不動産を贈与する際には贈与税がかかるということは多くの方がご存じでしょう。
しかし、贈与税は分割できるということを知っている方は少ないはずです。
贈与税は分割納付という方法があり、分割できます。
ここでは贈与税を分割する際の概略と贈与税の特例についてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
Contents
□不動産の贈与税分割の概略
ここでは、贈与税の分割納付方法について詳しく解説します。
贈与税は相続税のように物納は認められません。
ただし、納付期限までに現金で一括納付が不可能な場合には、条件を満たすことによって延納制度を利用できます。
延納制度を利用することで、贈与税を分割して支払えるのです。
延納制度を利用するためには、申告期限までに延納申請書を提出する必要があります。
このように延納手続きは事前承認制であることに注意しておきましょう。
延納制度を利用できる要件は以下の通りです。
・贈与税額が10万円を超えること
・延納申請書を提出すること
・現金一括納付が困難であること
・担保を提供できること
・税務署長の許可があること
これらの5つの要件を満たすことによって、延納制度を受けられます。
なお、延納期間は最長で5年で、年間利子税は0.9パーセントです。
□贈与税の注意点と特例
贈与税には他の税制には見られない特例があるので、注意が必要です。
ここでは、贈与税の特例を3つ紹介します。
*配偶者相続
これは配偶者間の相続における特例です。
婚姻してから20年以上の夫婦の間では、居住不動産や住宅取得資金の贈与が行われた場合に基礎控除以外に2000万円まで控除できるという特例です。
婚姻期間が長くないと適用できない特例ですが、相続税対策として十分に機能するでしょう。
*相続時精算課税
これは60歳以上の人から20歳以上の子や孫に対して贈与を行った場合に、贈与者が亡くなった際にかかる相続税の計算において、相続財産と贈与財産を足して相続税額を生産する制度です。
贈与を行う際には上限2500万円までは、贈与税がかかりません。
ただし、この特例は配偶者控除に比べて相続税対策としての効果をあまり期待できません。
*住宅取得資金の贈与を受けた時の非課税
これは直系尊属から居住用住宅を取得するための取得資金を受け取った際に、一定額が非課税となる制度です。
この特例で注意が必要なのが、対象となるのがあくまで住宅取得資金であることです。
そのため、不動産事態の贈与には利用できないので、注意が必要です。
相続税対策としては十分に効果を発揮すると考えて良いでしょう。
□不動産を生前贈与した方が良いケースとは?
不動産の贈与には、生前贈与という方法があります。
生前贈与とは、その名の通り、ある人の不動産の所有権を生前に別の人に譲渡することです。
贈与には主に4つの方法があります。
・生前贈与
・死因贈与
・推定相続人に遺言書を作成する
・遺産分割協議を行い、合意を得る
今回は、これらの贈与方法の中で、生前贈与をした方が良いケースについて解説します。
1つ目は、将来値上がりすることが見込まれる不動産を所有しているケースです。
例えば、新しい駅が設置される予定がある場合や開発計画がある場合には地価が上昇するので、不動産の値上がりが期待できます。
他にも相続税評価額が倍率方式によって低く評価されているものの、路線価方式に変更されれば、評価額が増額する可能性が高い場合も値上がりが期待できます。
このように、値上がりを確実に期待できる場合には、生前贈与をすると良いでしょう。
その理由は、相続税を支払い続けるよりも、値上がりする前の通常の贈与税の税率によって贈与税を納めた方が得をする可能性が高いためです。
2つ目は、高収益の賃貸不動産を所有している場合です。
不動産に賃料収入が発生している場合には、その収入が蓄積され、相続税が課されます。
そのため、早めに生前贈与を行い、相続税を削減できます。
3つ目は、元から生前贈与の必要性が高い場合です。
例えば、その不動産を居住用の住宅として欲しがる親族がいる場合には、相続を待たずに生前贈与を行っておくというのも一つの方法です。
この際は、相続時精算課税制度を利用して、節税対策を行うと良いでしょう。
4つ目は、贈与者の意思を反映させる必要がある場合です。
生前贈与は、贈与者の意思が最も反映される確実性の高い贈与方法です。
遺産分割が複雑化して、トラブルになってしまう可能性が考えられる場合や遺産分割の長期化が見込まれる場合などは、贈与者の意思を反映させることでスムーズに贈与が進むでしょう。
そのため、このようなケースでは生前贈与を選択するのがおすすめです。
□まとめ
今回は贈与税を分割する際の概略と贈与税の特例、不動産を生前贈与した方が良いケースについてご紹介しました。
不動産の贈与はたくさんの税金がかかるので、しっかりと判断する必要がある問題です。
今回の記事を参考に不動産の贈与でお困りの方はぜひ当社までご連絡ください。
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