お墓の近くの家は売却しにくい?売却の際のポイントとは

この記事の監修者

三好 海斗(みよし かいと)

株式会社セルフリジェネレーション 代表
宅地建物取引士
不動産賃貸経営管理士
既存住宅アドバイザー
1988年生まれの福島県出身。不動産業歴は14年。不動産賃貸・売買仲介をはじめ、投資用不動産、中古不動産仕入れ再販、中古不動産×リノベーションなど様々な不動産企業で経験を積み、自身でも自宅、投資用不動産等で5回不動産購入・売却を経験。2020年にセルフリジェネレーションを設立。2021年にメディア取材や自社サービスや取組みが各メディア(55社の媒体)へ掲載される。

お墓の近くにある家は、一般的なイメージがあまり良いとは言えないので、売却したくてもなかなか売れないことが多いです。
しかし、お墓が近くにあったとしてもあまり気にしないという方がいるというのも事実です。
そのような方々にお墓の近くに家があることで得られるメリットを伝えることで、購入に繋がるかもしれません。
そこで、今回はお墓の近くにある家のメリット・デメリット、売却する際のポイントをご紹介します。

□売却時にアピールしよう!お墓の近くにある家のメリット

お墓の近くにある家のメリットにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
メリットをきちんと伝えることで、買いたいという方も現れる可能性が高くなるでしょう。

1つ目は、地盤が安定していることです。
お墓に近い家は、地盤強度が高い傾向にあります。
それは、災害時にお墓が崩れないように墓地や霊園は地盤が強い場所に作ることがほとんどであるからです。

また、歴史のある墓場や霊園は長年に渡り、その場所にあり続けたという事実が災害への強さを表わしています。
日本は地震が多いので、地盤が強いということは大きなメリットだと言えます。

2つ目は、日当たりや風通しが良いことです。
家を購入する際、日当たりや風通しは多くの人が注目するポイントでしょう。
墓地や霊園があれば、その付近に高層ビルが建つことはほとんどないので、将来的に考えても日光や風が遮られる可能性は低いでしょう。

3つ目は、近隣環境の変化があまりないということです。
墓地や霊園は、1度できると移設されることはほとんどありません。
そのため、近隣環境が変化することが少ないです。
変化がある町よりも、落ち着いた地域でゆっくり暮らしたいという方には魅力的に感じるでしょう。

□お墓の近くにある家のデメリット

お墓の近くにある家のメリットをご紹介しましたが、デメリットもあります。

1つ目は、風水上あまり良いとは言えないことです。
風水を気にする方からみると、お墓の近くに住むというのは避けたいと思われるかもしれません。
あくまでも風水上の話ですが、お墓の近くは陰の気が強いため、近くに住むと運気が下がったり、トラブルに見舞われやすくなったりすると言われています。

しかし、実際にお墓の近くに住んでいる方はいますし、生活に支障がない方ももちろんいらっしゃいます。
風水を気にする方にはデメリットとなりますが、気にしない方にとっては大きなデメリットにはならないでしょう。

2つ目は、近すぎると洗濯物に線香の臭いがついてしまうことです。
お墓には線香を供えるので、墓場から近すぎる場合、洗濯物に線香の臭いがついてしまいます。
また、部屋の換気をするために窓を開けると線香の臭いが部屋に入ってしまうことも考えられます。
線香の臭いが好きという方は問題ありませんが、苦手な方は部屋干しするという工夫をする必要があります。

3つ目は、墓場の管理が悪い場合、野良猫やカラスが出ることです。
お墓は人が頻繁に出入りする場所ではないものの、お供えものが置かれているので、野良猫やカラスが出やすい環境になってしまいます。
お墓の管理が悪く、野良猫やカラスが住み着いてしまった場合は、ゴミを荒らされたり、糞尿被害にあったりというトラブルにつながるということもあるので、デメリットの1つと言えるでしょう。

また、お盆の時期はお墓参りのために多くの人が訪れます。
そのため、お経や人の声で騒がしくなる可能性もあります。
お墓の規模にもよるので、一概には言えませんが、一時的に騒がしくなるということも忘れないようにしましょう。

□売却時に押さえておきたいポイント

お墓に近い家を売却する際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

1つ目は、売却に時間がかかる可能性があることです。
墓地が近いからこそのメリットもありますが、もちろんデメリットもあるため、簡単に買主が現れるとは限りません。
買い替えや住み替えを検討している場合は、時間がかかることを視野に入れて売却計画を立てましょう。

2つ目は、安くなることを想定することです。
墓地に近い家に限ったことではありませんが、最初の査定額で売りに出していても、購入を考えている方から値下げ交渉される可能性もあります。
相場価格よりもどこまでなら価格を下げても良いか、納得できる妥協点を考えておきましょう。

3つ目は、買取という方法も考えておくことです。
買取は、一般の消費者が買主になるのではなく、不動産会社が買主となる方法です。
不動産会社が直接買い取ってくれるため、1週間から2週間で売却を完了できます。

しかし、買取金額は相場価格の7割ほどになってしまいます。
とにかく早く売りたい方やなかなか売れないという方は検討してみましょう。

□まとめ

お墓に近い家のデメリットはありますが、地盤強度が高いことや、日当たりや風通しが良いなどのメリットもあります。
お墓に近い家だからといって、悪いことばかりではないので、購入希望者にメリットをきちんと伝えましょう。