「江戸川区で家を買いたいけれど、地盤が弱いと聞いて不安」「区内で地盤が強いのはどのあたり?」。谷河内の瑞江店には、土地や戸建てを探している方からこうしたご質問がよく届きます。
この記事では、東京都・国土交通省・江戸川区の公表資料(2026年11月2日確認)をもとに、江戸川区の地盤を町丁目ごとに整理し、物件ごとの確かめ方までまとめました。
この記事で分かること
- 江戸川区に地盤が強い地域はあるのか(町丁目別の地盤分類)
- 液状化・地盤沈下のリスクと、区内で起きたこと
- 公的な地図・資料を使った、物件ごとの地盤の調べ方
- 地盤調査・地盤改良の費用の目安と都の補助
結論を先にお伝えすると、江戸川区に台地はなく全域が低地ですが、北小岩・鹿骨・南篠崎町など区の北部〜東部は軟弱な層が比較的薄い地盤です。ただし敷地ごとの差が大きいため、最後は物件ごとの資料と地盤調査で確かめることが大切です。
この記事の結論
- 江戸川区に台地はなく、東京都の地盤分類(地域危険度測定調査・第9回)では区内199町丁目のすべてが「沖積低地」です。
- 軟弱な沖積層が10m未満の「沖積低地2」は44町丁目で、北小岩・南小岩・鹿骨・南篠崎町など区の北部〜東部に集まっています。
- 船堀・松江・小松川・中葛西などの81町丁目は軟弱層が40m以上の「沖積低地5」で、地表の揺れが約2.9倍に増幅される地盤です。
- 地盤沈下は1970年代に急減し、東京都の調査では2024年に区部で2cm以上沈下した地域はありませんでした。
- 3階以下の戸建てを新築・建て替えする敷地の液状化判定調査には、東京都の補助(費用の1/2・上限10万円)があります。
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江戸川区に地盤が強い地域はある?|台地はなく全域が「沖積低地」
江戸川区には、武蔵野台地のような台地はありません。国土交通省の土地履歴調査の説明書(東京東北部、2011年3月)では、江戸川は下総台地の西の縁に沿って流れ、台地は対岸の千葉県側(市川市国府台など)に広がるとされています(国土交通省「土地分類基本調査(土地履歴調査)説明書 東京東北部」)。
沖積低地とは、川や海が運んだ土砂(沖積層)が積もってできた、低く平らな土地のことです。同じ説明書によると、東京低地は地盤の高さが全体に5m未満の平坦な三角州の平野です。江戸川区によると、区の陸域の7割は満潮時の水面より低いゼロメートル地帯です(江戸川区「江戸川区ってどんなところ?」)。
つまり江戸川区で「地盤が強い地域」を探すときは、区内で比べて軟弱な層が薄い地域を見ることになります。その手がかりが、東京都が町丁目ごとに定めた地盤分類です。

東京都の地盤分類と「地盤増幅率」
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回、2022年9月公表)」は、都内の町丁目を地形・地質から12種類の地盤に分け、地盤増幅率を設定しています。地盤増幅率とは、地表の揺れ(最大速度)が地下の固い層(工学的基盤)の揺れの何倍になるかを示す数字のことで、大きいほど揺れやすい地盤です。
| 地盤分類 | 軟弱な沖積層の厚さ | 地盤増幅率 | 江戸川区の町丁目数 |
|---|---|---|---|
| 台地1・台地2(参考) | ローム層が載った台地 | 1.6〜1.7 | 0 |
| 沖積低地2 | 10m未満 | 2.3 | 44 |
| 沖積低地3 | 25m未満(沖積低地2より厚い) | 2.6 | 37 |
| 沖積低地4 | 25m以上40m未満 | 2.9 | 37 |
| 沖積低地5 | 40m以上 | 2.9 | 81 |
※出典:東京都「地震に関する地域危険度測定調査報告書(第9回)」の地盤分類・地盤増幅率と、地域危険度一覧表(江戸川区)を当社集計。
台地(1.6〜1.7)と比べると、江戸川区の地盤は全体に揺れが大きくなりやすいといえます。なお、この分類は昭和44年・53年の地盤図をもとに、町丁目のなかで最も面積が広い分類をその町丁目の代表としたものです。同じ町丁目でも場所によって地盤は違うため、「地域の傾向」として使いましょう。
町丁目別の地盤分類|北小岩・鹿骨・南篠崎町は「沖積低地2」、葛西・船堀は「沖積低地5」
区内で軟弱な層が最も薄い「沖積低地2」は、北小岩・南小岩・東小岩・鹿骨・南篠崎町など、区の北部から東部の江戸川寄りに集まっています。反対に、区の西部(小松川・平井・中央・松島)や南部(船堀・松江・葛西・清新町・臨海町)は、軟弱層が40m以上の「沖積低地5」が中心です。

| 地盤分類(町丁目数) | 江戸川区の町丁目 |
|---|---|
| 沖積低地2(44) | 北小岩1〜8丁目、南小岩1〜4・7・8丁目、東小岩3〜6丁目、鹿骨1〜5丁目、篠崎町6〜8丁目、南篠崎町1〜5丁目、西篠崎1・2丁目、上篠崎3・4丁目、瑞江1丁目、谷河内1・2丁目、春江町1丁目、江戸川1・2丁目、新堀1・2丁目、東松本1丁目 |
| 沖積低地3(37) | 篠崎町1〜5丁目、上篠崎1・2丁目、北篠崎1・2丁目、東篠崎1・2丁目、東篠崎町、下篠崎町、瑞江2〜4丁目、東瑞江1〜3丁目、西瑞江3丁目、春江町2・3丁目、江戸川3・4丁目、一之江1・2丁目、鹿骨6丁目、鹿骨町、東小岩1・2丁目、南小岩5・6丁目、西小岩4・5丁目、大杉3・4丁目、東松本2丁目 |
| 沖積低地4(37) | 一之江3〜5・7・8丁目、西一之江1〜3丁目、上一色1〜3丁目、大杉1・2・5丁目、松本1・2丁目、興宮町、西小岩1・3丁目、平井2・3丁目、松島3丁目、春江町4丁目、西瑞江4・5丁目、江戸川5丁目、堀江町、東葛西1・3・4・9丁目、西葛西5・6丁目、南葛西4・6・7丁目、清新町1丁目 |
| 沖積低地5(81) | 小松川1〜4丁目、平井1・4〜7丁目、中央1〜4丁目、松島1・2・4丁目、東小松川1〜4丁目、西小松川町、本一色1〜3丁目、西小岩2丁目、松江1〜7丁目、船堀1〜7丁目、宇喜田町、一之江6丁目、一之江町、西一之江4丁目、二之江町、春江町5丁目、江戸川6丁目、北葛西1〜5丁目、中葛西1〜8丁目、西葛西1〜4・7・8丁目、東葛西2・5〜8丁目、南葛西1〜3・5丁目、清新町2丁目、臨海町1〜6丁目 |
※出典:東京都「地域危険度一覧表(江戸川区)」(第9回、2022年9月公表)。
都の報告書によると、沖積低地2は台地に近い側の地域で軟弱な層が薄く、関東地震でも建物被害が少なかった地盤です。沖積低地4・5は軟弱な層が厚く、地震動による被害が最も発生しやすい地盤とされています。
地盤分類だけで土地の価格は決まらない
地盤分類が良い地域ほど土地が高いわけではありません。2026年の地価公示では、沖積低地2の北小岩8丁目の住宅地(京成小岩駅から770m)が1㎡あたり38.6万円、沖積低地5の清新町2丁目の住宅地(西葛西駅から1,200m)が50.2万円でした。地盤は価格とは別に確かめましょう。区内の土地の価格は「江戸川区の土地相場・坪単価」で紹介しています。
液状化のしやすさは「土地の成り立ち」で変わる|2011年は清新町で被害
地盤の揺れやすさ(地盤分類)と、液状化のしやすさは別の指標です。液状化とは、地震の揺れで地下水を含んだ砂の地盤が液体のようになる現象のことで、建物が沈んだり傾いたりする原因になります(東京都「液状化による建物被害に備えるための手引」、令和4年9月 第五版)。
液状化は、浅いところにゆるい砂の層があり、地下水位が浅い土地で起きやすくなります。東京都の液状化予測図の考え方では、地形で判定する場合、旧河道・埋立地・干拓地を可能性「大」、自然堤防などの低地を「中」、台地を「小」としています。
| 地形の種類 | どんな土地か | 液状化の可能性(都の地形による目安) |
|---|---|---|
| 自然堤防 | 洪水で川沿いに土砂が積もった微高地。古くから集落や畑に使われた | 中 |
| 三角州・氾濫原の低地 | 川の土砂でできた低い平地。水田の多くが盛土されて宅地になった | 中 |
| 旧河道 | 昔の川の流れの跡。周囲より一段低い | 大 |
| 干拓地・埋立地 | 江戸時代以降の干拓や明治以降の埋立てでできた土地 | 大 |
※国土交通省「土地履歴調査説明書 東京東北部」と東京都「液状化予測図作成の考え方」をもとに当社作成。
区内で起きた液状化と、想定されている被害
2011年3月の東日本大震災では、区内でも液状化で木造住宅が傾くなどの被害が出ました(江戸川区「建築物における液状化対策」)。区のまちづくりニュース(No.87、2011年5月30日)によると、葛西沖開発で海底の土砂を使って埋め立てた清新町(新左近川の北側)では、住宅の傾き(大規模半壊)4棟・調査中12棟や道路約2,000mの舗装の損傷などが確認されました。
東京都の被害想定(2022年5月25日公表、都心南部直下地震M7.3)では、液状化による江戸川区の建物被害は全壊286棟・半壊1,995棟で、区部では葛飾区に次いで2番目に多いとされています(東京都「液状化対策アドバイザーを無料で派遣します」)。
場所ごとの液状化の可能性は、東京の液状化予測図(令和7年度改訂版、2026年3月29日公開)で確認できます。予測図は250m四方ごとの相対的な目安で、地盤改良などの効果は含みません。「可能性が低い」低地にも、そのままでは基礎に適さない軟弱な粘土の地盤がある場合があると注意書きされています。
江戸川区の地盤沈下とゼロメートル地帯|沈下は1970年代にほぼ止まった
江戸川区の地盤沈下は、地下水などのくみ上げの規制によって1970年代に急減し、現在はほぼ止まっています。東京都の「令和6年地盤沈下調査報告書」(2026年1月)によると、経過は次のとおりです。
- 江戸川区では大正末期から昭和初期に地盤沈下が始まった
- 1967年ごろから沈下の中心が荒川河口付近(江東区東部〜江戸川区南部)に移り、1968年には西葛西二丁目で年間23.89cm沈下した(区部で観測された最大値)
- 1972年12月31日の水溶性天然ガスの採取停止と、工業用の地下水のくみ上げの減少で、沈下は急に減った
- 1976年からは年間5cm以上沈下する地域がなくなり、2024年は区部で2cm以上沈下した地域はなかった
最近10年間で2cm以上沈下した低地は葛飾区のごく一部だけで、都は全体として安定した状況としています。ただし沈下した土地は元の高さに戻らず、区の陸域の7割はゼロメートル地帯のままです。地盤とは別に、浸水の深さと続く期間も必ず確認しましょう(確かめ方は「江戸川区のハザードマップと不動産売却」)。
なお、地域全体の地盤沈下と「不同沈下」は別の問題です。不同沈下とは、建物の下の地盤が場所によって違う量だけ沈み、建物が傾く現象のことで、地域の沈下が止まっていても、盛土や軟らかい地盤の敷地では起こることがあります。
物件ごとの地盤の調べ方|無料で使える公的な地図と資料
物件の地盤は、土地の成り立ち→町丁目の地盤分類→液状化の予測→近くのボーリングデータ→現地と書類の順に確かめると効率的です。最初の4つは無料で調べられます。

| 調べること | 使う資料(無料) | 分かること |
|---|---|---|
| 土地の成り立ち | 重ねるハザードマップ(国土交通省・国土地理院)、東京都 土地履歴マップ | 旧河道・埋立地などの地形、昔の川や池の跡 |
| 町丁目の地盤分類 | 地域危険度一覧表(江戸川区) | 沖積低地2〜5の分類、建物倒壊危険度 |
| 液状化の可能性 | 東京の液状化予測図 | 250m四方ごとの液状化の可能性 |
| 近くの地盤データ | 東京の地盤(GIS版)、江戸川区 建築指導課の窓口 | 土の種類、N値、地下水位 |
江戸川区役所第三庁舎1階の建築指導課指導係(4番窓口、03-5662-1105)でも、ボーリング柱状図の写しを街区単位で閲覧できます。閲覧のみでコピーはできず、資料がない街区もあります(江戸川区「地盤調査データ(ボーリング柱状図)の閲覧」)。
ボーリング柱状図の見方|N値・土の種類・孔内水位
ボーリング柱状図とは、地面に孔を開けて調べた地層の重なりを、深さごとに図にしたものです。見るポイントは次の3つです(東京都の手引による)。
- N値:重さ63.5kgのおもりを76cmの高さから落とし、鋼管を30cm打ち込むのに必要な回数のことです。軟らかい地盤では小さく、硬い地盤では大きくなり、通常は50を超えたら試験を終えます。
- 土の種類:粘土・シルトは細かく水を通しにくい土、砂は地下水がたまりやすい土です。地表に近い深さにN値の小さい砂の層があると、液状化に注意が必要です。
- 孔内水位:掘った孔にたまった地下水の、地表からの深さです。海抜の低い下町は地下水位が高く、液状化が起きると地表への影響が大きくなりやすい傾向があります。
現地で見ておきたいポイント
- 道路・塀・駐車場の土間に、段差や大きなひび割れがないか
- 電柱や周りの建物、ブロック塀が傾いていないか
- 道路より高く盛土された敷地か、近くに水路や池を埋めた跡がないか
プロのアドバイス:国の土地履歴調査(東京東北部)では、図の範囲の低地部のほとんどが盛土地となって宅地にされたとしています。盛土の時期や土の質で地盤の強さは変わるため、地図や分類だけで判断しないことが大切です。
土地を買って家を建てる場合|地盤調査・地盤改良の費用と都の補助
土地を買って家を建てる・建て替える場合は、着工前の地盤調査の結果で、基礎の形と地盤改良の要否が決まります。国の告示(平成12年建設省告示第1347号)では、地盤の長期許容応力度(地盤が建物の重さを長期間安全に支えられる力の目安)が1㎡あたり20kN未満なら基礎ぐい、20kN以上30kN未満なら基礎ぐいかべた基礎、30kN以上なら布基礎も使えるとしています。
地盤調査の種類と費用の目安
戸建て住宅でよく使われるのは、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)です。SWS試験とは、先端がねじ状の鉄の棒におもりを載せて回し、地中に入る深さや回転数から地盤の硬さを調べる試験のことで、2020年のJIS改正でスウェーデン式サウンディング試験から名前が変わりました。
| 調査の種類 | 調べ方の例 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| SWS試験 | 1宅地4か所・深さ5.5m | 約10万円(室内土質試験を含む) |
| 三成分コーン貫入試験 | 1宅地1か所・深さ20m | 約10万円 |
| ボーリング調査(標準貫入試験) | 1宅地1か所・深さ20m | 約30万円(室内土質試験を含む) |
※出典:東京都「液状化による建物被害に備えるための手引」(令和4年9月 第五版)。報告書作成費(3〜5万円程度)は別です。日本建築学会の資料を参考にした目安のため、実際の費用は見積もりで確認してください。
手引によると、SWS試験だけでは液状化を判定できず、地下水位の測定と室内土質試験が必要です。調査の深さは5m程度とされてきましたが、10m程度まで調べる必要があるという報告もあるとしています。
地盤改良・基礎の工法と工事費の目安
| 工法 | 内容 | 工期(新築) | 工事費(新築) |
|---|---|---|---|
| 浅層混合処理(表層改良) | 浅い地盤を固化材と混ぜて板状に固める | 1〜2週間程度 | 80〜150万円程度 |
| 深層混合処理(柱状改良) | 固化材を混ぜた土の円柱を基礎の下に並べる | 2〜3日程度 | 100〜200万円程度 |
| 小口径杭 | 鋼管などの杭を回転・圧入して設置する | 2〜3日程度 | 150〜250万円程度 |
| べた基礎+置き換え | 液状化しそうな層を砕石などに置き換える | 1か月程度 | 100〜300万円程度 |
※出典:同手引の液状化対策工法の参考値。地盤の状態、建物の大きさ、敷地の広さで大きく変わります。
土地の売買では、地盤調査を引渡し後の設計段階で行うことも多く、改良費が想定外の出費になりがちです。資金計画に予備費を入れる、契約前の調査を売主に相談する、近くの柱状図で見当をつける、といった備えをしましょう。
東京都の液状化判定調査の補助(2026年度)
東京都は、戸建て住宅などを建てる敷地の液状化判定調査の費用を補助しています(東京都「令和8年度 東京都戸建住宅等液状化判定調査補助金 募集要領」)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の敷地 | 地階を除き3階以下の戸建て住宅などを新築・建て替えする敷地 |
| 主な要件 | SWS試験・地下水位の測定・土質試験を行い、液状化を判定すること |
| 受けられる人 | 敷地の所有者(同意を得た人を含む)で、費用を全額支払った人 |
| 補助額 | 費用(消費税を除く)の1/2以内、上限10万円 |
| 受付期間 | 2026年4月1日〜2027年2月26日(先着順・予算に達した時点で終了) |
| 申請先 | 都市整備局 建築企画課 耐震化推進担当(03-5388-3362)。郵送・メールなどでも申請でき、代行も可能 |
専門家に相談したいときは、建築士が相談に応じ、必要に応じて無料で派遣される都の液状化対策アドバイザー制度も使えます(総合相談窓口:東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1470、平日9〜17時)。
区内の造成地の例|盛土の宅地でも強さにばらつきが出た
同じ地盤分類の地域でも、盛土や地盤改良の出来で敷地の強さは変わります。区の土地区画整理事業と国の高規格堤防(スーパー堤防)の共同事業でも、宅地の引渡し前の試験で次の例がありました。
- 北小岩一丁目東部地区(沖積低地2):2017年に全75宅地でSWS試験(計375地点)を行い、61地点(約17%)が所定の強度に満たないことが分かりました(区まちづくりニュース No.172、2017年4月)。
- 上篠崎一丁目北部地区(沖積低地3):2021年1〜3月の地盤改良後に引渡し基準に満たない箇所が見つかり、2022年1〜2月に再改良して、同年3月に全宅地が基準を満たすことを確認したうえで引き渡されました。区の検証委員会は、想定を上回る地下水でセメントの濃度が下がった可能性と、粘土質の土が塊のまま混ざりきらなかった可能性を要因に挙げています(江戸川区「地盤改良検証報告書【概要版】」、2022年7月)。
盛土や改良をした土地を買うときは、改良後の試験結果を記した報告書を受け取り、内容を確かめましょう。
中古の戸建て・マンションを買うときの地盤チェック
中古住宅では、地盤の状態を「建物に出ているサイン」と「書類」で確かめます。新築時の地盤調査報告書や地盤改良の記録があれば、売主に見せてもらいましょう。

戸建て|床の傾きは6/1000が一つの目安
国の「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年建設省告示第1653号)では、3m程度以上離れた2点で測った床の傾きが6/1000以上(3mで約1.8cmの高低差)なら構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性が「高い」、3/1000以上6/1000未満なら「一定程度ある」としています(国土交通省)。本来は性能評価を受けた新築住宅の紛争処理の基準ですが、中古住宅でも目安になります。
- 基礎に幅の広いひびや、斜めに走るひびがないか
- ドアや窓が閉まりにくい、すき間が不ぞろいなどの症状がないか
- 玄関ポーチや土間と建物の間に、段差やすき間がないか
気になる症状があれば、建物状況調査(インスペクション)も検討しましょう。講習を修了した建築士が基礎や外壁などを目視や計測で調べるもので、瑕疵の有無や原因を判定するものではありません。中古住宅の確認点は「中古住宅を購入する際の注意点」、区内の中古戸建ての価格は「江戸川区の戸建て購入」で紹介しています。
マンション|杭と支える層、敷地まわりの液状化を確認する
マンションは、杭で支えているか、どの深さの層で支えているかなど、建物ごとに基礎のつくりが違います。新築分譲のマンションでは、売主の宅建業者が基礎伏図や構造計算書などの設計図書を管理組合に引き渡すことになっており(マンション管理適正化法103条)、国土交通省は地盤の情報は構造計算書に含まれるとしています。購入前に、管理会社を通じて杭や支える層が分かる資料があるか確認しましょう。
建物が杭で支えられていても、液状化が起きると周りの地面が沈み、外構や配管に被害が出ることがあります。2011年の清新町でも集合住宅の外構の一部が損傷しました。葛西エリアは「葛西の中古マンション購入の注意点」も参考にしてください。
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判断フロー|地盤を理由に候補から外すべきか
地盤だけで「買う・買わない」を決める必要はありません。次の順で確認し、費用と備えで解決できるかを判断しましょう。
- 町丁目の傾向を見る:地盤分類と液状化予測図で、エリアの傾向をつかむ。
- 敷地の成り立ちを見る:旧河道・埋立地・盛土なら、液状化と不同沈下に注意する。
- 新築・土地なら費用で考える:地盤調査(約10万円〜)と地盤改良(新築で80万〜300万円程度)を予算に入れても、資金計画が成り立つか確かめる。
- 中古なら建物と書類で考える:床の傾き6/1000以上や基礎の大きなひび割れがあれば、修繕費を含めて検討するか候補から外す。
- 浸水の想定と合わせて決める:浸水の深さ・続く期間と、住宅の階数を確認する。
「沖積低地2で地盤調査の結果も良い土地」も「沖積低地5でも調査と改良の記録がそろった建売住宅」も選択肢です。分類だけでなく、記録と費用で比べるのがプロの見方です。購入の流れと費用の全体像は「江戸川区の不動産購入ガイド」、建売を探す方は「江戸川区の新築戸建て購入」をご覧ください。
江戸川区の不動産のまとめガイド
江戸川区で地盤まで確かめて家を探すならセルフリジェネレーション|瑞江店はGoogleクチコミ★4.9
株式会社セルフリジェネレーション(東京都墨田区押上・江戸川区瑞江に店舗、宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号)は、瑞江店(江戸川区谷河内2丁目)を拠点に、江戸川区の住まい探しをお手伝いしています。Googleクチコミの評価は本店★4.8・瑞江店★4.9です(2026年10月時点、当社サイト表示)。
口コミでは、購入までの丁寧なやり取りや親身な相談を評価いただいています。地盤のような分かりにくいテーマこそ、資料を一緒に見ながら確かめることを大切にしています。
「一軒家の購入の際、大変お世話になりました。」(Googleクチコミより一部抜粋)
- 墨田区・江戸川区に特化した地域密着:町丁目の地盤分類や液状化予測、浸水想定を物件ごとに確認します。
- 業界経験10年以上のスタッフのみが在籍:地盤調査報告書や改良記録の見方もご説明します。
- 顧問弁護士・税理士・FPによる無料相談:改良費を含めた資金計画も相談できます。
- 売却も買取も対応:住み替えで今の家を売るなら、仲介・買取保証付き売却・当社による直接買取を比べて選べます。
- LINE・オンライン相談が可能:住宅購入相談から店舗相談のご予約もできます。
当社に相談した場合の進め方
- 希望のエリア・予算・物件の種類(土地・新築・中古)をうかがいます。
- 候補地の地盤分類・液状化予測・浸水想定を一緒に確認します。
- 近くの柱状図や、地盤調査報告書・改良記録の有無を確かめます。
- 土地から建てる場合は、改良費を資金計画に入れ、都の補助もご案内します。
- 重要事項説明では、法令で定められた事項(水害ハザードマップ上の位置など)を書面でご説明します。
瑞江店へのお電話は03-6638-8512です。
江戸川区の地盤についてよくある質問
江戸川区で地盤が強い地域はどこですか?
区内で比べると、北小岩・南小岩・東小岩・鹿骨・南篠崎町など区の北部から東部の44町丁目が、軟弱な沖積層が10m未満の「沖積低地2」で、比較的揺れにくい地盤です。区内に台地はなく、東京都の地域危険度測定調査(第9回)では全町丁目が沖積低地です。敷地ごとの差もあるため、物件ごとの確認が必要です。
江戸川区は地盤が弱いので家を買わない方がいいですか?
地盤だけで買うかどうかを決める必要はありません。新築なら地盤調査の結果に合わせて基礎や地盤改良を決められ、中古なら床の傾きや地盤調査の記録で状態を確かめられます。浸水の想定とあわせて、費用と備えで判断しましょう。
葛西や西葛西は液状化しやすいですか?
葛西地区は軟弱な層が厚い沖積低地4・5が中心で、埋め立てた清新町では2011年の東日本大震災で住宅が傾くなどの液状化被害が出ました。ただし液状化のしやすさは敷地ごとに違います。東京の液状化予測図(令和7年度改訂版)や近くのボーリング柱状図で確かめましょう。
江戸川区の地盤沈下は今も続いていますか?
ほぼ止まっています。東京都の調査では、1972年末の水溶性天然ガスの採取停止などで沈下は急に減り、2024年は区部で2cm以上沈下した地域はありませんでした。ただし沈下した土地は元に戻らず、区の陸域の7割はゼロメートル地帯のままです。
地盤調査と地盤改良にはいくらかかりますか?
東京都の手引の目安では、戸建て向けのSWS試験は1宅地4か所で約10万円(報告書作成費3〜5万円程度は別)です。地盤改良は新築で表層改良80〜150万円程度、柱状改良100〜200万円程度とされています。実際の費用は見積もりで確かめてください。
地盤調査に使える補助金はありますか?
東京都の戸建住宅等液状化判定調査補助金があり、3階以下の戸建て住宅などを新築・建て替えする敷地の液状化判定調査の費用の1/2(上限10万円)が補助されます。2026年度の受付は2027年2月26日までで、予算に達した時点で終わります。
まとめ|江戸川区は全域が沖積低地、物件ごとの資料と地盤調査で確かめる
地盤の良い場所選びは、町丁目の傾向をつかみ、敷地ごとの資料と地盤調査で確かめることが大切です。
- 区内に台地はなく、東京都の分類では199町丁目すべてが沖積低地です。
- 軟弱層10m未満の沖積低地2は44町丁目で、北小岩・南小岩・鹿骨・南篠崎町など北部〜東部に多くあります。
- 葛西・船堀・松江・小松川などは沖積低地5が中心で、清新町では2011年に液状化の被害が出ました。
- 地盤沈下は1970年代にほぼ止まりましたが、区の陸域の7割はゼロメートル地帯で、浸水の確認も欠かせません。
- 新築・建て替えの液状化判定調査には、都の補助(費用の1/2・上限10万円)があります。
「この土地の地盤は大丈夫?」「改良費はどれくらい見ておけばいい?」と迷ったら、江戸川区に店舗のある当社へお気軽にご相談ください。
この記事の執筆・監修
株式会社セルフリジェネレーション(宅地建物取引業 東京都知事(2)第105830号/公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会会員)。墨田区・江戸川区を中心に、業界経験10年以上のスタッフが不動産の売却・購入・買取をサポートしています。
最終更新日:2026年11月2日
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