区・江戸川区の物件探しはお任せください
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新たな防火規制は売却や土地の価格に影響する?
新たな防火規制の区域だからといって、土地の価格が一律に下がるわけではありません。2026年の地価公示では、区北部の準工業地域・準防火地域にある4地点が、いずれも前年より8〜14%上がっています。
| 標準地(住居表示) | 最寄駅・距離 | 用途地域・防火の指定 | 建ぺい率/容積率 | 価格(1㎡) | 坪単価(換算) | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 京島2-19-16 | 京成曳舟 590m | 準工業・準防火 | 80%/200% | 47.6万円 | 約157.4万円 | +13.1% |
| 墨田4-21-2 | 鐘ケ淵 350m | 準工業・準防火 | 80%/200% | 45.7万円 | 約151.1万円 | +14.3% |
| 立花5-17-13 | 小村井 620m | 準工業・準防火 | 80%/200% | 43.9万円 | 約145.1万円 | +10.9% |
| 八広4-47-7 | 八広 1,000m | 準工業・準防火 | 80%/200% | 40.7万円 | 約134.5万円 | +8.2% |
※出典:国土交通省「地価公示」(2026年1月1日時点。不動産情報ライブラリなどで公開)。坪単価は1㎡の価格×3.30579で当社が換算。墨田区の住宅地の平均変動率は13.2%です(東京都財務局の令和8年地価公示の概要)。
4地点の建ぺい率80%は、区域内の準工業地域の緩和と同じ値です。価格の差は駅からの距離や道路の幅の影響が大きく、規制だけの影響は数字で切り分けられません。ただし2階建てを考える買主は準耐火の建築費を上乗せして総額を考えるため、建てられる家の大きさや助成の有無を示せるかで検討の進み方が変わります。
区域内の家や土地を売るときに伝えたいこと
- 区域内であることと防火地域・準防火地域の別、建ぺい率(区域内の準防火地域にある準工業地域なら80%、準耐火建築物等なら90%、角地の指定があれば100%。区域内でも防火地域にある準工業地域は60%のまま)
- 2003年10月以降に着工した区域内の準防火地域の家は準耐火建築物等のはずなので、確認済証・検査済証で確かめて伝える
- 不燃化特区・集中促進など、区の建替え助成の対象区域かどうか
- 古家付きで売るか解体して売るか(買主が使える助成が変わる場合がある)
古家付きか更地かは「墨田区の土地は古家付きか更地か|解体の判断と手取り比較」、古い戸建てをそのまま売る方法は「墨田区の戸建て買取|価格の決まり方と旧耐震・再建築不可の売り方」、3階建ての売り方は「墨田区の狭小地の一戸建て売却|3階建て・木密の売り方と注意点」、売却の全体像は「墨田区で家・マンションを売る完全ガイド|相場・流れ・費用」をご覧ください。
墨田区の不動産のまとめガイド
墨田区で土地探し・建て替えを相談するならセルフリジェネレーション|本店はGoogleクチコミ★4.8
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、押上の本店と錦糸町オフィスを拠点に、墨田区の土地・戸建て・マンションの購入と売却、買取をお手伝いしています。Googleクチコミの評価は本店★4.8・瑞江店★4.9です(2026年10月時点、当社サイト表示)。
口コミでは、こまめな連絡や、一軒家の購入での長期間の丁寧な対応、仕事の早さと確実さを評価いただいています。区域や見積り、助成など確かめることが多い土地探しや建て替えこそ、一つずつ一緒に確認しながら進めます。
「こまめに連絡いただけたおかげです。」(Googleクチコミより一部抜粋)
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- 業界経験10年以上のスタッフのみが在籍:建てられる家の大きさや契約前の確認点を整理します。
- 顧問弁護士・税理士・FPによる無料相談:総額を踏まえた資金計画も相談できます。
- 売却も買取も対応:今の家を売って建て替える場合も、仲介・買取保証付き売却・当社による直接買取を比べて選べます(条件は物件ごとに書面でご説明します)。
- LINE・オンライン相談が可能:来店が難しい方もご相談いただけます。
当社に相談した場合の進め方
- ご希望のエリア・予算・建てたい家(階数・広さ)をうかがいます。
- 候補地の防火規制・用途地域・道路・ハザードを区役所などで調べ、重要事項説明でご説明します。
- 建築会社に伝える条件(準耐火建築物・建ぺい率・助成)を整理し、総額の資金計画を一緒に確認します。
- 今の家を売る場合は、売却・買取・買取保証付き売却を比べ、建替えや引越しの日程を組み立てます。
本店へのお電話は03-6284-1237です。住宅購入相談や無料相談、今の家の無料査定からもお気軽にどうぞ。
墨田区の新たな防火規制と建築費についてよくある質問
墨田区の新たな防火規制の区域はどこですか?
区北部の墨田・東向島・京島・八広・立花の全域と、文花・押上・向島の一部(文花・押上は二・三丁目、向島は四・五丁目)で、2003年10月1日から指定されています。正確な境界は、墨田区のサイトから開ける「すみだまちづくりマップ」で確認できます。区域内でも防火地域に指定されている場所は、防火地域のルールが適用されます。
墨田区の新たな防火規制の区域で家を建てると、建築費はいくら上がりますか?
国・東京都・墨田区は増加額の目安を公表しておらず、建物の大きさや仕様、建築会社によって変わります。3階建ては区域外の準防火地域でも準耐火建築物等が必要なため差は小さく、増えやすいのは2階建てや平屋です。土地の契約前に、準耐火建築物で建てる場合の見積りを取って確かめましょう。
新たな防火規制の区域で木造住宅は建てられますか?
建てられます。木造でも準耐火建築物(または同等以上の延焼防止性能をもつ建物)にすれば建築でき、延べ面積500㎡超や地上4階以上の建物は耐火建築物等が必要です。墨田区の京島・鐘ヶ淵周辺の不燃化特区では、木造準耐火建築物等への建替えに区の助成(100万円)もあります。
省令準耐火構造なら新たな防火規制の条件を満たしますか?
省令準耐火構造というだけでは満たしません。省令準耐火構造は住宅金融支援機構が定める基準で、新たな防火規制が求めるのは建築基準法の準耐火建築物等だからです。見積りを依頼するときは、建築基準法の準耐火建築物として建てる仕様かを確認しましょう。
古い家をリフォームするときも準耐火にする必要がありますか?
施行日(墨田区は2003年10月1日)より前からある家なら、大規模な修繕・模様替や用途変更には新たな防火規制は適用されません。増築も、増築部分が合計50㎡以下で増築後も2階建て以下、増築部分の外壁・軒裏が防火構造などの条件を満たせば、建物全体を準耐火にする必要はありません。ただし2025年4月から、木造2階建ての大規模な修繕・模様替には建築確認が必要です。
新たな防火規制の区域の土地は、売るときに安くなりますか?
一律に安くなるとは言えません。2026年の地価公示では、墨田区北部の準工業地域・準防火地域にある4地点が、いずれも前年より8〜14%上がっています。売るときは、建ぺい率の緩和や区の助成の対象区域かどうかを伝えると、買主が建てられる家と総額をイメージしやすくなります。
墨田区で準耐火や耐火の家に建て替えるときに使える助成はありますか?
あります。京島・鐘ヶ淵周辺の不燃化特区では、木造準耐火建築物等への建替えに100万円、不燃建築物への建替えに基本230万円+設計100万円の助成があり、2026年度には八広・東向島などを対象にした集中促進助成も新設されました。いずれも着工前の申請が必要なので、計画の段階で区の不燃・耐震促進課に相談しましょう。
まとめ|区域内の家づくりは「階数・見積り・助成」を契約前に確かめる
- 区北部の墨田・東向島・京島・八広・立花の全域と、文花・押上・向島の一部は新たな防火規制の区域で、新築・建替えは原則として準耐火建築物以上です。
- 3階建ては区域外でも準耐火建築物等が必要で、建築費の差が出やすいのは2階建て・平屋です。
- 増加額の公的な目安はないため、契約前に準耐火建築物での見積りを取りましょう。
- 準防火地域では、準耐火なら建ぺい率が10%加算され、火災保険料も下がりやすくなります。区の建替え助成は使える区域が限られ、木造準耐火が対象になるのは京島・鐘ヶ淵周辺の不燃化特区の100万円だけです(ほかの区域の助成は、耐火建築物か条件つきの鉄骨系準耐火が対象です)。
- 助成は着工前の申請が必要です。古家付きの土地は、解体を誰が行うかを契約前に区へ相談しましょう。
墨田区で家を買う流れの全体は「墨田区の不動産購入ガイド|エリア選び・相場・流れと注意点」で解説しています。「この土地で建てるといくらかかる?」「建て替えと売却のどちらが良い?」と迷ったら、押上に本店のある当社へお気軽にご相談ください。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年11月5日
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