金額が大きい不動産売却の取引は、少しのことでもトラブルに発展してしまいます。
中でも、買主からのクレームが多いです。
そのため、売主はトラブルを防ぐために対策をする必要があります。
そこで、今回は不動産売却で起こりやすいトラブルや対策を紹介します。
□不動産売却で起こりがちなトラブル
不動産売却では、さまざまなトラブルの事例があります。
トラブル事例を知っておくことで、トラブルを避けられるでしょう。
ここでは、よく起こりがちなトラブルについて紹介します。
1つ目は、仲介手数料のトラブルです。
不動産仲介会社とのトラブルでは、仲介手数料に関するものが多いです。
一般的に、不動産仲介会社に不動産売買を仲介してもらうと仲介手数料がかかります。
不動産仲介会社との契約時に、仲介手数料の算出法や支払い時期などを決定します。
しかし、このときに仲介手数料について説明しない会社があるのが現実です。
そのため、契約時には契約内容をしっかりと確認、理解した上で契約するようにしましょう。
2つ目は、土地の境界トラブルです。
境界に関するトラブルは典型的な事例です。
この境界が問題となるのは、土地や戸建の売買の時のみです。
マンションは開発時にデベロッパーが境界を確定させているため、心配いりません。
しかし、土地や戸建を売買する場合は、売却前に境界を確定しておかなければなりません。
隣家の人が境界を承諾せず、境界を確定できない場合は、売却時に売主・買主・隣家所有者の3者で境界の確認をしましょう。
3つ目は、土地の地下埋設物のトラブルです。
土地の下に地下埋設物が残っているとトラブルが起こりやすくなります。
地下埋設物とは、地下に残された建物のコンクリートの躯体などのことを指します。
地下埋設物は、建物を解体する際に地下階をそのままにして埋め戻したものである場合があります。
更地の状態では、見た目だけで地下埋設物が残っているか判断できず、それを知っているのは売主だけです。
もし、地下埋設物が残っているのにもかかわらず、告知していなかった場合、契約不適合責任を負う必要があります。
契約不適合責任とは、売却後に瑕疵が発見されたときに買主から売主に対して損害賠償を求められたり、契約を解除されたりする責任のことです。
したがって、地下埋設物がある場合は必ず買主に伝えるようにしましょう。
4つ目は、設備故障のトラブルです。
住宅を売却する場合、設備故障のトラブルが起こりやすいです。
不具合のある設備については、設備表に記入し、買主に渡しましょう。
この際も、記載されていない不具合が発見されると、トラブルの種になってしまいます。
そのため、1つ1つ動作確認を行い、設備表を作成しておくことをおすすめします。
また、設備だけでなく、鍵の本数が異なっている場合でもトラブルが起きる可能性があります。
設備表の記入は手間がかかる作業になりますが、トラブルを避けるために時間をかけて丁寧に行いましょう。
□トラブルを回避するための対策
不動産売却でトラブルを避けるために、どのような対策を行えばいいのでしょうか。
1つ目は、売買契約書で契約解除について確認することです。
不動産売買において、契約後にトラブルに発展した場合、売買契約書に沿って解決されます。
売主のほとんどは、売買契約書を見る経験がなく、正確に読み取れる人も少ないです。
しかし、トラブルの多い契約解除についての内容の確認はそれほど難しいものではありません。
契約解除には、解約手付の問題や住宅ローン特約の問題があります。
契約書に「売主から買主へ契約解除を申し出る時は、手付金の3倍、買主から売主へ契約解除を求める場合は手付金の放棄」という内容が記載されているかチェックしましょう。
住宅ローン特約に関しては、住宅ローン特約がある内容があるか、期限が記載されているかなどを確認しましょう。
2つ目は、瑕疵に関する法改正について理解することです。
先ほども少し紹介しましたが、契約不適合責任という決まりが定められています。
契約不適合責任は、何か起きた場合は法律上、契約書の内容と合っているかで判断されます。
雨漏りしている箇所や水回りの不具合など、細かく記載することが求められています。
不動産会社の担当者や不動産売買に詳しい行政書士や司法書士などに相談するようにしましょう。
また、些細なことでも不動産会社に伝えましょう。
大したことではないと思っていても、後々損害賠償請求につながる問題かもしれません。
買主に伝える必要がない情報もありますが、万が一のためにも売主から不動産会社に気になることを相談しておきましょう。
□まとめ
不動産売却のトラブルには、さまざまな事例があります。
売却後に不具合があると、契約不適合責任を負わなければならない事態になります。
売主と買主の間に齟齬が生まれないようにすることが重要です。
細かいことでもきちんと伝え、安心して取引ができるようにしましょう。