住宅ローンはどうやって選ぶ?金利や種類など選ぶポイントや、用語について徹底解説

この記事の監修者

三好 海斗(みよし かいと)

株式会社セルフリジェネレーション 代表
宅地建物取引士
不動産賃貸経営管理士
既存住宅アドバイザー
1988年生まれの福島県出身。不動産業歴は14年。不動産賃貸・売買仲介をはじめ、投資用不動産、中古不動産仕入れ再販、中古不動産×リノベーションなど様々な不動産企業で経験を積み、自身でも自宅、投資用不動産等で5回不動産購入・売却を経験。2020年にセルフリジェネレーションを設立。2021年にメディア取材や自社サービスや取組みが各メディア(55社の媒体)へ掲載される。

マイホームを購入するときに、多くの人が利用を考える住宅ローン。住宅ローンは融資の額が大きく、返済期間も長期間に渡ります。そのため、自分に合ったローンを選びたいと思う人も多いことでしょう。

しかし、住宅ローンは多数の金融機関が扱っており、選択肢の幅も広いものです。そのため、住宅ローンを選ぶ際には悩んでしまいがちです。

この記事では、住宅ローンの選ぶポイントと共に、知っておくべき用語について解説していきます。

住宅ローンの選択ポイントとその用語

ここからは、住宅ローンを選ぶ際に重要になるポイントと、大切な用語について解説していきます。

選択ポイントその1:金利タイプ

住宅ローン選びの第一歩は、自分にあった金利タイプを知ることから始まります。

「金利」は低い方がお得。多くの人は、金利にたいしてこういったイメージを持っていると思います。しかし、金利を考える上で重要なのは、高いか低いかだけではありません。どんな「タイプ」の金利であるかも大切なのです。

住宅ローンには、基本的に3種類の金利タイプが採用されています。タイプごとに独自の特徴があり、金利の高低だけでなく特徴を比較することで、自分に合う金利タイプを選ぶことができるでしょう。

この項では、主要な3つの金利タイプを解説していきます。

金利が変化する「変動金利」

変動金利は名前から分かる通り、定期的に金利の見直しが行われて、支払う金利が変化する金利タイプになります。

変動金利は基本的に、固定金利に比べると金利が低いものとなります。また、見直しの段階で、融資を受けたときよりも利率が低くなれば、返済額もそれに応じて安くなるのも魅力の一つです。

しかし、金利が据え置きの可能性もありますし、反対に高くなってしまうことも十分に考えられます。また、最終的な返済額が最初に定められているわけでもないため、(金利分が)大きく変化して予想しにくいという難点もあります。

金利がずっと同じ「全期間固定金利」

全期間固定金利とは、住宅ローンの返済中に一切金利が変化しない金利タイプのことです。

全期間固定金利は、最初から最終的な返済額が決まっています。また、金利の変動もなく、毎月一定額を返済していくことになります。このタイプの魅力は、その安定性から無理のない返済計画を立てやすいということでしょう。

反面、このタイプの金利は、他のタイプのものよりも高めに設定されています。金利の高低を重要視する人には、向かないタイプといえるかもしれません。

変動制と固定制を兼ね備えた「固定金利期間選択型」

固定金利期間選択型は、変動制と固定制両方の特徴を併せ持った金利タイプとなります。具体的に説明すると、借入当初の一定期間は固定金利、その後は再び金利タイプを選ぶことになります。最初の固定金利期間は、2年~15年程度の幅で、自分で選ぶことが可能です。

この金利タイプを選ぶと、固定金利と変動金利両方のメリットを受けることができます。最初の段階は返済計画の立てやすい安定性を、その後は変動タイプにして安い金利にしても良いですし、再度固定金利にすることもできます。

メリットの多い金利タイプと言えますが、普通の変動金利に比べると利率が高くなりますので、注意しましょう。

選択ポイントその2:住宅ローンの種類

住宅ローンには大きく分けて、2つの種類があることをご存じでしょうか。一つ目は「民間ローン」と呼ばれる、普通の銀行や信用金庫などが融資するもので、もう一つは「フラット35」と言われる、一般の金融機関と住宅金融支援機構が提携して融資する住宅ローンです。

この2種類には大きな違いがあるため、それぞれの違いを知り、自分が借りるべき住宅ローンを選びましょう。

選択肢の多い「民間ローン」

民間ローンは、普段私たちが利用している銀行や信用金庫といった金融機関が提供している住宅ローンを指します。多くの金融機関が住宅ローンを取り扱っており、変動や固定など金利タイプも選ぶことができるため、選択肢は多いものとなっています。

民間ローンの中には、不動産会社と金融機関が提携しているものがあります。このタイプのローンは不動産会社経由で申し込みをするため、手続きを簡素化することが可能です。また、金利が少しお得になる場合もあるため、大きな魅力があるといえるでしょう。

長期間の返済計画が立てられる「フラット35」

フラット35は、一般の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローンです。完全固定金利制であり、最大の特徴は、最長で35年という返済期間の長さです。

フラット35の魅力は、固定金利と返済期間の長さで、無理のない返済計画を立てられることにあります。また、返済期間は自分である程度決めることができるため(15年~35年、もしくは、~80歳まで)、自分の年齢や収入に応じて、臨機応変に対応できます。

金利は固定制ではありますが、提携先の金融機関や借入期間、融資率(借入額を物件価格で割ったもの)などで多少変化します。また、省エネ物件であったり、耐震性に優れたものであったりする場合、金利面の優遇制度(フラット35S)を受けることも可能です。

フラット35Sは大きく金利が下がりますので、利用したい場合には、自分の物件が適用可能かどうか調べるようにしましょう。

使いやすく計算しやすいフラット35ですが、通常の金利は民間ローンに比べ高めに設定委されています。最終返済額が高くなる可能性があるため、注意が必要です。

選択ポイントその3:団信の内容

住宅ローンの返済は、長い期間続くものです。その間に、どんなことがあるかわかりません。

そんな時に頼りになるのが、「団信(団体信用生命保険)」という住宅ローンに付随した生命保険です。

一言で団信といっても、色々な保障内容が存在しまいます。団信の具体的な内容を知り、必要な保障を選べるようにしていきましょう。

そもそも団信とは?

ここでは、団信そのものについて説明していきます。

団信とは、正式名称が「団体信用生命保険」という生命保険の略称になります。この保険に入ることで、ローンの契約者が死亡、もしくは重度の障害を抱えた場合に、ローン残高を保険金で賄うことができます。基本的に、住宅ローン借入時には必ず加入しなければなりません。

団信は生命保険の一つですから、加入の際には、保障内容をしっかり吟味することが重要です。具体的には、どんな状況であればローン残高が保険金から支払われるのかなどを確認するようにしましょう。死亡時や障害を負った場合だけでなく、収入が激減した際の保障内容などを確認しておくとベストです。

とはいえ、長い年月で何が起こるかわかりません。できる限り様々な状況を考えて、受けられる保障の多い団信を選びましょう。団信の保障内容は加入後に変えることができませんので、妥協は禁物です。

けがや病気の保障と考えた場合、一般の生命保険や医療保険を考える人も多いことでしょう。しかし、団信の保険料は住宅ローンの支払いの中に含まれていることがほとんどです。別途他の保険に入るよりは、保障内容の優れた団信に加入した方がお得と言えるでしょう。

魅力が多い団信ではありますが、加入できない可能性もあります。

団信の加入時には、健康状態の申告が必要になります。現在持病があるかどうか、健康不安はあるかどうかなど、偽りなく申告しなくてはなりません。嘘を申告すると団信の契約が解除されてしまいますし、持病があると、加入できない可能性が高まります。

ちなみに、フラット35を利用する場合、団信に加入する必要はありません。持病がある場合は、フラット35が第一の候補になります。

団信の注意点:特約について

団信は通常の生命保険と同じく、特約を付けることができます。通常の生命保険に特約を沢山付けるよりも、団信に付けた方が安く済む場合も多いでしょう。

団信の特約には、病気時の医療費や生活費などを賄ってくれるものがあります。そして、三大及び八大疾病に対応してくれるものも存在しています。様々な特約がありますので、現在の生命保険や医療保険の内容と比較して、どの特約を付けるかを考えていきましょう。

マイホーム購入は、保険料を見直すチャンスでもあるのです。

選択ポイントその4:物件価格以外に必要な費用で考える

物件の購入には、物件価格以外にも様々な費用がかかります。それは、住宅ローンを借りる際も同様です。

住宅ローンの借り入れにそのものに必要な費用を考えてみましょう。多くの種類の中から主なものを挙げると、「事務手数料」・「保証料」・「登記費用」・「融資手数料」などがあります。これらの費用を総計すると、物件費用の1割程度が追加で必要になってしまいます。

こうした費用を諸費用と呼び、その金額は利用する住宅ローンによって異なります。できるだけ費用を抑えたいのであれば、諸費用の安いローンを利用すると良いでしょう。

また、諸費用そのものもローンで賄うことができます。このローンを「諸費用ローン」と呼び、不動産会社へ支払う仲介手数料や引っ越し料の支払いにも使えますので、利用を考えるのも良いでしょう。

選択ポイントその5:2つの返済方法

住宅ローンには、2つの返済方法があります。以下で、2つの返済方法の違いについて解説していきます。自分に合った返済方法を見つけましょう。

返済額が変わらない「元利均等返済」

住宅ローンを返済する場合、毎月「元金」と「利息」を合わせて支払わなくてはなりません。「元利均等返済」は、元金と利息を合わせた金額を、毎月同額支払っていく方法になります。

この方法では、返済完了までの毎月の支払額が一定となります。家計の固定費にも組み込みやすく、支払い計画が立てやすいことが特徴です。

注意点としては、返済を開始してからしばらくの間は、利息分を返済している割合が多いということ。元金がなかなか減らないように感じてしまうかもしれません。

一定の元金に利息をプラスする「元金均等返済」

元金均等返済は、毎月一定額の元金に利息分を合わせて返済していく方法です。支払いが進むにつれ利息が減り、どんどん支払いが楽になるといメリットがあります。また、支払い総額に関しても、元利均等返済に比べ安くなります。

デメリットは、返済開始後すぐの支払いは額が大きいということ。この方法を選択すると、しばらくの間は家計が厳しくなることも考えられます。

また、元金均等返済を取り扱っていない金融機関もあります・この方法を利用したい場合、取り扱いのある金融機関を調べておきましょう。

疑問があれば銀行に相談しよう

銀行住宅ローンを含めた金融商品を扱うプロです。ここまで住宅ローンの選び方について見てきたものの、まだまだ分かりにくい点や、不安な点もあることでしょう。そんなときには、遠慮なく銀行に相談するようにしましょう。

実際に住宅ローンを扱っている銀行では、その商品に基づいて、より具体的な内容を相談することができます。特に、返済期間や借入の総金額、利用するローンの種類、返済できなくなった場合の対処法などは、直接質問した方が安心できます。住宅ローンは長く付き合う必要があるものですから、納得してから借りるようにしましょう。

また、すでに住宅ローンを借りている場合でも、銀行を訪れて損はありません。金利タイプを変更し、返済期間を短縮できる住宅ローンに借り換えることができるかもしれないからです。

借り換えの場合には、プロの手を借りて、返済額のシミュレーションをしてもらいましょう。数字として見えるようになることで、どれだけの違いが出るかわかりやすくなります。

店舗に行けなくても相談できる

銀行での相談は、一般的に時間がかかるものです。仕事の都合で、なかなか直接店舗に行くのが難しい場合も多いでしょう。

銀行の中には、オンラインや電話で相談を受け付けている所があります。また、休日に相談窓口を開けている場合もあります。「仕事だから」であきらめず、一度、相談できそうな銀行を探してみてください。

店舗に直接訪問できる場合は、銀行が設置している住宅ローン相談窓口やセミナー、相談会などに顔を出してみましょう。多くの人から相談を受けたプロの目線から、有用な話を聞くことができるはずです。

まとめ

住宅ローンは額の大きい、長い年月支払い続ける必要があるものです。そのため、できる限り自分に合った、納得できるものを見つけなくてはなりません。

自分に合った住宅ローンを見つけるためには「金利タイプ」・「種類」・「団信の内容」・「諸費用」などに注目するようにしましょう。もし分からないことがあれば、銀行に相談することも大切です。

この記事を使って、納得のいく住宅ローンを見つけてください。

当社でもお客様ひとりひとりに合った住宅ローンをご紹介しておりますので、お気軽にご相談ください。