分割と分筆の違いとは?土地を分筆して売却する際にやるべきことはあるの?

この記事の監修者

三好 海斗(みよし かいと)

株式会社セルフリジェネレーション 代表
宅地建物取引士
不動産賃貸経営管理士
既存住宅アドバイザー
1988年生まれの福島県出身。不動産業歴は14年。不動産賃貸・売買仲介をはじめ、投資用不動産、中古不動産仕入れ再販、中古不動産×リノベーションなど様々な不動産企業で経験を積み、自身でも自宅、投資用不動産等で5回不動産購入・売却を経験。2020年にセルフリジェネレーションを設立。2021年にメディア取材や自社サービスや取組みが各メディア(55社の媒体)へ掲載される。

土地を所有しているものの、あまり活用できていないという理由で土地を半分だけ売却する人は珍しくありません。
一部の土地を売却するには、まず分筆してからでないと売却できません。
また、よく勘違いされる「分割」という方法もあります。
今回はそれらの2つの違いについてご紹介します。

□分割と分筆の違いとは?

分筆とは、登記簿上の1つの土地を2つ以上の土地に分けて再度登記することをいいます。
分筆された土地には、新しい地番が付けられ、それぞれ独立した土地として扱われます。
例えば、32番の土地を2つに分筆する場合、「32番1」「32番2」というようになります。

分筆とよく勘違いされるのが、「分割」です。
この2つの違いを簡単にいうと、登記をするかどうかです。

分筆は土地を分けてそれぞれの土地を登記し直すので、1つの土地を2つの土地に分け、登記上異なる土地にし、所有権を分けます。
土地の一部分を売却する際は、登記上1つの土地と扱われるようにするために分筆が必要なのです。

一方、分割は建築基準法を満たすように、机上の土地の線引きをすることを指します。
登記簿上では同じ土地として見なされ、所有権は変わらないため土地を分割しても登記し直す必要はありません。
分割は1つの土地にいくつかの建物が建てられるように建築基準法の条件を満たして土地を分けるために行うものなのです。

□土地分割には3種類ある

分割と分筆の違いについてご紹介しましたが、相続がある場合などの土地分割方法は、土地を売却するためのものとは変わります。
ここでは、代表的な3つの土地分割方法をご紹介します。

1つ目は、現物分割です。
現物分割は、土地の分割方法で代表的なものです。
1つの土地を1人の相続人が引き継ぐなど、土地を現物として相続する分割する方法です。

例えば、現金と土地があった場合、現物分割では相続1が現金、相続人Bが土地を相続するといったものです。
土地とそれ以外の財産が同じくらいの価値がある場合に利用されます。

2つ目は、換価分割です。
土地を売却し、現金化してからその現金を相続人の間で分ける方法です。
これは、他の財産と比較して土地の価値がある場合は相続人同士で土地を共有したくない場合など、土地を1人の相続人で相続できない理由があるときに採用されます。
土地を分筆し、半分を現物分割、残りの半分を換価分割することもできます。

3つ目は、代償分割です。
代償分割は、土地を1人で相続する代わりに他の相続人に代償金を支払う分割方法です。

例えば、現金1,000万円・土地3,000万円・相続人2人だとします。
相続財産の合計は4,000万円なので、平等に相続すると1人あたりの持分2,000万円となります。
仮に相続人Aが現金1,000万円、相続人Bが土地3,000万円を相続すると相続人Aは2,000万円よりも1,000万円少なく、相続人Bは2,000万円より1,000万円多く相続することになります。

そこで、相続人Bから相続人Aに1,000万円支払うことで両者の相続金額が同じになります。
これを代償分割と言います。

このように土地分割には3つの方法があるので、ご自身に適した土地分割を検討しましょう。

□土地を分筆して売却する際にやるべきこと

ここからは、土地を分筆して売却する際のポイントをご紹介します。
売却で失敗しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。

1つ目は、本当に分筆するべきかを不動産会社に聞くことです。
分筆するべき特別な事情がある場合を除き、売却のために分筆するべきかを不動産会社に意見を聞きましょう。
分筆するには、平均で3ヶ月以上かかり、数十万円の費用がかかります。

また、分筆するよりも1つの土地として売却した方が良いこともあります。
住宅地用としては広すぎる土地を適切な広さの面積に分けることで売却しやすくなります。
そのため、ご自身の考えだけですぐに分筆すると決めるのではなく、土地売却のプロである不動産会社の意見を参考にしましょう。

2つ目は、一般市場で売却するか不動産会社に買取を依頼するか選ぶことです。
土地の売却だけでなく、不動産を売却する方法は一般市場で売却するか、不動産会社に買取を依頼するかの2つの方法があります。
一般市場での売却は土地を売りたい売主が不動産会社の仲介で、土地が欲しい方に向けて売却する方法です。

一方で、不動産会社の買取は売主から不動産会社へ土地を直接売却する方法です。
買取の場合、売却価格は一般市場の売却額の約6割から7割です。
買取は取引のスピードが早いことがメリットで、早ければ約1週間で売却が完了します。

土地が広い、または人口が少ない地域など一般市場での売却が難しいと予想される場合は、不動産会社による買取も視野に入れてみましょう。

□まとめ

「分割」と「分筆」の大きな違いは、登記をするかしないかです。
土地を分割される方は、3つの方法の中からご自身に適した方法を選びましょう。
また、分筆して売却される方は、1人で判断するのではなく、不動産会社に相談してから決めることをおすすめします。
当社では不動産売却のサポートをしておりますので、売却でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。