財産を贈与した場合、最も悩みのタネになるのが「贈与税」ですよね。
税率も高い為、可能な限り節約したい方がほとんどではないでしょうか。
実は60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫に対して財産を贈与する場合は、「相続時精算課税」という制度を活用することが可能です。
相続時精算課税制度とは、親や祖父母からそれぞれ最大2500万円までの贈与について、贈与税が非課税になる制度です。
贈与財産の種類には制限はなく、現金や不動産などで利用できます。また、贈与回数にも制限はありません。
このように非常に便利な制度ですが、贈与者が死亡したときなどに注意するべき点などがありますので、仕組みや内容を理解しておく必要があります。
今回は、そんな相続時精算課税について詳しくご紹介していきます！
東京都江戸川区でお家や土地の贈与を検討している方は、是非この記事をご覧ください！
Contents
相続時精算課税制度を活用する条件は？
相続時精算課税制度は、以下を満たす場合に利用することができます。
・親や祖父母などの贈与者が、贈与をした年の1月1日時点で60歳以上
・子や孫などの受贈者が、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上※
・贈与者と受贈者の関係が、親子か祖父母と孫であること
相続時精算課税制度を活用した場合、贈与者1人につき2,500万円までは贈与税が掛かりません。
2,500万円を超えた分に一律20％の贈与税が掛かります。
なお、制度の適用対象となる贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
例えば、父から2500万円、母から2500万円、祖父母4人からそれぞれ2500万円、合計1億5000万円の贈与を受けても、すべての贈与者について相続時精算課税制度を選択すれば贈与税がかからないということになります。
そう考えると非常にメリットの多い節税方法といえますね！
なお、相続時精算課税制度を活用して中古住宅を取得する場合、築後経過年数が取得の日前20年（耐火建築物は25年）以内、または新耐震基準に適合しているなどが条件です。
贈与財産が住宅取得資金の場合、贈与者の年齢が60歳未満でも制度が適用できる特例があるなどメリットは大きいといえます。
相続税への繰り延べが可能
贈与者が亡くなり、相続が発生した時に、贈与財産と相続財産を合算して相続税を決定するといった、相続税への繰り延べが行われます。
支払った贈与税があれば相続税から控除し、控除しきれなかった分は還付を受けることが出来ます。
例えば3,500万円のマンションを贈与する場合、相続時精算課税制度の上限2,500万円までは贈与時に課税されず、残りの1,000万円については20％の贈与税が課税されます。
そして、相続発生時に3,500万円が相続税の対象となりますが、既に課税された贈与税分は還付されます。
相続税に繰り延べが出来るということで、値上がりする可能性がある財産を贈与する場合には有利な制度と言えます。
※財産総額が相続税の基礎控除を超え、相続税が発生する可能性がある場合は、他の税制を利用した方が節税につながるかもしれません。
基礎控除等の詳しい情報がわからない場合は、相続時精算課税制度の利用前に税理士に相談することを推奨しております。
相続時精算課税を利用する場合に注意すること
贈与税には種類があるが、後で変更することができない
贈与税には年の基礎控除額が110万円である「暦年課税」と上記の「相続時精算課税」の2つの課税制度が設けられています。
それぞれに税金が掛からない額が設けられているので、併用するのではなく、いずれか一方を選ぶ必要があります。
ただし、相続時精算課税を選択した場合には、後で暦年課税を利用したくても変更することは出来なくなります。切り替えることは出来ませんので注意が必要です。
孫は本来相続人ではない点に注意する
孫に対して相続時精算課税制度を適用する場合、贈与を受けた分は相続税を計算する時に加算することになりますが、本来孫は相続人ではありません。
原則として孫への贈与は課税対象となりえるということです。
その為、相続税の納税義務者となれば、相続税の2割加算の対象になり負担が大きくなる可能性があります。
相続時精算課税の他にも贈与に使える非課税特例はありますので、最も節約できる方法を探しましょう。
相続時精算課税はとても便利な制度！でも慎重に検討しましょう
贈与税は税率も高く、出来るだけ掛からない様に対策を行いたいものですが、相続時精算課税を利用する上でメリットとデメリットがあることを理解しておきましょう。
将来相続が生じた場合や、暦年課税などを利用した場合と比較しながら、最も節約できる方法を検討して決めるようにしましょう。
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この記事の監修者
株式会社セルフリジェネレーション 代表
宅地建物取引士
不動産賃貸経営管理士
既存住宅アドバイザー
1988年生まれの福島県出身。不動産業歴は14年。不動産賃貸・売買仲介をはじめ、投資用不動産、中古不動産仕入れ再販、中古不動産×リノベーションなど様々な不動産企業で経験を積み、
株式会社セルフリジェネレーションを設立。2021年にメディア取材や自社サービスや取組みが各メディア（55社の媒体）へ掲載される。
